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ぽかぽか春庭「節分草、白金自然教育園」

2013-02-17 00:00:01 | エッセイ、コラム

国立科学博物館付属自然教育園・節分草の花
デジカメで撮ったにしてはよくとれた(と、自己満足)
茎の高さは4~5cm、花の大きさは2~3cmほどの小さな花でした。

2013/02/17
ぽかぽか春庭二条茶飯事典@十三里日記>早春花散歩(4)節分草・白金自然教育園

 青い鳥さんへの絵はがきプロジェクト、毎月最初の一枚は、花の絵ハガキです。今年のテーマカラーは黄色なので、毎月黄色い花になります。2月はロウバイ、3月は黄色のみつまた。4月は黄色のチューリップ。
 花の絵はがき、風景写真の中の花やボタニカルアートの花、名画の花など。8月の花はゴッホのひまわり。

 花の絵はがきを集めていて、ときどき「あれ、この花を見たことないなあ」というのもあります。たとえば、節分草。早春まっさきに咲く花のひとつで、節分のころには咲いているので節分草という名になった、という説明はわかりやすいですが、私は見たことがなかった。それで、節分草を見にいきました。

 2月16日土曜日の東京は。強い北風吹き荒れる一日でした。朝はあまりの風の強さに、どうしようかなあと迷っていましたが、「ぐるっとパス」の2ヶ月間有効期限が切れるのが17日なので、最後の最後まで使い切ろうと出かけることに。昨年n12月18日にブリジストン美術館で使い始めてから、もう十分に「モトはとった」のですが、券があるなら使わなきゃ、という貧乏症です。

 白金台の駅をおりると、目黒通りは、風速9m/秒という北風が吹いています。でも、めげない。こちらは完全武装。下着はタートルネックヒートテック。ベージュ薄手のタートルネックセーターに焦げ茶の薄いセーターを重ね着。その上に黒いユニクロのウルトラライトダウンコート。さらに、フードつきの分厚いダウンコート、これもユニクロ。これは、2007年、零下20度という中国の東北地方へ赴任するときに娘が買ってくれたもので、シーズン最初は3万円の値札がついていたのに、2月になったらもう冬物最終処分で、1万円になっていた。どうしてこんなに値引きしたのかというと、色合いが悪かったから。くすんだラクダ色というのは、きどった言い方。娘が言うには「うんこ色」
 たぶん、どうにも売れ残ったものだったのでしょう。でも、2月の旧満州は、まだ真冬。十分役にたちました。

 「これなら北極もOK」という出で立ちで、白金台の自然教育園へ。ここは、国立科学博物館の分園です。日曜日とはいえ、こんな風の日は園内にだれもいないんじゃないかと思ったのですが、若いカップルのデード組、三脚と望遠カメラをかついでいる老夫婦。70代くらいの男性5人組。すれ違うとき、だれそれは戦犯になったとかならなかったとかという話題で盛り上がっていました。ベビーバギーを押す外国人のお母さん。それなりに人が入っていました。

 というのも、目黒通りには吹き荒れていた北風が園内は静かなのです。高い梢は大きく揺れていますから、天空に風があることはわかるのですが、周囲の木々が防風林のようになっているとみえ、園内は青空の下、光の春を満喫できました。きっとベビーバギーのママもご近所に住んでいて、園内は風が強くないことを知っていての散歩だったのでしょう。2歳くらいの金髪のかわいい女の子が松ぼっくり拾いに夢中でした。

冬ざれの自然教育園
 

切り株の上のどんぐりと松ぼっくり

光と影の具合が、いい感じ。デジカメで撮ったにしてはよく撮れた

 六義園や旧古河庭園、後楽園などの庭園散歩も好きですが、名園の木と自然教育園の木の違いがあります。庭園の名木古木は、樹木医がついて虫が食えば駆除し、枝が折れれば継ぎ当てし、ていねいに世話をします。しかし、自然教育園の森は、「武蔵野の自然のまま」にしてあります。台風で倒れる木があれば、倒れるにまかせる。ある時期小鳥がタネを運んできたものらしいシュロの木がしだいに増えている地区は、シュロが増えるにまかせています。森というのは、樹林帯がしだいに推移していくのが自然の法則らしく、園内の「落葉樹の林」も、やがては松などの常緑樹に勢力を奪われるのが森の宿命と、説明が書いてあります。



福寿草


 入り口に置いてある「自然教育園見頃情報2月」という地図を見ながら園内散策。福寿草は、あざやかな黄色なので、私にも咲いているのが目に入りましたが、節分草は、「ここらへんに咲いているはず」という地図との照らし合わせと、園内の植物名看板がなかったら、きっと見逃していただろうと思います。想像していたのよりずっと小さな花でした。
 自然教育園の節分草は、秩父山中の自生地から保護のために植物園に移植されたもの。根付いて増えてくれるといいのですが。自生地では山草ブームなどのために盗掘する業者もいるらしく、絶滅させないために、教育園で保護しているのです。



 武蔵野の自然をそのまま残す役割の植物園ですが、珍しい運命をたどった植物も。
 2011年6月の春庭散歩で書いた教育園の解説を再録します。

 「自然教育園のトラノオスズカケは御料地時代の1942年(昭和7年)に牧野富太郎によって発見され、1949年の開園の頃に絶えたとされていましたが2007年秋に芽生えを発見し今回の開花を見るに至りました。自然教育園は江戸時代松平讃岐守(香川県)の下屋敷でしたが、同郷の平賀源内が下屋敷の一部に薬園を作ったという記録があります。おそらく当時故郷から種子を運んで栽培していたものが野生化したのだろうと推察されます。50年ぶりの再発見なのですが、生きた植物が生存していたとは考えられず、おそらく休眠生の高い埋土種子が、最近のミズキなどの高木の枯死によって林床に光が差し込むようになったことで、発芽が促されたものと考えられます


 春庭コラムhttp://hal-niwa.blog.ocn.ne.jp/blog/2011/06/post_7f7f.html

 牧野富太郎博士が1932(昭和7)に白金御料地で発見しトラノオスズカケ(虎の尾鈴懸)は、戦後には絶滅したと思われていました。それが、園内にタネのまま眠っていて、高木が倒れて日が地面まで届くようになったら芽をだしたのです。自然の力ってほんとうに不思議。

 早春の花散歩、かれんな節分草を見られて、大満足。
 ほかに、「ムサシアブミ武蔵鐙の実」も見ました。ムサシアブミは、サトイモ科の植物で、花は地味ですが、冬に見られる実は赤くて目立ちます。

むさしあぶみの実


 冬ざれの園内をひとめぐりすると、汗ばんでくるくらいでした。ぽかぽか春庭、着込みすぎか。まん丸い体型に見えますが、これはダウンコートを2枚着込んでいるせいですよ。着ぶくれにすぎません。春も盛りになれば、すっきりやせて写りますから、、、、、。


デジカメで撮ってもらったから太め(一眼レフならきっともっと細身に)

<つづく>
コメント (4)
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