
2013/02/20
ぽかぽか春庭二条茶飯事典@十三里日記>2013年2月(2)三味線、南から北から
19日火曜日、三味線と三線の聞き比べをしました。とても有意義な音楽会でした。
津軽三味線澤田流名取、澤田邦燕さんと沖縄三線野村流音楽協会教師、内間安希さんの演奏です。
「日本の伝統芸能と音楽の夕べ」という講演会。第一部は、「<音楽>以前伝統芸能のなかの<音>」という題で、能楽師の槻宅聡さんが能の井筒についての説明と能管の演奏。槻宅さんは、小中学校などでも能を理解し親しんでもらうための講演会を行っているそうで、とてもわかりやすい詞章の説明でした。観客にも声を出して井筒の一節を朗読させ、そのあと、謡いや笛の演奏を聞かせました。
第二部は、「日本の三味線 南から北から」という題で、東京学芸大学講師の有澤知乃先生が、日本の三味線の歴史と普及について解説。中国の「三絃」、琉球に移入された三線(蛇皮線)、本土に広がった三味線、越後瞽女や津軽ボサマの角付け芸。高橋竹山らの演奏によって津軽三味線が独奏、合奏楽器として確立していく過程について説明がありました。
それから、澤田邦燕さんが、津軽あいや節、十三の砂山、津軽じょんがら節の演奏。じょんがらは、決まった楽譜があるのではなく、奏者ごとに自分の演奏を持ち、競い合うものだということです。澤田邦燕も、自分なりの楽曲を作りあげ、演奏方法も工夫を重ねながら独自の曲にしているという解説でした。
私も津軽三味線を知ったのは、やはり高橋竹山からでした。上妻宏光ほか、テレビではよく演奏を聞いています。力強く響くばちさばきや、ジャズの演奏にも通じるような即興演奏が好きです。
沖縄三線の音も好き。内間安希さんは、宮廷音楽としての「かぎやて風」と、沖縄庶民にひろまった曲の中から、本部ナークニーなどを演奏しました。
内間安希さんは、琉球民謡登川流研究保存会第二回受賞激励公演で、優秀賞受賞者として演奏したということですし、いろいろな活動に活躍している大学生。たのもしい若者です。
澤田邦燕さんが津軽三味線をお稽古していることは前々から聞いて知っていましたが、はじめて演奏を聞かせてもらいました。すばらしい演奏にしびれました。「トレモロ」でばちを細かく動かして演奏するところが見所と解説して演奏し、見事なトレモロも聞かせてくれました。
演奏する澤田邦燕さんと内間安希さん


講演会の最後は、内間さんの演奏に合わせて、会場全体で沖縄の民舞カチャーシーを踊りまくり、楽しかったです。
カチャーシー、はまりそう。
<つづく>