浅田次郎原作といえば、「ぽっぽや」、「壬生義士伝」とか「一路」など人情的な心温まる作品という印象があり、今回もそのような内容を期待しました。
たしかに、ベースは心温まる人情話なのですが、それを面白おかしくを追求しすぎたのでしょうか、少々コメデイーとしてもドタバタ的な面があり、漫画的でした。
しかし、その内容たるは、監督、脚本、などスタッフだけではなく、キャストもそうそうたるメンバーで、主演の神木隆之介を盛り上げていました。
そもそも江戸時代に大名倒産が実際にあったのでしょうか・・・
勿論多くの大名は借金に苦しんでいたことは多くの話からあったのは事実のようです。
でも、倒産ではなく、「お断り」と称して借金を踏み倒すことはあったようです。
つまり、一方的に返済不能を宣言することで、実質的に「借金の踏み倒し」です。
尚、この話にはモデルがあるとのこと。新潟県村上藩とのことです。
他の大名倒産や村上藩についての内容や真偽のほどは、私の調査不足です。
興味のある方はお調べいただければ幸いです。
や
映画は、江戸時代、越後・丹生山藩の役人の息子として平穏に暮らしていた間垣小四郎(神木隆之介ーのちの松平小四郎)はある日突然、自分が徳川家康の血を引く丹生山藩主の跡継ぎと知らされる。
実母・間垣なつ(宮崎あおい)と 左から磯貝平八郎(浅野忠信)橋爪佐平治(小手
平穏な暮らしをしていたが・・・ 伸也)天野大善(梶原善)
跡継ぎといっても3男で長男・新次郎(松山ケンイチ)次男・喜三郎(桜田通)は健在で実父・一狐斎(佐藤浩市)に至っては、趣味のために隠居するという状態で、藩主を押し付けられます。
というのも、この丹生山藩には、今の価値で100億円ともいわれる莫大な借金があり、藩主は、倒産の暁には責任を負って切腹するということになり、これを小四郎に押し付ける魂胆ということで、だれも藩主になり手がなかったのです。
左からタツ(キムラ緑子)仁科摂津守(石橋蓮司) 三兄弟は、仲が良いのですが・・
一狐斎(佐藤浩市)
そんな事情が判明した小四郎は、返済日まで色々と節約方法や、業者との癒着で中抜きとかよくあるパターンを解明してゆきますが、果たして思い通りに解決するのでしょうか・・・
考えようによっては、江戸時代も令和の今も、役人と業者のやることは大なり小なり同じようなことなのでしょうか、その皮肉とか嫌味も同時に垣間見るおもいです。