つぶや句

夢追いおっさんの近況および思うことを気まぐれに。

走る人

2006-11-02 04:33:17 | ちょっとした出来事
今は車で通勤しているが、5年前まで自転車通勤だった。
自転車のいいところは、車の入れないところへ入っていける
というところである。会社まで車でほんの5~6分、
自転車でいけば15分というところである。

しかし自転車の強みを発揮して、車止めの杭の打ってある
緑地公園内を突っ切って行けるのである。
そうすると、10分で楽に行けてしまうのだ。

勤めは早番と遅番があって、早番だと午前4~5時出勤も
珍しくない。遅番だと7時半~8時となる。

そんな時間に公園内を抜けようと自転車を駆っていると、
よくジョギングしている人に会う。

そんな時間でも走っている人はいるのだ。
それもほとんど同じ時間帯に同じ人が走っている。

中年のおじさんだったり、30代とおぼしき女性の場合もある。
時間帯が遅くなるにしてがって、人数も増えてくる。

それが、雨の日も風の日もなのである。
さすがに雨の日は少なくなるが、走っている人は
走っているのだ。

毎日会うようになると挨拶を交わしたりするようになる。
かるく会釈したり、中には「おはようごだいます」と
元気な声を掛けてくる人もいる。

こういう人達に会っていつも思うのは、自分には
出来そうにないなあ、ということである。

特に、雪の降りしきる日にひた走っている人を見たときには、
違う人類ではないかとさえ思えた。
その目は一点を見据え、何かに憑かれているかのようにも
みえた。

ワタシのように部屋に引きこもってお絵かきばかりの
自堕落人間にとって、ああいう体育会系とおぼしき人の
活動能力はうらやましい限りであった。

いつも会う人が走っていないと、「あれ?どうしたのかな」と
心配になってしまう。そして姿を見たときには、「よかった元気だ」
と安心したりしたものだ。

車通勤になって、公園に入れなくなったので、走る人達に
すっかり出会えなくなってしまった。

そんな折、きのう久々に走る人に会った。
早番で会社の近くまで車で来たときだ、よほど時間帯が
会わないと、出会えないのである。40代と思える女性ランナーである。
これから緑地公園へと向かっていくのである。

この人も自転車通勤のときよく会った人で、中々のスピードで
走る人なのだ。「ああ元気だったんだ…」となんだか旧友に
会ったような気持ちで嬉しくなった。

この人とは挨拶など交わすこともなく、お互い顔は知っている
という感じなのだが、果たして私に気づいたのかよくわからなかったが、
チラ…と視線が合ったときちょっとほほえんだような気がした。

彼女はまたたく間に視界から消えてしまった。
私は又いつもの一日が始まった。

ひた走る人の背中のさみだれぬ

issei

コメント
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