<12月の鑑賞予定映画>
~マジメって、面白い~
2013年 日本映画 (2013.04.13公開)
配給:松竹=アスミック・エース 上映時間:133分
監督:石井裕也
原作:三浦しをん 『舟を編む』(光文社刊)
脚本:渡辺謙作
音楽:渡邊崇
出演:松田龍平/宮崎あおい/オダギリジョー/伊佐山ひろ子/黒木華
渡辺美佐子/池脇千鶴/鶴見辰吾/八千草薫/小林薫/加藤剛
<見どころ>
2012年本屋大賞に輝いた三浦しをんの小説を、石井裕也監督が実写映画化。
ある出版社の寄せ集め編集部が、気の遠くなるような歳月をかけて二十数万語が収録された
新辞書作りに挑む姿をユーモラスに描く。辞書の編さんに没頭する主人公・馬締光也には、
三浦原作の『まほろ駅前多田便利軒』にも出演した松田龍平。
彼が一目ぼれするヒロインには、『ツレがうつになりまして。』の宮崎あおいがふんするほか
オダギリジョーら多彩な顔ぶれがそろう。
<ストーリー>
玄武書房に勤務する馬締光也(松田龍平)は職場の営業部では変人扱いされていたが、
言葉に対する並外れた感性を見込まれ辞書編集部に配属される。新しい辞書「大渡海」の
編さんに従事するのは、現代語に強いチャラ男・西岡正志(オダギリジョー)など個性の強い
メンツばかり。仲間と共に20数万語に及ぶ言葉の海と格闘するある日、馬締は下宿の大家の
孫娘・林香具矢(宮崎あおい)に一目ぼれし……。
<感想>
タイトルは、「舟=辞書を編む=編集する」の意味。
辞書作りとのお話なのだが、こうして観てみると、15年もの歳月をかけて辞書は
作られていたのか・・・・・と驚いてしまった。
言葉集め、語釈執筆、組版、何度も繰り返しの校正作業。気の遠くなる様な作業だ。
「右」とか「恋」という言葉を、どう語釈するか?わかっていても、どう説明したらいいのか
確かにわからない。また出版社によって、言葉の語釈に差異があるというのも
恥ずかしながら初めて知りました。
ドラマティックな展開もなく、淡々と描かれた地味な作品ですが、ちゃんと笑える
部分もあり、辞書作りに携わった人々の静かな情熱に 、圧倒される部分もありました。
15年もかかる辞書作成。当然、編集しているうちに、新たに出てくる言葉、
そして使われなくなっていく言葉、言葉にも命がるんだな・・・と知りました。
書いたり話したりすることで、人は言葉で繋がる・・・・それを強く感じた作品でした。
言葉って大事、言葉って素敵。
今年観た邦画の中では、個人的に満足いく映画でしたね。
ひとつ言うなら、ここのところ、妻役のあおいちゃんしか観てないので
出来たら、そろそろそれ以外の役を演じているあおいちゃんを観たいです~。
点数:9点 (10点満点)