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ぽかぽか春庭「東京家族アラビノシュガー」

2013-02-21 00:00:01 | エッセイ、コラム
2013/02/21
ぽかぽか春庭日常茶飯事典@十三里日記>2013年2月(3)東京家族アラビノシュガー

 「東京家族」まだ見ていません。そのうちテレビ放映されるまで待っているつもり。娘は、映画館の暗い中でじっとすわって黙って見ているのが嫌いだからです。家族といっしょにワイワイしゃべりながら見るのが好きだというのです。わが家の「家族そろっての娯楽」は、いまだに「テレビドラマやバラエティ」をいっしょに見ること。

 夕ご飯を食べながらバラエティを見て、ギャハハと大声で笑う。「R1グランプリ」を見て、こっちのほうが面白かったとか、2回目はフリップではなくて、ちょっと違うことやったほうが印象がよかったんじゃないの、とか、チャチャを入れながら見ています。
 ドラマを見ていて、たとえば、中居正広「アタルスペシャル」を見ていて、「心技休」と書かれたジャンパーの背中見て、大笑い。アタルの弟タスクが出入りする教会の名前がセント・ポール教会でもなくセント・マリア教会でもなく、「セント・チヒロノ教会」だったので、また大笑い。こちらは、娘だけが気づいて、巻き戻しチェック。「ほら、教会の名前見てみて。あはは」と3人で笑う。あ、うちのテレビ視聴、基本ビデオ録画で、CMとばして見ます。フィギュアスケート・エキシビションなどのライブも録画で、「おっかけ再生」というのをやると、30分おくれで見始めても、最後はライブになる。

 ドラマ、昨年の「わが家のベストファイブ」は、トップが「ゴーイング マイ ホーム」で、次点が「平清盛」でした。3位が「最後から2番目の恋」4位「運命の人」5位「ストロベリーナイト」次点「アタル」
 息を詰めてドラマの行方を追うというより、チャチャを入れる回数が多いほどよい。

 「平清盛」、あまり視聴率は上がりませんでしたが、わが家は毎週欠かさず視聴。日本史が授業にあった中学校では、2年生2学期から不登校、高校では日本史は近現代史だけ教わって、大学は地理専攻だった娘、「私の日本史は、奈良に大仏が建ったら次はもう幕末」と言い、平安から江戸までの歴史にはとんと弱い。日本史専攻の弟君の「よくわかる解説」を聞きながらドラマを見るのを楽しみにしていて、タッキーが義経を演じた大河ドラマで、平安末期から鎌倉幕府樹立まではだいぶわかったので、「平清盛」も、その少し前の時代がよくわかった、と熱心に見ていました。

 「ゴーイングマイホーム」でも主人公の母親役だった吉行和子。「東京家族」でも、母親役です。
 「東京家族」は、小津安二郎の「東京物語」を下敷きにして、現代の家族を描いた山田洋次脚本監督作品。小津の「東京物語」は、世界中の映画好きがNo.1と認める名作。私も好きです。

 リメイク作品は、誰がやっても「元作には及ばない」という批評がでるものです。小津と並ぶ「世界のクロサワ」作品のリメイクで「元作」を超えたというような批評を得たものはなかった気がする。むずかしい「元ネタ」がある作品をあえて現代の視点から描いたのは、日本映画を家族という視点から50本選んだりしている山田洋次としては、挑戦せずにはいられないテーマだったのだろうと思います。でも、山田洋次、昨年は文化勲章もとって、だれも「東京家族」を面と向かって批判する批評家はいないんじゃないか、少なくとも、これまで悪評を読んだことはない。映画で文化勲章受章者は、黒澤明、新藤兼人の次で3人目が山田洋次。
 だれも批判できないような作品なら、お金出して見ることもない。テレビで放映されてから娘息子とチャチャを入れながら見ようと思います。

 きっと娘は泣くだろうけどな。「親子の愛」が出てくると、ドラマ見ながら必ず泣くので。特に貧乏な家のこどもがけなげにがんばる話だと、「身につまされて」涙ぐみます。貧乏な家のこどもが、親をどのようにせつない気持ちで見ているか、よくわかるのだそうです。
 10年前のアニメキャラクターがプリントされているお古Tシャツをクラスの悪童にからかわれても、新しいシャツが買えない親の事情がわかるから、「このシャツ着ていくといじめられる」と、言い出せなかった、と、娘は幼い頃を思い出しては涙ぐむ。今は「とんび」見て泣いています。

 さて、19日は、貧乏家族にはつらい、雪が横殴りに降っている朝でした。ほんとうに今年の東京は雪が多い。
 どうしようかなあとしばし悩んで、午後には雪も止むか小降りになるという天気予報を聞いて、やっぱり出かけることにしたのでした。貧乏わが家、「二人以上いるときは石油ストーブをつけてよいが、一人のときは、ストーブ我慢。着ぶくれで暖をとる」という「3・11以後ルール」を未だに守っています。
 そうすると19日午後、わたし一人で着ぶくれてすごさなければならないので、出かけることにしたのです。

 19日朝、息子は、大学院の仲間と修士課程修了旅行で伊豆へ出かけていきました。午後、娘はおばあちゃんに手作りの誕生日プレゼントを届けに行きました。今回は、刺繍をした「通帳入れ」です。銀行へ持って行くときに通帳を入れるように。
 姑のところへ、今週は、土曜日に夫が泊まり、日曜日には息子が行きました。18日月曜日は、仕事が終わってから、私が行って一緒に夕食を食べ、火曜日は娘が行くことに。水曜日はヘルパーさんが来る日。
 ローテーションのようにおばあちゃんのお相手をしています。

 息子、大学院博士後期課程入試の結果を待っていたのですが、合格通知を受け取ったので、おばあちゃんに報告に行ったのです。
 「英語の出来が悪かったから、不合格かも知れない」と、落ち込んでいた息子でしたが、おばあちゃんは、「私はぜんぜん心配なんかしていなかったよ。合格するとわかっていたから」と、孫の進学を喜び、「孫が博士号を取るまで長生きする」と、言っていたそうです。姑の生き甲斐は、「孫の博士号を見ること」で、人生の目標は「長生きすること」です。
 
 「母もいっしょに、おばあちゃんのところへ行く?」と娘に聞かれて、ダメ嫁の私は「う~ん、昨日おばあちゃんの相手を務めたので、今日はパス」
 18日月曜日、今期最後の授業、今期もよく働きました。仕事帰りに姑の家へ。娘が作ったグラタンとデパ地下で買った「わかめと島豆腐のサラダ」を並べてお夕飯。私からの姑誕生祝は、いつもの「金一封熨斗袋」でした。気がきかないヨメなので、何か買うよりお金で「好きなもの買って」というほうが気楽。

 19日は、春休みの開始を、何か心開放させることをして、楽しもうと思っていたのです。姑孝行は、私にとって「楽しいこと」には入っていない。
 娘も、「ま、昨日ばあちゃん相手をしてきたから、今日はいいか。母は、ばあちゃん孝行をよくやってるヨメのほうだと思うよ」と、言ってくれたので、一人遊びに出かけることにしたのです。津軽三味線の響きを聞き、三線の伴奏でカチャーシー踊って、楽しかったです。

 わが家の「東京物語」、だれかが映画にしたら、「崩壊家族をかろうじてつなぎ止めているのが、88歳のおばあちゃん。かすかな絆となっているおばあちゃんを囲む、バラバラの家族」とかいう話になるんじゃなかろうか。

 娘が、息子の「博士後期課程合格祝い」に作った「ブルーベリーとストローベリー生クリームのチョコスポンジケーキ」、姑の誕生日祝いに作ったナッツバターケーキ。砂糖を使わず、アラビノシュガーという「血糖値が気になる方のための甘味料」を使って作るので、血糖値や血圧を気にする姑も「これなら食べられる」と喜んでくれます。

 苺をハート型にしたケーキ。生クリームにブルーベリージャムを混ぜたら固まらなくなり、1時間も泡たて器をかき回し続けた努力作。生クリームはほんのり紫に。バターケーキは、ナッツを刻んで混ぜるだけで「超簡単に焼ける」と、娘の言。




 わが家、アラビノシュガーで味わう「甘くはない東京家族」です。

<つづく>
コメント (10)
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