オバサン学生の身内が夏休みに入り、
緑地公園の朝のラジオ体操、続いてのヨガ
を出来る限りやろうかと、出掛けている。
この日もヨガが終わった後、その足で緑地の散歩に
出かけた。そして、いつもの道に差し掛かった時、
池の方を見ると、いたいた…。
池の中からやや大きめの枯れ木が、二股に
別れて立っているのだが、そこにはいつも
アオサギが佇んでいるのだ。
きょうもいる。
何気なく見ていると、カラスが一羽
飛んで来て同じ枯れ木の二股の
もう一方に止まったではないか。
距離にして、ほんの数メートル。
アオサギは気にする様子もない。
すると、間髪をあけず他のカラスが
数羽飛んできて近くに留まった。
これ自体珍しい光景なので、「ン?」
という感じで見ていると、さらに次々と
カラスがアオサギの近くに飛来してきて
留まったではないか。
その数は、ゆうに10羽は超えている。
これはちょっと異様な感じを受けたので、
さらに見ていると、二股の隣に
留まっていたカラスが、アオサギに
ツツッとにじり寄ったのだ。
さすがに、アオサギもあの大きい嘴で
突こうとすると、カラスは身をかわして
飛びよけ、再び隣の二股の一方に飛び乗った。
カラスたちはさらに援軍のように飛んできて、
数を増していく。完全にアオサギに対して
包囲網が出来てしまった。
見ている私のほうがハラハラしてきた。
どうみても孤立無援のアオサギに勝ち目はない。
たまらず、アオサギはヒラリと飛んだかと
思うと、空へは行かず、茂みの中へと
飛び込んだ。
ところが、何とカラスも次々とその茂みに
中へと飛んで行ったではないか。
わたしは、さらにじっと目を凝らしたが、姿は
見えず、耳を澄ませても何も聞こえてこない。
結構な時間、そこにいたのだが、その後の変化は
何も感じないままに、後ろ髪を引かれる思いで
その場を去り、緑地を去った。
初め、あの枯れ枝からの縄張り争いによる
アオサギ追い出しかと思ったが、もしかして、
アオサギ“を狙った“狩り”なの…と、心ざわめいた。
そういえば、やけにこのところのカラスは痩せてるし、
暑さのためか皆口をあけっ放している。
もしも、カラスがその気になったら、数の
多さや賢さ、強さからいっても、ほかの
生き物は、ひとたまりもないと思えるのだ。
カラスも、あまりの暑さのために、乱心に及んだのか…
しかし、緑地に行って真っ黒クロスケガラス
ばっかり見せられたらたまったものではない。
「頼むよカラス、平和に共存共栄で行こうよ」
と、心の中で呼びかけるのだった。
ああ…あのアオサギの運命やいかに。
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