秘密安心往生要集・・3６/42

秘密安心往生要集・・3６/42
（丗五、阿弥陀如来真言功能の事。）
阿弥陀如来心真言　「おん　ろけいじんばら　あらんじゃ　きりく」（梵字）。儀軌にいわく此の真言一遍を誦すれば阿弥陀経を不可説遍誦するに敵る。秘なるが故に、勝れたるが故に重障難を破す。具に述べることあたはずと。（無量壽如來觀行供養儀軌「此眞言誦一遍。敵誦阿彌陀經一遍不可説遍祕故勝故。破重障難」）。
決定往生浄土の真言「おん　あみりた　ていせい　からうん」（梵字）。此の真言十万遍を誦すれば阿弥陀如来を見奉ることを得て決定して極楽世界に生ずることを得と。真言の九字は即ち九品の佛の種子なり。
一字の真言　「きりく」（梵字）。理趣釈経に曰く「若し此の一字を持すれば能く一切の災禍疾病を除き命終して後當に安楽国土に生じて上品上生を得べし」と。（　大樂金剛不空眞實三昧經般若波羅蜜多理趣釋卷下「若人持此一字眞言。能除一切災禍疾病。命終已後當生安樂國土得上品上生。」）。
無量寿如来根本陀羅尼（亦十甘露呪と名く）「のうぼう　あらたんのう　たらやぁや　のうまく　ありや　みたあばぁや　たたぎゃたや　あらかてぃ　さんみゃく　さんぼだや　たにゃた　おん　あみりてい
あみりとう　どはんべい　あみりた　さんばべい　あみりた　ぎゃらべい　あみりた　しってい　あみりた　ていせいあみりた　びきらんでぃあみりた　びきらんだ　ぎゃみねぃ　あみりた　ぎゃぎゃのぅ　きちきゃれぃあみりた　どんどび　そばれぃさらば　あらた　さたねぃさらば　きゃらま　きれぃ　しゃきしゃよぅ　きゃれぃ　そわか」（梵字）此の陀羅尼は纔に一遍を誦すれば則ち身中の十悪四重五無間罪を滅し一切の業障悉く消滅す。若し比丘比丘尼の根本罪を犯せるも七遍を誦じ已んぬれば即時に戒品清浄なることを得。一万遍を誦じ満ずれば不廃忘菩提心三摩地を獲得して菩提心身中に顕現して皎潔円明なることを猶ほ浄月の如し。命終の時に臨んで阿弥陀如来無量俱胝の菩薩衆の為に囲繞せられて来迎し行者を安慰して即ち極楽世界の上品上生に生じて菩薩の位を証すといへり。