つぶや句

夢追いおっさんの近況および思うことを気まぐれに。

弁当を攻める

2007-06-04 04:42:26 | ちょっとした出来事
食べるというのは、生きていく上で必要不可欠なのは
言うまでもないが、大いなる楽しみでもある。
ましてや、肉体労働の最中には。

会社では、毎日の昼食は弁当である。わが社ではA:M11時30分から
昼休みに入る。すぐに弁当屋さんが持ってきてくれた日替わり弁当をいただく。

黒いフタを開けると、朱塗りの弁当箱に大小7つの枡があって、
そこに7種のおかずが入っている。

きのうのおかずは、そば・てんぷら(えび・かきあげ)・竹の子うま煮・
大根サラダ・Fゼリー(一口大のビニールパック)・ピンクに染まった大根の
漬物・ワカメの茎だった。

はてさてどこから攻めるか…。近頃このささやかな楽しみを、精一杯
味わおうと、じっくり考えてから食べることにしている。
それにしても、この日の天ぷらに私の好きな魚の天ぷらがないのは
どういうわけなんだ、と少々不満だった。

ともあれ先ずは、そばに付いているビニール袋入りのツユをかける、っと
これの切り口がなかなか切れないじゃないか、「ワッチ!」
やっちゃったじゃないか。やっと切れたと思ったら、弁当の
周りに飛び散ってしまった。んもう~こういうのはスッと
切れるものにしてもらいたいなあ…と、つくづく思う。

ここはとりあえずこのそばで口を湿らせてとツルツル…まあ大した
味ではないが、最初はこんなもんだろう。

…で天ツユは?エ…もしかしてさっきのそばツユ…。
そうなのだ、天ツユとそばツユが兼用になっていたのである。
どうりでこぼした割には量が足りたのだ。

仕方ないので、海老天をちょっとそばのところにつけて食べる。
安い弁当なので当然小さな海老天ではあるが、まあエビではあった。

油っこいものの後にはやっぱりさっぱりしたものを…大根サラダを
ひとつまみして口の中を整え、竹の子の旨煮へ、うんまあまあ。

ご飯の合間に味噌汁(サービスでついている)で喉を潤しつつ、
ちょとワカメの茎をひとつまみ。

もう一つの天ぷら、掻き揚げをたいらげ、最後に大根サラダで締めた。

食後はほうじ茶をのみつつ、大根の漬物をカジカジして
昼食は終わった。
こんなささやかな楽しみの日々のひと時…なのだ。


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忘れ物

2007-06-02 06:02:18 | ちょっとした出来事
天気は上々、久々の土日連休とあって、「奈邪」へ
出掛けることにした。

カミさんはオカリナの会で遅くなるので、娘と一緒に
行くことに。

娘はあまり外に出たがらないタチなのと、車酔いをするので、
なかなか外に出る機会がない。この際、虫干しのつもりでと
打診すると、OKだったので、酔い止めを飲んで出掛けた。

普段父と娘というのは、そんなに会話が多いわけではないので、
片道2時間かかる「奈邪」への道すがら、娘とのよもやま話も
いいのかもしれないと思ったのと、「奈邪」には大事な
忘れ物があったのである。

あれやこれやとりとめのない話をしているうちに「奈邪」
へ着いてしまった。

久しぶりのつもりだったが、23日ぶりで、まだ1ヶ月たって
いなかったのである。展示作品は同じドライフラワーのリース
で、きれいに並べ替えられていた。

カミさんと違う女を連れてきたというので、マスターも一瞬
「ム・ム…」と思ったらしいが、すぐに雰囲気で娘と察したようである。
当然私がそんなにモテルわけもない。(ちと…残念ではあるが)

「Kさん時間あるの?」とマスター。「ありますけど」
「だったらビールを一緒に飲みませんか、帰りは娘さんに運転してもらって…」
「エ…」私の喉はゴクリと鳴った。
このゴクリは呑みたいのゴクリと、呑めない悔しさのゴクリだったのだ。

悲しいかな我が家の女たちは、妻にしろ娘にしろ免許を持っていないのである。
今時まったく運転に興味がないのだ。まあ…彼女らの運転する車に
乗る勇気はないので、それはそれでいいのであるが、こんな時のことを
思うと「あ~あ」と、ちょっとため息が出てしまう。

しかし酔っ払い運転をするわけにはいかないので、ビールは涙をのんだ。
「ところでマスター…」忘れ物の話をすると、「あ…あれね」とすぐに
取り出してくれたのは、先月まで作品を展示していただいていた時に
店の前に表示してもらっていたポスターなのである。

通常展示のポスターは作者自身で作る場合が多いのだが、これは
マスターがパソコンを駆使して作ってくれたものなのだ。

正直以前私が作ったものよりはるかにセンスがいいので、展示が
終わったらいただける約束をしていたのである。

「どうぞ」とマスターが持ってきてくれた。
サイズはA3より一回り大きくて、ちょっと厚めである。
「これこれ…」やっぱりなかなかいい。娘にも自慢げに見せる。
娘もポスターの絵が本物より色合いがいいと笑っていた。

「これ…書いたんだけど、まだ出してなくて…」とマスターが
引き続き差し出したのは、一枚のハガキである。「?」と
見せてもらうと、絵手紙ではないか、鯉幟がスラスラとしたタッチで
描かれている。字は例によって達筆だ。わたし宛になっていて、
切手もすでに貼られていた。

これがなかなかうまい。普段自分は描きませんよってな顔(笑)
しているのだが、見事なウデである。
“能あるマスターはウデ隠す”って、これだから「奈邪」のマスターは
油断ができないのである。(笑)

「これいただいていいですか」「どうぞどうぞ」といただいた。
席へ戻って娘に見せると娘も感心していた。一応娘は漫画家志望で
普段から絵は描いているので、それなりの目は持っているのだ。(けっこううるさい)

「奈邪」を後にした帰りの道すがら、今度この景色は何時見れるのか…と
思いつつ、何だか「奈邪」を後にするたび何か忘れ物をしてきたような気が
するのである。あれこれ思いを巡らせても別にないようなのだが…。

それが何なのか…いまだわからず、豊川の山々は見えなくなってしまった。
またそのうち忘れ物を取りにいかなくっちゃあ…。




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