福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

修験宗旨書・・・32

2018-01-01 | 諸経
修験宗旨書・・・32
脚絆事第十二通(大峰山の入峰ならば熊野から吉野へ向かう胎蔵入峰は順峰。仏性を顕摺るという意味で因から果へ向かう立場とされ、是は四角形の黒色、四角は地輪で阿字を表す。対して金剛界入峰は果より因にむかう、衆生済度の立場であるから八角智剣である輪宝をあらわす剣型の脚絆を付ける)
夫れ修験の脚絆とは修行堅固の徳用、迅速不退の要法なり。是に二種あり。所謂順逆二峰の修行に金胎両部の脚絆を分つ。先ず胎蔵黒色の脚絆とは筒脚絆これなり。従因至果の修行にこれを著す。春峰順なり。口決にいわく、その形四角地大を表す、五大分別の時地大は阿字胎蔵界の種子なり。胎蔵界とは東方因の曼荼羅のゆえに順峰の修行に此の脚絆を著す、その色黒色なるは風輪を顕し、風輪とは黒色なり。種子は梵字のうん字なり。是則ち行者風輪梵字のうん字に住する義なり。遊歩大空位の深義なり(大日経に「この身を捨てずして神境通を逮得し、大空位に遊歩して、しかも身秘密を成ず」とあり)。白色の堅緒は不動法性浮白輪円環なり。上の緒を上に結ぶは上求菩提なり、下の緒を下に結ぶは下化衆生なり。胎蔵とは内証門順峰の故に内に違えこれを著す。・・・次に金剛黒色の脚絆とは剣先の脚絆これなり。従果向因の修行これを著す。秋峰は逆なり。口決に云く、その形剣先なるは金剛智断の義なり。八角の智剣は即八輻輪宝の形なり。八邪無明を断じ、八正直道に到る事、たとえば金剛の能く万物を砕破するがごとし。・・金剛界とは西方曼荼羅の故に逆峰の修行者に此の」脚絆を著す。・・裏書にいわく、両部の他に金胎不二の脚絆あり、所謂その形、金剛界の脚絆にして違いをなすこと胎蔵界の脚絆の如し。是即金胎両部不二の脚絆なり。世間常途中の修行に之を著す。真にこれ因果不二の内証、當道修行の目安なり。・・・

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