日々の恐怖 5月31日 小児科病棟の電話
小児科病棟の当直医が学会提出用のレポートを仕上げるために、敢えて当直室ではなく面談室内にこもっていた夜のことです。
そのDrの記憶では深夜2時すぎくらいだったらしい。
面談室内の電話が鳴って、電話に出た。
Dr「 はい、○○です」
「 せんせい、お熱さがったよ~。」
Dr「 ・・・?
ああそう。それは良かった。」
それだけで電話は切れたとのことだった。
うちの面談室内の電話は、小児科ナースステーションからしか繋がらない様になっているため、そのDrは、
“ 夜勤ナースの報告か・・・?
でも普通こんな風に報告しないよな・・・。”
と思いながらも、再度パソコンに向かってレポートに取り組んでいた。
そして、明け方朝7時頃、そのDrがナースステーションにやってきて、
「 夜中熱下がったよ~って電話だったけど、誰の熱?(うちの病棟は白血病等血液の癌の子ども達もいて、治療中8度5分以上の発熱があると通常、血液培養を採取し、抗生剤投与を開始します。)
血培の結果どうだったかな?」
と夜勤ナース3人に聞いてきた。
しかし、私達夜勤ナース3人ともだれもそんな電話はしていない。
Nrs「 いえ、誰も発熱してないし、平和な夜でしたよ・・・。」
Dr「 あれ?じゃあ、あの電話なんだったんだろうね?」
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