つぶや句

夢追いおっさんの近況および思うことを気まぐれに。

山の空気

2009-06-15 04:04:31 | 動物ウオッチング
梅雨晴れというやつで、梅雨入りしたばかりなのにピーカン天気に
なった。この日は休日でもあり、かねてよりK氏から「オニヤンマが
蓮池に出てきているよ」という連絡を得ていたので、早速行って見ることにした。

蓮池のほとりでヤンマを見つつ太巻きをパクつきたかったのだ。
前2回はK氏の車で連れて行ってもらったせいもあって車の横に
気楽に座っていればよかったのだが、今回は自分で運転しなければ
ならないので、朝から地図とニラメッコである。

なにせ片道3時間はみなければならないので、なるべく早く行きたかったのだが、
結局出発したのは丁度昼の12時ぐらいになってしまったのである。

本当は手作りの“太巻き痛快まるかじり”をやりたかったのだが、時間が
なかったので、やむなくスーパーの巻き寿司セットを買って、一路蓮池へ…。

時折り道を間違えたりして、やっぱりたどり着くまでに3時間近くかかって
いた。用意していた長靴に履き替えて蓮池のアゼを渡り出すと、会いたくなかった
シマヘビがスルスルと道をあけてくれた。冷や汗をかきつつ進むと、蛙が
ぼちゃんぼちゃんと池に飛び交い、メダカがスイスイ逃げて行く。コウホネは
数株黄色の花をつけ、蓮は白い花を10数株ほど付けていたが花冠はすぼんでいた。
午前中ならきれいに開いていたに違いない。蓮の花は午後はすぼんでしまうのだ。
それでもきれいで、品のいい可憐さをたたえていた。

もう腹ペコだったので、何はともあれレジャーシートを敷く場所を確保して
蓮の花を眺めつつ巻き寿司をパクついた。池にはオニヤンマは見当たらず、
ギンヤンマが一匹旋回していた。まだセミは鳴いていず、今だウグイスの声が
響き渡っている。

静かなるひと時を寿司を食べつつ味わっていると。ガサガサと横手で草を
掻き分ける音がしたかと思うと、な、なんとKさんが麦わら帽子にカマを片手に
出てきたではないか。顔を赤らめ、すでに一汗かいた様子である。
「なあーんか声がすると思ったらー」と、1ヶ月ぶりの再会である。

「きょうはオニヤンマ出てないねえ」とKさんも残念がっていた。Kさんが
言うには、オニヤンマは他のオニヤンマは寄せ付けないが、ギンヤンマは
許容しているそうである。またギンヤンマは他のギンヤンマを寄せ付けない
そうで、自然界の不思議な共存を垣間見た気がした。

ひとしきり話した後、「楽しんでいってください」と言ってKさんは池を
後にした。わたしはしばしアゼに座り込んで、山の静けさに浸った。

帰りに喫茶「奈邪」に寄りたかったので、早めに帰り支度して車に乗り込もう
としたとき、ひらりと蒼いものがよぎった。よく見ると、近くを流れる小川の
上をカワセミが飛来していたのだ。久々のカワセミとの再会に感激していると
澄んだ声で2~3度鳴くと姿を消した。

何となく、カワセミにも歓迎の挨拶をされたようで嬉しかったが、帰りに
道を間違えて、時間的に「奈邪」に寄れなくなってしまったではないか。
後ろ髪を引かれる思いで、豊川を後にしたのである。あ~あ

コメント
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