福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

狂気の者のうわごとと、仏陀の三昧が一体である

2017-01-31 | 法話
中央線で、ドア際に立っていると、横の椅子に座っていた中年男性が突然うわごとのような意味不明の言葉を繰り返し始めました。
最近時々電車の中にこういう精神不安定な人がいて、大声で独り言を言ったり周りの人にからんだりしている光景をよく見かけます。まわりのひとは、できるだけ平静を装っています。

うちに帰るとたまたま「心の時間」で木村清考東大名誉教授が華厳経の解説をされていて、話が韓国の作家高銀の『華厳経』に及びました。そしてこの作品の最後の方に「・・狂気の者のうわごとと、仏陀の三昧が一体であるということがわからなければ、地獄だ」という趣旨のことを書いてあるといいました。これは華厳経の「正反対のもの」同士が一つであると説いているということの例証として取り上げているのでしょう。しかしちょうどさっき自分が電車の中で経験したことを指摘されているようで、ギクッとしました。そうでした、この高銀の『華厳経』にいうように、「狂気の者のうわごとと、仏陀の三昧が一体である」ということが味えるような境地にならなければ、偽物だということだったのです。まだまだです。逆に、「狂気の者のうわごとと、仏陀の三昧が一体である」とすれば狂気の者も救われるのです。
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