
神代植物園、温室の花
2013/02/17
ぽかぽか春庭二条茶飯事典@十三里日記>早春花散歩(3)温室の花・神代植物園
1月下旬に神代植物園を歩きました。寒い頃に植物園というのを訪れるのは初めてのことで、ロウバイが咲き始めていたほかは、園内は冬ざれの景色でした。
「冬薔薇」という季語は知っていて「ふゆそうび」という語の響きが好きなのに、実際に冬に薔薇を見たことがないので、冬バラの一輪でもみたいと思ったのですが、神代植物園の薔薇園、秋バラの咲き残りかと思う、しおれた花はいくつか残っていましたが、私がイメージした「寒気の中にも凛として咲く薔薇」という感じではありませんでした。
冬薔薇一輪風に揉まれおり 高浜虚子
尼僧は剪る冬のさうびをただ一輪 山口青邨
冬薔薇石の天使に石の羽 中村草田男
冬薔薇やわが手に握るわが生涯 野村節子
夫といて冬薔薇に唇つけし罪 鷹羽狩行
そういえば、木場の熱帯植物園にはときどき行ったけれど、神代植物園に来たときは牡丹をみたり薔薇を見たりするのに時間をとられて、温室の中に入ったこと亡いなあと思って、初めて温室に入ってみました。夏は暑くて入る気にもならず、冬に見るのが一番いいでしょう。
温室の中

球根ベゴニア


鉢に浮かべられた花

ハイビスカスの名はしっているけれど、

こちらの花は、なんていう名だったか忘れた


カカオの実は、幹に直接くっついてできる

パパイヤの実


温室のなかは、ぽかぽかで、きれいな花や果物を見て、ぽかぽか気分になれました。「温室育ち」というと、外にでるとたちまちへたってしまうひ弱な坊ちゃんお嬢様をいいますが、温室の中にいる限りは、美しく咲き、豊かに実る。寒風吹きすさぶ野に育った雑草の春庭も、温室から一歩そとに出ると、たちまち「さむ~い」とへたり、縮こまる。な~んだ、雑草といっても同じようにベタレです。麒麟も老いては駑馬に劣る、というけれど、雑草といえども老いては温室の花より寒がり。
昼ご飯を食べたとき、神代植物園わきの蕎麦屋の中庭では、焚き火をして客をもてなしていました。燃やす木は、冬場に木の剪定をする植木屋さんがもってきてくれるそうです。

春よこい、はやく来い。
は~い、HALが来ました。あ、HALは来なくていいのね。
<つづく>