<12月の鑑賞予定映画>
~さあ、人生に繰り出そう~
2011年 フランス映画 PG12指定作品 (2012.09.01公開)
配給:GAGA 上映時間:113分
監督:エリック・トレダノ/オリヴィエ・ナカシュ
脚本:エリック・トレダノ/オリヴィエ・ナカシュ
音楽:ルドヴィコ・エイナウディ
出演:フランソワ・クリュゼ/オマール・シー/アンヌ・ル・ニ/オドレイ・フルーロ
クロティルド・モレ/アルバ・ガイア・クラゲード・ベルージ
<見どころ>
車いすで生活している大富豪と介護者として雇われた黒人青年が垣根を越えて友情を結ぶ、
実話を基にしたヒューマン・コメディー。年齢や環境、好みも異なる二人が、お互いを認め合い
変化していくプロセスを描いていく。
監督は、本作が長編4作目となるエリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュのコンビ。
主演は、『歌え! ジャニス★ジョプリンのように』のフランソワ・クリュゼと『ミックマック』のオマール・シー。
フランス本国のみならずヨーロッパで記録的なヒットを樹立した、笑いと感動に包まれた良質な
コメディーを堪能できる。
<ストーリー>
不慮の事故で全身麻痺になってしまった大富豪のフィリップ(フランソワ・クリュゼ)は、
新しい介護者を探していた。スラム出身の黒人青年ドリス(オマール・シー)は生活保護の申請に
必要な不採用通知を目当てに面接にきた不届き者だったが、フィリップは彼を採用することに。
すべてが異なる二人はぶつかり合いながらも、次第に友情をはぐくんでいき……。
<感想>
実話を元に、車椅子生活の大富豪とスラム育ちの黒人青年の、 垣根を越えた絆を描いた作品。
実話というのを作品を観るまで全然知りませんでした。
よくある障害者と健常者とのお涙頂戴のストーリーではなく、人種も障害も越えた素晴らしいお話でした。
介護を通じて、友情が芽生える全くタイプの違う二人。
とにかくドリスのキャラがいい。 最初は介護の業務のいくつかを拒否するのですが
拒否しつつも 黙々とこなしていくんですよね。またそのやりとりが面白い。
またフィリップに対しても障害者という目で全く見ていなく、一人の友人として接しているのもいい。
車も介護用の車ではなく、スポーツカーにさっさと乗せちゃうし、下ネタもバンバン質問。
セックスについての質問も実に単刀直入。垣根をなんなくして入っていきます。
これを見てPG12指定なのか、よくわかりました。あの表現は大人にしかわかりません。
でも、この下ネタトークが、かなりイカしてます。
健常者・障害者、金持ち・貧困、介護する側・される側、そんなのはこの2人には関係ない。
偏見・差別をとっぱらい、お互いを認め合う姿がなんとも爽快。
また流れる音楽もロックとクラシックが融合しあうBGMになっているものいいですね。
笑いのセンスもいいし、と同時に感動しちゃった作品でした。
とにかく音楽が最高。 まさか、Earth Wind & Fireの音楽で泣くとは思いませんでした。
そして、ドリスのように心の垣根を取っ払って接することの出来る人間になりたいと思いました。
考えさせられる映画で、私の中では今のところ今年の洋画部門NO.1の作品ですね。
点数:10点 (満点)