俳句をかじる者は大抵先輩俳人の心に残る一句
を持っているものである。
私の場合、衝撃を受けた句として、
即座に三句が浮かんでくる。一句は、
きのう紹介した山口誓子氏の
「海に出て木枯し帰るところなし」と、
もう一句は「白魚の魚たること略しけり」中原道夫
この句にも衝撃を受けた。
これはすでに成魚となった白魚を見て、の
言わば感想であるが、普通は「へ~このまま大人になるんだ。」
ぐらいのものである。それを魚たることを省略していると
思う感性のすごさである。
中原道夫氏は四十代でデビューし、現在
すでに「銀化」という結社誌を構えている。
他にも「糸蜻蛉(とんぼ)弓なりといふ愛しかた」
「天使魚の愛うらおもてそして裏」
など独特の切り口で俳句界に新風を巻き起こしたのである。
また「俳諧は屁のようなもの浮いて来い」という
人を食ったような句を発表して物議をかもしたこともある。
さすがに今はその才気走った鋭さはやや影を
潜めているものの、道夫ワールドはしなやかに円熟味を増して
いるのである。そして、我が俳句観を変えてしまった衝撃の
もう一句は…。
(つづく)
を持っているものである。
私の場合、衝撃を受けた句として、
即座に三句が浮かんでくる。一句は、
きのう紹介した山口誓子氏の
「海に出て木枯し帰るところなし」と、
もう一句は「白魚の魚たること略しけり」中原道夫
この句にも衝撃を受けた。
これはすでに成魚となった白魚を見て、の
言わば感想であるが、普通は「へ~このまま大人になるんだ。」
ぐらいのものである。それを魚たることを省略していると
思う感性のすごさである。
中原道夫氏は四十代でデビューし、現在
すでに「銀化」という結社誌を構えている。
他にも「糸蜻蛉(とんぼ)弓なりといふ愛しかた」
「天使魚の愛うらおもてそして裏」
など独特の切り口で俳句界に新風を巻き起こしたのである。
また「俳諧は屁のようなもの浮いて来い」という
人を食ったような句を発表して物議をかもしたこともある。
さすがに今はその才気走った鋭さはやや影を
潜めているものの、道夫ワールドはしなやかに円熟味を増して
いるのである。そして、我が俳句観を変えてしまった衝撃の
もう一句は…。
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