1930年代 第2次世界大戦前の日本海軍の戦艦”大和”を巡る”机の上の大戦”が始まる様子を描いています。
映画を見に行く前からこの表題のアルキメデスの意味が何なのか分かりませんでした。
さて、この映画を見て分かったのでしょうか・・・
なお、後半にネタバレも含まれていますので、念のために・・・
この映画は、数学で戦争を止めようとした男の物語です。
数字で戦争を止めるとは・・どういうことなのでしょうか・・・
確かに、紀元前の古代ギリシャの数学者にアルキメデスがおり、「アルキメデスの原理」は有名です。
この「アルキメデスの原理」と関係があるのかと思ったのですが・・・・。
映画は、戦艦”大和”の壮絶な戦いの末、沈没する悲壮な様子が映し出されます。
話は、この戦艦”大和”が撃沈される十年ほど前に戻ります。
帝国海軍を象徴する大型戦艦の製造を目指す機運が盛り上がる中、第1航空戦隊司令官の山本五十六海軍少将(館ひろし)は、必要なのは大きな戦艦ではなく航空母艦であると考えていました。
そんな中、新型戦艦建造計画会議で発表された大型戦艦の建造の見積もりに虚偽があると気づいた山本は、この不正を暴くため、帝大数学家の学生にして数学の天才と言われている 櫂 直(かい ただし)(菅田将暉)を白羽の矢をたてます。
櫂は、山本のもとに駆け寄る 実際より少ない見積もりを提出した平山海軍造船中将
新造戦艦の決定会議は2週間後でその間、資料は国家機密として開示されず、資料のない中、その見積もりの疑義を証明すべく奔走します。
資料のない中、同じ形態の戦艦長門に乗船し、寸法を測り、ボルトの数まで手当たり次第測り、これをもとに戦艦の設計図を作り上げました。
戦艦にほとんど知識のない櫂は、専門書を読破し、あらゆるツテをたどり見事に作り上げます。
この会議では、櫂の見事な数字での疑義解明を、見積もりを提出した平山忠道 海軍造船中将(田中庇)を推す嶋田繁太郎海軍大将(橋爪 功)などは、負けを認め、山本が推す空母を造ることになるのですが・・。
山本五十六と永野海軍大将(国村 隼) 櫂の部下 田中少尉(柄本 佑)
平山見積もりと対峙する両人 当初、固い軍人だったが、櫂に感化され協力者となる
しかし、その後、この誤った見積もりには、平山中将には、それなりの理由があったのです。
実際より少ない見積もりには、この戦艦を造ることによって、多くの国民の戦意を高揚させると同時にこれが撃沈すれば、国民の戦意が喪失し、終戦を早くすることが目的だったと櫂に証した。
軍部上層部は、日本人の一人残すことなく戦争を続行されるに違いない。 早く終結する手段であると・・・
左 嶋田海軍少将(橋爪功)
右 平山海軍造船中将(田中庇)
この物語は、もちろんフイックションですが、これでいとも簡単に戦艦”大和”が撃沈され、海軍全体が戦争反対であったということを言いたかったのかも知れません。
なお、アルキメデスという名前は案外 櫂のモデルなのかも知れません。
古代ギリシャのアルキメデスは、数学、物理学のあらゆる発明もしていますが、中でも機械の設計も秀でて、戦争の武器も考案したと言われていますので・・・・あくまで僕個人の所見ですが・・・