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相変わらず、身内を送り出した後、緑地公園を散歩している。
いつも同じコースでは面白くないので、時折コースを変えて
行っている。この日も、人家の建ち並ぶ中を突っ切っていこうと
狭い路地を縫って行った。
その中の一軒の庭先に見事なサクランボがなっているではないか。
もう熟れてオレンジに輝いている。その一部は、塀の外へ溢れていて、
人さまの事ながら、「よく盗られないなあ」と心配してしまった。
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翌日、同じコースをたどって行こうと、きのうの路地に
入った。実はあのサクランボが気になっていたのだ。
「エッ…」と驚いてしまった。あのサクランボが塀の外を
中心にきれいに摘まれてしまっていたのである。
実を言うと、かすかな不安を抱いていたのだ。というのも、
もう何年も前になるのだが、やはり散歩の途中、すいか畑が
あって、それをジ~ッと見つめていたことがある。わたしは
あの葉っぱの間から西瓜模様がのぞいている様が何だかうれしくて、
すいか畑を眺めるのが好きなのだ。
そのときの西瓜はまだ、小ぶりでこれからもっと大きくなるに
違いない…と、ほくそ笑んで眺めていたのである。
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すると、忘れもしないその翌日、畑の西瓜が一個残らず無かったのである。
身内らに話すと、「怪しいオッサンが見ていたので、盗られると思って
いち早く収穫したのよ」などとヌカスではないか。
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しかし、これはあながち穿った見方とばかりは言えないものを
感じたのだった。想像するに、以前そのような被害にあった
経験があるのではないか…と思ったことがあったのだ。
それにしても、あんなまだ小粒の西瓜を…とそのときの
苦々しき思い出が蘇ったのだった。奇しくも、同じ
散歩コースで、今は何にも植えてないあのすいか畑を
通ってきたとこなのだった。
当然ながら、サクランボの話をすると、そのことを落ち出され、
身内らの嘲笑の渦に巻き込まれたのだった…。
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