<12月の鑑賞予定映画>
~怪物だーれだ~
2023年 日本映画 (2023.06.02公開)
第76回カンヌ国際映画祭脚本賞、クィア・パルム賞受賞作品
配給:東宝=GAGA 上映時間:126分
監督:是枝裕和
脚本:坂元裕二
音楽:坂本龍一
美術:三ツ松けいこ
衣装:伊藤美恵子
衣装デザイン:黒澤和子
出演:安藤サクラ/永山瑛太/黒川想矢/柊木陽太/高畑充希/角田晃広
中村獅童/田中裕子
<見どころ>
『万引き家族』などの是枝裕和が監督を務め、脚本を『花束みたいな恋をした』
などの坂元裕二、音楽を坂本龍一が担当したサスペンス。けんかをした子供たちの
食い違う主張をきっかけに、社会やメディアを巻き込む騒動が起こる。
『万引き家族』などの安藤サクラや『友罪』などの永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太、
田中裕子などが出演する。
<ストーリー>
息子を愛するシングルマザーや生徒思いの教師、元気な子供たちなどが暮らす、
大きな湖のある郊外の町。どこにでもあるような子供同士のけんかが、互いの主張の
食い違いから周囲を巻き込み、メディアで取り上げられる。そしてある嵐の朝、
子供たちが突然姿を消してしまう。
<感想>
公開早々に鑑賞したが、UPがすごく遅くなってしまったので短め感想で。
母親・教師・子供たちの視点からみた構成の「羅生門」スタイル。
「真実」な出来事が、双方で見方が違って見えてくる。ちょっとした
誤解の重なりで、どんどんその誤解が膨らんでいってしまう怖さを
感じました。
子役2人の演技は素晴らしかった。これが初めてとは思えないほど
繊細な演技。是枝監督は子供を撮るのが本当にうまい。
それと安藤サクラと田中裕子の演技は圧巻。田中裕子が出てくるだけで
不穏な空気に包まれる存在感がすごい。
中でも田中の言う
「誰かにしか手に入らないものは幸せって言わない。
誰でも手に入るもののことを幸せって言うの」
このセリフが印象に残りました。
物事は多面的に捉えないといけないな、そう感じる映画でした。
最後、あれは救いに見える?? 私は悲劇的に見えたんだけど・・・。
音楽は春に亡くなった坂本龍一。
YMOからのファンでライブに足を運びましたが、これが遺作と
なってしまいました。ご冥福をお祈りいたします。
点数:7点/10