<12月の鑑賞予定映画>
~世界を変えた、夢がある~
2012年 アメリカ映画 (2013.04.19公開)
第85回アカデミー賞 主演男優&美術賞受賞作品
配給:20世紀FOX 上映時間:150分
監督:スティーヴン・スピルバーグ
原作:ドリス・カーンズ・グッドウィン 『リンカーン』(中央公論新社刊)
脚本:トニー・クシュナー
衣装デザイン:ジョアンナ・ジョンストン
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:ダニエル・デイ=ルイス/サリー・フィールド/デヴィッド・ストラザーン
ジョゼフ・ゴードン=レヴィット/ジェームズ・スペイダー/ハル・ホルブルック
トミー・リー・ジョーンズ
<見どころ>
スティーヴン・スピルバーグによる、第16代アメリカ合衆国大統領エイブラハム・リンカーン
の伝記ドラマ。奴隷制の廃止と禁止を強固なものにし、泥沼化した南北戦争を終結させるため
憲法の修正に挑むリンカーンの戦いを重厚なタッチで映し出していく。
ダニエル・デイ=ルイスがリンカーンにふんし、国と人民の未来をめぐる理想と現実に苦悩する
彼の胸中を見事に体現。ジョセフ・ゴードン=レヴィットら、脇を固める実力派の妙演も見逃せない。
<ストーリー>
エイブラハム・リンカーン(ダニエル・デイ=ルイス)が、大統領に再選された1865年。
アメリカを内戦状態に追い込んだ南北戦争は4年目に突入したが、彼は奴隷制度を永遠に
葬り去る合衆国憲法修正第13条を下院議会で批准させるまでは戦いを終わらせないという
強い決意があった。そのためにも、国務長官ウィリアム・スワード(デヴィッド・ストラザーン)らと
共に憲法修正に必要な票を獲得するための議会工作に乗り出す。
そんな中、学生だった長男ロバート(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)が北軍へと入隊し……。
<感想>
主演のダニエル・デイ=ルイスが3度目のオスカー受賞、ということもあって
公開が楽しみだった作品。
まず、ダニエルがどこからどう見てもリンカーンご本人のように見えてしまうのに驚き。
おかげで、全編映画というより、歴史が大きく揺れ動いた1か月をタイムスリップして
観ているかのような感覚になりましたね。
私はてっきり伝記ものの映画とばかり思っていましたが、いざ本編を観ると
確かにリンカーンのお話なんですが、憲法修正第13条をめぐるお話でした。
南北戦争と言えば、歴史の勉強で少し習った程度。戦争に勝利し奴隷解放し
アメリカ人に最も愛されている大統領の一人・・・ということぐらいしかわかりません。
それにしても戦争を終わらせる前に奴隷制廃止を謳う“憲法修正第13条”を議会で
通過させる為に、裏であらゆる政治工作が繰り広げられていたのには驚きました。
というか、“13条”のことなんて学校で習ってなかったよなぁ~。
正義だけでは勝てない・・・・・なんか矛盾してるけど、そうなんだろうな・・・。
南北戦争の認識が今一つ薄いので、議会でのやりとりや裏での駆け引きシーンでは
思わず寝てしまいそうになりました。込み入った会話がとにかく前半多いので
歴史好きな私でも寝てしまいそうだったので、あまり世界史に興味のない方は
このあたりでは、よい昼寝タイムになってしまうかと思います(笑)
終盤、奴隷制度を撤廃根絶するための法改正のせめぎ合いは、見応えがありました。
特に、決選投票のシーンは結果がわかっていても、手に汗握り、歴史の瞬間に
立ち会ったような感覚になりましたね。
それにしても奴隷制度を反対していた民主党から、現在オバマ大統領が誕生している
とは不思議な感じがします。
最後、トミー・リー・ジョーンズの演技には泣けました。
あんなに意固地な態度をとってたのは、このことだったんですね・・・。
大きな犠牲を払って勝ち得た法改正の影には彼の決断力、揺るぎない信念が
あったからこそ。
日本の政治家に観てほしい作品です。
点数:8点 (10点満点)