<12月の鑑賞予定映画>
~ひたむきに生きる~
2014年 日本映画 (2014.09.20公開)
配給:松竹 上映時間:1時間59分
監督:若松節朗
原作:浅田次郎 『柘榴坂の仇討』(『五郎治殿御始末』所収)
脚本:高松宏伸/飯田健三郎/長谷川康夫
美術:小川富美夫
音楽:久石譲
出演:中井貴一/阿部寛/広末涼子/高島政宏/真飛聖/吉田栄作
堂珍嘉邦/近江陽一郎/木崎ゆりあ/藤竜也/中村吉右衛門
<見どころ>
『鉄道員(ぽっぽや)』など数多くの著作が映画化されてきた人気作家・浅田次郎
による短編集「五郎治殿御始末」所収の一編を映画化した時代劇。
主君のあだ討ちを命じられた武士の不器用な生きざまを通し、幕末から明治へと
時代が激変する中、武士として、人としての誇りと覚悟を持って生きる侍たちの
姿を描く。監督は『沈まぬ太陽』などの若松節朗、音楽を映画音楽の巨匠・久石譲
が担当。『壬生義士伝』などの中井貴一が主人公を熱演し、阿部寛、歌舞伎役者
の中村吉右衛門ら実力派が共演する。
<ストーリー>
安政7年、彦根藩士・志村金吾(中井貴一)は主君である大老・井伊直弼
(中村吉右衛門)に仕えていたが、登城途中の桜田門外で井伊は暗殺されてしまう。
その後、あだ討ちの密命を受けた金吾は敵を捜し続けて13年が経過する。
明治6年、時代が移り変わり時の政府があだ討ちを禁止する状況で、最後の敵
である佐橋十兵衛(阿部寛)を捜し出し……。
<感想>
原作=未読
実家のある彦根のお話なので、公開前から期待していました。
の割には、UPするの遅くなっちゃったんだけど・・・・・・・。(--;)
それにしても、中村吉衛門さん、井伊直弼に風貌がよく似ていたのにびっくり。^^;
桜田門の変から13年。 この間に、江戸から明治と世の中は激変。
時代は移り変わっていくのに、武士精神と忠義心を捨てられずに13年も彷徨う男と
罪の意識を負いながら13年過ごす男。
2人の対比を置いて描かれているので、殺陣シーンはあるものの、思ってたよりは
少なかったです。二人の13年に渡る心の葛藤がスクリーンを通してひしひし伝わり
見応えがありました。
やはり見応えがあったのは、最後の柘榴坂で二人が対峙するシーン。
13年の時を経て、やっと遭遇するわけですが、この重苦しい雰囲気が
なんともいえない。ここはやはり映画館で観るべきシーンでしょう。
武士の忠義心を描いた作品でしたが、その中に広末涼子が演じる妻の健気さも
光っていました。好き合うシーンは全くなかったですが、この夫婦がいかに
愛し合っているのかが、ちょっとした台詞や仕草でよく感じられました。
同じ時期に、「るろ剣」も公開されましたが、時代設定もよく似ていて
二つの作品が言わんとしているテーマも似通っているように思いましたね。
派手さはないですが、いい映画でした。時代劇ファンは納得の作品ではないでしょうか?
点数:9点 (10点中)