福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

お大師様の御足跡寺院その18

2013-09-08 | 法話
18、(大師三十八歳、弘仁二年)
・弘川寺(大阪府南河内郡河南町弘川)大師は弘仁二年当寺を中興されたとされます。

・大覚寺(京都市右京区嵯峨野)弘仁二年、大師は嵯峨天皇の命で五大明王を作り安置されました。また弘仁九年には嵯峨天皇に写経を勧めてここにおさめておられます。有名な般若心経秘鍵にでてきます。「・・時に弘仁九年の春、天下 大疫す。
ここに帝王、自ら黄金を筆端に染め、紺紙を爪掌に握って、般若心経一巻を書写し 奉りたもう。予、講読の選にのっとって、経旨の宗をつづる。いまだけ結願のことばを吐かざるに、 蘇生の族、途に佇む。夜 変じて、日光赫赫たり。これ愚身が戒徳にあらず。金輪 御信力の 所為なり。・・」

・乙訓寺(京都府長岡京市今里3-14-7)弘仁二年、大師は乙訓寺別当に任ぜられます。お大師様がこのころ天皇に乙訓寺の蜜柑を献上した有名な詩があります。
『献柑子表』
「沙門空海 言す。
乙訓寺に 数株の柑橘の樹 有り。例に依りて、摘み取り来らしむ。
数を問えば 千に足れり、色を看れば 金の如し。
金は 不変の物 なり。千は 是れ 一聖の期 なり。又 此の菓は 本 西域より出でたり。
乍に 見て興有り。輙(すなは)ち 拙詞に課して
敢へて以って 奏上す。
伏して乞う、天慈曲げて 一覧を垂れたまへ。
軽しく 聖眼を 黷(けが)す。伏して 深く悚懼(しょうく)す。
沙門空海、誠偟(せいくわう)誠恐 謹言。

詩七言
桃・李珍なりと雖えども寒気に耐えず
豈に柑橘の霜に遇って美なるに如かむや。 
星の如く玉の如し黄金の質。 
香味は応に簠簋(ふき・・かご)に実つるに堪へたるべし。 
太だ奇なる珍妙何こよりか将来す。                         定めて是れ天上の王母が里ならむ。 
応に千年一聖の会を表すべし。 
攀じ摘んで持て我天子に献ず。 
小柑子六小櫃。  
大柑子四小櫃。  
右、乙訓寺の所出、例に依って奉献す。
謹みて寺主の僧願演をつかわして状に随って奉進せしむ。謹みて奉る。

(遍照発揮性霊集)」


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