つぶや句

夢追いおっさんの近況および思うことを気まぐれに。

詩人と画人

2006-06-24 08:13:44 | 絵・まんが
「詩のボクシング」というのがある。
たまたま見たのがNHKの教育番組だったが、
詩人がボクシングのリングに上がり、
両コーナーに分かれて互いの「詩」で、
戦うというものだ。その愛知県代表が林本ひろみさんだった。
彼女は見事に一回戦を突破して奮闘した。
我が家は、一丸となって今回のワールドカップ日本代表のように、
彼女を応援した。
そんな彼女が主催する「ポエムでお茶しましょう」
という、「ポエ茶」にご招待を受けた。
もともと詩に、そして詩人に、まっとうでない
においをプンプン感じ、シンパシーを持っていた私は、
興味津々で覗かせてもらった。
当時「G茶屋」というアート喫茶みたいなところで、
私も作品を展示させてもらっている場所だった。
店内に7~8名詩人らしき人たちが居て、
林本さんが司会進行みたいなことをしつつ、
本人も詩の朗読に参加していた。
やはり驚いたのは、詩人たちの変身ぶりである。
和やかに談笑していた人が、朗読し始めると、
別人になってしまうのである。妙齢ナ女性が、
いきなり床に這いつくばってペロペロ舌を
出したり、ジっと俯いてた男性が絶叫して朗読したり、
さながら一人芝居を見ているようだった。
もともと詩のボクシングもこのような感じなので、
そんなに驚くほどのことはないと思うのだが、
やはりライブでの至近距離で見ると体感的迫力が違うようである。
絵描き体質と自認する私は、こりゃかなり違うなあ、と思った。
彼らは詩を言霊として発し、その詩魂が乗り移った様に
体現する。総身で表現するのだ。私は内心その迫力に
たじろいでいたが、その違いに面白さも感じていた。
その後絵描き仲間に「ポエ茶」を紹介したら行ったらしく、
「どう、詩の朗読参加してみたら?」と水を向けてみると、
「とんでもない、とても人前であんなこと…」と
完全に尻込みしていた。これは絵描き仲間としてよくわかるのである。
絵描きも詩人も基本的には、内蔵する心の叫びを
どうにか表現したいと思っているのだ。
詩人はそれを言霊と総身で体現し、絵描きは
筆に託して無言で表現する。この決定的な違いを感じた。
もちろん無言で書くだけの詩人もいるだろう、
雄叫びをあげて描く絵描きもいるだろう。
しかし、本質はそう間違ってはいないと思う。
私は詩人に一種の狂気(これはまったくいい意味で)を
感じ、私が忘れていた自分の中の狂気をふと、思い出させて
くれたのだった。「ああオレの純真な狂気よ、どこに行っちまったんだ、
どこに落としてきたんだ、」
近頃こんな探し物をしたりするのだ。
それにしても、詩も体現し、絵も高レベルで描き、工作物も
達者に作る林本さんて、一体何者?
ン~~~とにかくスゴイ。
コメント (2)
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