ネットや写真集の素晴らしい画像など見ると、「描きたいなあ…」と
いう衝動に駆られることがある。
しかし、それをそのまま使って描いてしまうことは、基本的には
いけないのである。それは、映像権ともいうべきものに触れる
からなのだ。
写真家の方は、それこそ体を張って、一瞬のベストタイミングを
狙ってシャッターを切るのである。それは、極寒の深夜であったり、
熱帯砂漠の真ん中であったり、海中奥深くであったりと、瞬間の
一期一会を捉えるているのだ。
それを、ただ垣間見たお絵描きオッサンが、そのまま描くことは
同義的にもいけないのである。しかしながら、やはりいいものは
感動するし、その感動を描きたくなるのも、絵描きの本能とも
いうべきものでもある。
そこで、参考資料とさせていただき、その雰囲気、アングル、
迫力など、手を変え品を変えて自分の作品表現の中に
組み込ませていただいたりするのである。これはまあ、
画像拝借とまではならないので、許容範囲でありましょうが、
あまりに写真が素晴らしいと、もう変質のしようがなく、ただただ、
指をくわえて茫然と見ているだけとなる。
最近ゆえあって、描きたいなあと思った写真にその旨
正直にコメントしたところ、「自由にお描きください」という
許可をいただいたのである。それが、ビナカさんの
アメ翔くんだったのだ。
私の場合は、ただそのまま描くのではなく、一旦その
画像を自分のイメージの中に組み込んで、俳句と
融合させ、「はいまん彩」という作品にさせていただいている。
今までは、あくまでも参考資料としてしか出来なかったのが、
画像のかなりの部分をそのまま使用できるので、実感が
まったく違うのだ。しっかりした手答えを感じたのである。
以来、「描きたい!」と本当に思った時はお願い
しようと思い立ったのである。そうしなければ、滅多に来ない
「描きたい!」という衝動を殺してしまうことに気付いたのである。
お願いして断られれば、それはやむなしなので、あきらめも
つくというものだ。ただ、お願いして許可を得たからといって
すぐ描けるというものでもないのだが、この衝動だけは
殺したくないのである。
これからも、色んな感動にお願いするかもしれませんが、
どうか、広い御心で許可を賜りますようお願い申し上げます。