神道大意、兼倶(卜部兼倶、室町中期京都吉田神社の神官。唯一神道(吉田神道)の創始者)。
それ神とは天地に先だちてしかも天地を定め、陰陽に超えてしかも陰陽を成す。天地にありては神といふ。万物にありては霊といふ。人にありては心といふ。心とは神なり。故に神は天地の根源なり。万物の霊性なり。人倫の運命なり。無形にしてよく有形物を養うは神なり。人の五臓に託して五神となる。各その臓を守るものなり。故に神の字をたましひと読むこれなり。眼に色を見て眼これをみず、其の見るところの者を神といふ。耳に音を聞いて是を聞かず、其の聞くところの者を神といふ。鼻の香における、口の味における、身の寒熱におけるも亦復如是。まさにしるべし心は則ち神明の舍、形は天地と同根たることを。
(続
それ神とは天地に先だちてしかも天地を定め、陰陽に超えてしかも陰陽を成す。天地にありては神といふ。万物にありては霊といふ。人にありては心といふ。心とは神なり。故に神は天地の根源なり。万物の霊性なり。人倫の運命なり。無形にしてよく有形物を養うは神なり。人の五臓に託して五神となる。各その臓を守るものなり。故に神の字をたましひと読むこれなり。眼に色を見て眼これをみず、其の見るところの者を神といふ。耳に音を聞いて是を聞かず、其の聞くところの者を神といふ。鼻の香における、口の味における、身の寒熱におけるも亦復如是。まさにしるべし心は則ち神明の舍、形は天地と同根たることを。
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