福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

国生み・神生み神話は理趣経によらねば本当の意味は分からぬ(慈雲)

2018-11-05 | 護国仏教
慈雲尊者「開会神道」「・・(日本書紀の神代の巻に)於是陰陽始遘合為夫婦(是(ここ)に、陰(め)陽(を)始(はじ)めて遘合(みとのまぐはひ)して夫婦(をうとめ、いもせ)と為(な)る)及至産時、先以淡路洲為胞。意所不快。故名之曰淡路洲。廼生大日本豊秋津洲(及至産(こうむ)時 先以淡路(あはぢ)洲(しま)爲胞(え) 意(みこころ)所不快(よろこぶ) 故(かれ)名之曰(いふ)淡路洲 廼生大日本(おほやまと)豐秋津洲(とよあきづしま))。これ正しく理趣会の法門(金剛界曼荼羅の右上にあり金剛薩中心に欲触愛慢の四菩薩が取り巻く。これらは欲触愛慢の大欲をもって衆生済度すべきことを示している)、二根交合して五塵大佛事を得る(理趣釈に「(金剛界曼荼羅の金剛杵と蓮華の)二体和合して成じて定慧となる。この故に瑜伽広品中に密意もて、二根交会して五塵(色声香味触が)大佛事を成ずることを説く」とある)の模様なり。理趣会は密教なれば五塵佛事を得て十七尊(金剛界理趣会の十七尊、欲・触・愛・慢・香・華・灯・塗等の菩薩あり、)の曼荼羅を現ず。
今この神道は有為法なればこの秋津洲等の大八州を生ず。これ神代の巻の説也。神道家流この文を解し謬り、ただ世間の人間交会をいふと思ふ。その山川草木を生ずと云ふに至って(日本書紀では国土を生んだ後に山川草木を生む)、種々に伝授事を設けて世人を誑かす。殊に知らず、人何によってか山川草木を生ずることを得んやと。吾が密教の知見以て見れば即ち是れ世間相常住を顕はし、諸法本有の具徳を顕見することを表す。その始め遘合為夫婦というは、今の人間牛馬の会遇にはあらず。理趣釈にいふところの二根交会()なり。ゆえにかくのごとく説けり。ここに知ぬ、神道の高き、道徳儒教の及ぶところにあらず。その深意を得るに於いては密教に入るにあらざればこれを知ること能はず。以て知るべし。吾密教の最尊無上無比無等の教にて、有為無為諸法の決択、内外諸道の説相、みなこれより明なることを。」(注、理趣釈では、理趣経の「妙適清浄句是菩薩位」について「金剛薩埵(金剛界界曼荼羅の理趣会では主尊)が無縁の大悲をもって衆生済度に尽力し休むことなく自他平等無二に活動すること」とされます。また理趣釈に「(金剛界曼荼羅の金剛杵と蓮華の)二体和合して成じて定慧となる。この故に瑜伽広品中に密意もて、二根交会して五塵(色声香味触が)大佛事を成ずることを説く」とあります。))
是と同じように、伊弉諾伊弉冉の尊やその他の神々は夫婦で多くの神生みをなさいますがこれも、この「二根交会して五塵(色声香味触が)大佛事を成ずる」ことを深く理解しなくては分からないでしょう。

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