会社から帰ってきて、いつものように花に水をやる。
額アジサイの「墨田の花火」はすでに花を枯らしてうなだれている。
「あ~あとうとう睡蓮との競演はならなかったか…」とため息をつきつつ
葉っぱが繁茂している睡蓮に水をやろうとしたら、水がすっかり干上がっている
ではないか。この繁茂した大きな葉っぱの根は随分と水を吸い取るようで、
一昨日鉢の八分目ぐらいまで、水を満たしたばかりだったのだ。
「こりゃいかん」とあわてて水をやろうと葉っぱをかき分けたとき、な、何と
蕾らしきものが、ちんまりとたたずんでいるではないか。
茎もすでに20センチ程に伸びて、間違いなく花芽である。
先っぽがうっすらと赤味をたたえて、どうやら赤っぽい花のようだ。
実のとこ、何色の花が咲くのかわからなかったのだ。
しかし今か今かと待っていて、毎日のように覗いいていたつもりが
この始末である。情けない思いだが、この花芽を見たとたんに吹っ飛んで
しまった。
水を鉢一杯に満たし、葉っぱをかき分けてしばし…覗き込むと、花芽はまるで
「こんにちわ」と小さな声なき声をあげているようで、思わず「こんちわ」と
声を掛けた。花芽は何だか照れくさそうにしているように見え、ああ生きて
いるんだなと、いう生命感をまじまじと感じ取った。
早く、いやゆっくりでいいから、大きくなれよ…もはや親の心境である。
額アジサイの「墨田の花火」はすでに花を枯らしてうなだれている。
「あ~あとうとう睡蓮との競演はならなかったか…」とため息をつきつつ
葉っぱが繁茂している睡蓮に水をやろうとしたら、水がすっかり干上がっている
ではないか。この繁茂した大きな葉っぱの根は随分と水を吸い取るようで、
一昨日鉢の八分目ぐらいまで、水を満たしたばかりだったのだ。
「こりゃいかん」とあわてて水をやろうと葉っぱをかき分けたとき、な、何と
蕾らしきものが、ちんまりとたたずんでいるではないか。
茎もすでに20センチ程に伸びて、間違いなく花芽である。
先っぽがうっすらと赤味をたたえて、どうやら赤っぽい花のようだ。
実のとこ、何色の花が咲くのかわからなかったのだ。
しかし今か今かと待っていて、毎日のように覗いいていたつもりが
この始末である。情けない思いだが、この花芽を見たとたんに吹っ飛んで
しまった。
水を鉢一杯に満たし、葉っぱをかき分けてしばし…覗き込むと、花芽はまるで
「こんにちわ」と小さな声なき声をあげているようで、思わず「こんちわ」と
声を掛けた。花芽は何だか照れくさそうにしているように見え、ああ生きて
いるんだなと、いう生命感をまじまじと感じ取った。
早く、いやゆっくりでいいから、大きくなれよ…もはや親の心境である。