[高野山にて]
秋の霧 伽藍隠して静かなり
なぜかくも優しく咲くか秋桜
日は曇り野に鳴く虫の密かなる
万丈の杉の梢に鰯雲
秋日和 蛇が昼寝す五輪塔
斜め陽に地蔵の前垂れいや赤し
参道に冥界の翳濃し秋日暮れ
秋の蚊に追われ追われる袈裟姿
[蟷螂と曼珠沙華]
石段を登れば蟷螂斧かまえ
曼珠沙華 傾く日影に狂おしく
彼岸花の妖気燃え立つ夕間暮れ
夕月や野分けに研がれ烏切る
秋の霧 伽藍隠して静かなり
なぜかくも優しく咲くか秋桜
日は曇り野に鳴く虫の密かなる
万丈の杉の梢に鰯雲
秋日和 蛇が昼寝す五輪塔
斜め陽に地蔵の前垂れいや赤し
参道に冥界の翳濃し秋日暮れ
秋の蚊に追われ追われる袈裟姿
[蟷螂と曼珠沙華]
石段を登れば蟷螂斧かまえ
曼珠沙華 傾く日影に狂おしく
彼岸花の妖気燃え立つ夕間暮れ
夕月や野分けに研がれ烏切る