つぶや句

夢追いおっさんの近況および思うことを気まぐれに。

たくろう幻の名曲

2006-11-21 17:11:43 | ちょっとした出来事
久しぶりにカラオケにいった。
娘にせがまれたのと、何となく歌いたくなった
からである。

私など酔っぱらわないと歌う気はしないのに、
珍しくそんな気分になったのである。

娘の歌う曲はさっぱりわからず、カミさんは「忌野清志郎」
一点張り。当方はフォーク世代なので「たくろう」と
バラバラなのだが、カミさんは娘の曲がわかるので、二人
あれこれ言い合ってなごやか。
こっちは久々のせいか調子はイマイチ。

もっとも私など絶好調でも、普通以下なので
どうってことはないのだが、「お父さんがんばれ」
二人にエールを送られる始末だ。

ところでここの歌詞ブックには、けっこう古い曲や
これは…と思うような珍しい曲が入っている。
例えば「おっこれは」と驚いたのは、なんと泉谷しげるの「黒いカバン」が
入っていたのだ。「ウムムム…もしかして、あれ入ってないかなあ」
と、期待しつつページを捲ると、「あった!」。

それは、吉田たくろうの「自殺の歌」である。
聴いたのは、私が20代の頃で、たくろうのどれかのアルバムに
入っていたと思う。

メロディーががすごく印象的だったのと、歌詞も面白かった
という記憶が残っている。

早速カラオケに入れて歌ってみた。メロディーは
驚くほど覚えていたが、高音が出ず、歌の出来はさんざんだったが
「いい曲ねえ、歌詞もいいじゃない」とカミさんと娘も
気に入ったようだ。

この曲について、以前たくろうが「ふと…そんな気になって
作ってしまった」。と言っていたのを思い出した。

「うつろな心も~終わり~ました~」「乾いた~心も~終わり~ました~」
というような歌詞なのだが、これがけっこう面白いし以外に
きれいな詩になっている。

しかしいかにせん「自殺の歌」というタイトルだ、陽の目を
浴びることはあるまい。現にテレビなどので聴く限り、一度も
聴いたことがない。

これでいいのかもしれない。私などの自殺など考えたこともないような
のが、密かなる胸の奥の名曲として、軽いノリで、時折りカラオケで
歌うのがふさわしいのかもしれない。

きっとこんな幻の名曲は、だれの胸の奥にも一曲や二曲は
あるのではないだろうか。
たまには、取り出して陽の目を浴びせてみるのも
いいのではないだろうか。

帰りの車の中でも「けだるい~午後の日差~しは…」つい口ずさんでいた…。
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ガングリオンな手

2006-11-18 06:19:43 | ちょっとした出来事
「ガングリオンですね」と女医さんはキッパリ言った。
「ガ…ガングリ…お…ん」この微妙なニュアンスが脳内に響きわたった。

実は脳のMRIを撮るにあたり、カミさんと来ていたのだ。
「後で御親族の方と一緒にいらしてください」。などと
言われるのはかなわないからである。

MRIが午前10時頃に終了して、診察が12時の予定なので
2時間も空いてしまう。そこで外でお茶でも飲んでランチ
でも食べて診察を受けようかと、思ったのだが、外は土砂降りの雨。

仕方なく院内の食堂で、二人コーヒーを飲んで時間をつぶすことにした。
「これどうしようかなあ」とカミさんに手の甲にできた1センチ大の
瘤を見せた。まるで骨が出てるように硬くて丸い瘤なのだ。
一週間ほど前から目立つようになったのだ。
「ヤダ~気持ちワル~イ」と最初に見せた時、カミさんと娘は口をそろえた。

「丁度時間あるし、診てもらったら」とカミさんも言うので、
冒頭のやりとりになったのである。
ここは大きい大学病院なので、大抵の科は揃っている。
そして、いま整形外科にいるのだ。

「手を洗ってきてください」と女医さん。
石鹸できれいに洗う。「バイキンが入るといけませんからね」
「エッ…てことは今すぐ…」「今からハリで刺します。
そこから粘っこい液が出れば、間違いなくガングリオンです」。

「骨かと思ったんですが、液ですか」「骨は一、二週間で
出てくるようなことはありませんよ」と笑っておっしゃる。「なるほど」

「横になってください」。私はベッドに右手を差し出すようにして
横たわった。「ちょっとチクッとしますよ」
この予告は良いのか悪いのか、いつもチラリと頭をかすめるのだが、
ままよ…と目をつぶった。

そして微妙な間合いの後にチクリ、ときた。
「出ましたねえ、間違いなくガングリオンです」。
「今からこれを吸い出します、そうするとこの瘤はなくなる
ハズです」。「ちょと我慢してくだいね」

「…ツ、ツ、」どうやら吸い出してるらしくちょっと痛い。
しかしほんの数分で終わった。
「傷口にテープを張りますから約2分ぐらい押さえていて
ください」。
先生にお礼を言って診察室を出てきた。

体の各関節部には、潤滑液みたいなものがあって、
それが何らかの原因で、液を入れてる袋みたいなとこが
破れて洩れ出たらしい。その良性の腫瘍のことを「ガングリオン」
というのだそうで心配はいらないという。

待っていたカミさんに説明すると「ふ~んそれが、ガン…」
「ガングリオン」と私。

とにもかくにもホッとした。「腹減ったなあ飯でも食うか」
脳の診察まで丁度1時間ほどあったので、いいタイミングで
院内の食堂で食事することが出来たのだった。

お茶を飲みつつ、ちょっと血がにじんですっかり凹んだ
ガングリオン跡をしみじみ眺めてみるのだった。






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オ~脳

2006-11-16 05:00:15 | ちょっとした出来事
ついに強力な磁力を使って写すという「MRI」を
やってしまった。

前回の検査で、年齢の割には脳と周りの骨との
隙間がちょっとあるということで、気になっていたので
「MRI」をやってもらったのである。

「ちょっと音がうるさいのでこれを付けてください」と
耳栓を付けられた。すでに服は検査用の服に着替えている。
差し歯、エレキバン、など、一切の貴金属類は身に着けては
いけないので、探知機のようなものを体に当てて全身を
調べた。幸いそんなものはなかったのでスンナリOK。

前の人が終わり、「どうぞ」と検査室へ。
前回撮ったCTとほぼ同じ感じで、仰向けに寝てそのまま
頭から入っていく。違うのはヘッドギアみたいなものをつけられて、
ガッチリ顔を固定させられることである。

「もし気分が悪くなったらこれを押してください」と
右手にスッポリ入るラグビーボール状の物を握らされた。

そう言われると何だか暗示に掛かりそうで、少し
不安になった。「エ~イこうなりゃあまな板の鯉だ」と
覚悟して目をつぶった。

「ブオンブオン」まずCTのときのような音が聞こえ
「プチョンプチョン」「ピッピッピッ」とさまざまな音が
頭の中に響く。確かに耳栓をしなかったらかなりなもんだ。
どうせならリズミカルな曲にしてくれればいいのに…などと
ぼやきつつ気を紛らわすべく、

「ちちろ鳴くMRIの音の中」

「耳栓をして聞こえ来る秋の声」

など俳句を捻ったりしていた。
時間にして約15分、検査は終了した。

「カチャカチャ」と担当医はパソコンで我が脳の
画像を出した。
つい最近、かつて一緒の現場で働いていた同僚が、
脳梗塞で倒れてしまったのである。まだ40代の若さだ。
彼は高血圧だったのである。

私も血圧は高めで、我が家は血統的に脳か心臓が
死因のほとんどなので、心配などである。

それと、やはり認知症の恐怖である。テレビなどでやっているのを見ると、
けっこう若くしてなる人も珍しくない。そんなわけで内心ドキドキなのだ。

パソコンで出た画像で、「エ~」と思ったのは、我が眼球を
上から見たところだ。両目の付け根がほっそりなっているのが見え、
何だか火の玉みたいで、我が目ながら不気味な感じだった。

「ここが鼻でここが耳のあたりですね」先生は画像を
動かしつつ説明をする。「これが脳へ行く血管ですね」と
画像に出たのは三本の太い血管である。

これがグルリと回転させることが出来、三本が立体的にでる。
「きれいですね、瘤とか傷などはないですね、脳も病的な
ものはみられないですね」とおっしゃる。

ホッとしたが、「でも隙間がちょっと空いてるんですよね」
とまだ気になってることを突っ込むと、「もっと若くて
隙間の広い人で、何んともない人もたくさんいるんですよ」

はあ~つまりはいわゆる認知症などの病気ではなく、
最初からの天然ボケぐらいなのかなあ…と思ってしまった。
これなら身に覚えがある。

ともあれやれやれである。病院を出る時、きょうの予報は雨だったが、
カラリと晴れて日まで出てきている。
来る時も雨は降っていず、中に入ってから土砂降りだったのだ。

こりゃ雨男返上だな…と、午後の日差しの中を意気揚々とまでは
いかなかったが、スッキリした気分で帰路についた。まずは

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又あいつがやってきた

2006-11-12 03:50:59 | 動物ウオッチング
工場での仕事を終え、三階のロッカーで着替えをすべく、
外階段をトントンと登っていくと、作業帽の
つばが何かに当たった。「ン…」と顔を上げると、な・なんと
カラスがトントンと手摺りに飛び跳ねたではないか。

つまり手摺りに止まっていたカラスに私の作業帽のつばが
当たったのである。「ゲッあいつか」とっさにそう思った。

もう1年になるか、かなり近づいても逃げないカラスが
やって来て、話しかけた私にサンマの頭のプレゼントを
置いていったのである。(そう思っている)

帽子のつばが当たるような距離でも逃げないのは、以前
このブログでも書いた「カラスなあいつ」に違いない。

やつは二三跳びしただけで、手摺り近くのフラットな屋根に
乗り移っている。距離にして2~3メートルだ。

「おまえかあ」私は例によって話しかけた。「この前も
言ったがここは人間の行き来するとこなんだ、
そんな近くに来てどうするんだ、邪魔だから
とっととあっちへ行きな!」と言ってシッシと手で払う格好をすると、
くちばしをコシコシっと屋根の角にこすり付けると
「ウガーウガー」と何だか反論でもするように、声をあげた。

「うっさいぞ!もう知らん!」と言い放つと
私は階段を登って三階のロッカーで着替えした。

着替えをしつつ、あんまり冷たくしても可哀相だな、
と少し反省した。

丁度この日会社を休んでいた人が出勤して来て、団子の
お土産を貰っていたので、「あいつにやろうかな…」とふと、
頭をよぎった。

着替えして更衣室を出ると、まだあいつはいた。
工場の二階と同じ高さの屋根に居座っている。
まるで待ち構えているかのようだった。「おい!おまえなあ
人間とカラスの間には深くて暗い川があるんだ、と言おうとして
つい深くて黒い川があるんだ」と言ってしまった。

「だからなあ、それを踏み越えちゃならねえんだよ」と妙なやくざ口調を
口走って、自分でも何を言っているのか分からなくなってきた。

やつは「ウガウガガガー」と返事らしきものを返してきた。
私はこの時と、手提げバッグに忍ばせた団子をやろうかと
バッグに手を入れたら、なにを思ったのかやつはトントントンと
こっちに向かってくるではないか。

「ちょ、ちょっと待った!」さすがにあのくちばしが目の前に
迫って来た時、おじけづいて身を引いた。

バッグに入れた手はそのままに、後ずさりするように階段を降りた。
降りた後、ほっと一息ついてやつの方を見ると、やつは、何か
口に咥えているではないか。以前サンマの頭を咥えてきたので
またそれかと目を凝らしたが、何やら白っぽいものだったので、
どうやらサンマではなさそうだったが、いずれにしろ又
何かを持って来たのである。やつを振り返りつつ会社を後にした。

家へ帰ってきた後、咥えていたあの白い物は何だったんだろうか?
もし…あの時やつに団子をあげていたら、
渡ってはいけない黒い川を渡ることになったのか…。
そうなると、やつとはだんご二兄弟になってしまったのか、
それとも、やくざな義兄弟になってしまったのだろうか…
などと、団子を食べつつカラスなあいつのことを思い巡らすのだった。

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事件ですよ!

2006-11-11 04:06:01 | ちょっとした出来事
会社の工場の三階に従業員のロッカーがある。
その日は早番なので、午前4時に出勤である。

ロッカーで着替えていると、何だかうめき声のようなものが
聞こえる。この三階の奥には、前経営者の関係者Sさんという80歳
近い女性が一名住んでいて、よくTVを付けっぱなしにしているのか、
微かに声が聞こえる事があるのだ。

それかな…と思って着替えを続けていると、
さらにその声がとぎれとぎれにつづく…
「こりゃあやっぱり変だ」スワッ!事件か。
サスペンスドラマの冒頭シーンが、頭をよぎる。

入り口まで行って耳を澄ますと「痛い痛い…!」と聞こえる。
「どうかしたんですか!」声を掛けてみるが、「痛い痛い」の
繰り返しである。入り口に手を添えて引いてみると、鍵は掛かっていない。

「失礼しますよ!」私は声を掛けてから、開けて中に入った。
付けっぱなしのテレビの前にSさんが布団に寝たまま「痛い痛い!」
と唸っている。
「どこが痛いんですか?」「脚が痛いよう」と悲痛な声だ。

私にはどうすることもできないので、「救急車を呼びますよ!」
と声を掛けてから救急車を呼んだ。

私は仕事があるので、救急車が到着するまで、仕事の準備を急ぐ。
今日の仕事の段取りをつけるべく、一人先に出社していたのである。
何があるか分からないので、少し早めに出るのが常で、それで
仕事も遅らすことなくできた。

やがて救急車が到着し、事情を説明して病院に搬送してもらった。
ほっとして、後から出社してきた連中と仕事の準備を急ぐ。

そろそろ仕事を始めるべくスタンバイしていると、「さき…ひとは…」
どっかで聞いたような声が聞こえる、それもついさっき。
「エッ…ま・まさか」

なんと先ほど救急車で搬送されたはずの女性が立っているではないか。
一瞬幽霊かと思ってしまった。が、あの痛がっていた足で立っていたのである。
まだ1時間も経っていない。

「あなたが救急車を呼んでくれたの」「エ・エエ、だ・大丈夫なんですか?」
「ウンお蔭さんで、ありがとう」。わざわざお礼を言いに来たのである。

その足で三階への外階段を手摺りに摑まりつつよろよろと登っていく。
私はたまらず、片腕を肩にまわして手伝った。

それにしてもまだこんな状態の人をよく病院が外に出したもんだと
思ってしまった。

Sさんを抱えつつ我が母のことを思った。
母は我が家の一階に住んでいるのだが、氷川きよしのDVDを
付けっぱなしで寝ていることがよくあるのだ。

お年寄りの生活は似たり寄ったりなのかもしれない。
しかも今年の春、同じように倒れて入院したのである。
脳梗塞の疑いがあったが、幸いMRA撮影では異常はなかった。
こんなこともあって、ただの人ごとではないのだった。

ともあれ大したことなくて、まずはほっとした。その後
Sさんは検査入院して元気に帰ってきた。

しかしこのことで、日常に潜むアクシデント、ちょっとした
事件が、常に身の回りにあることを思い知らされたのだった。






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