2013/11/13
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>十三里半日記11月(2)幕末の大奥展
11月1日の博物館見学。
江戸東京博物館常設展企画室で「幕末の大奥展」をやっていました。たぶん、この企画のメインキュレーターであろう畑尚子さん、NHK大河が『篤姫』を2008年1月に放映される直前、2007年12月に『幕末の大奥―天璋院と薩摩藩』(岩波新書) を出しています。
今回は、徳川記念財団との共催の企画なのだそう。
畑尚子さんの「大奥本」の何冊かは読んできて、テレビドラマで『大奥』や『篤姫』をやったときは、娘息子に受け売り解説をしてやったりして、だいぶ大奥には詳しくなったのです。東御苑散歩のときも「このあたりが大奥だった所か」と思ってながめます。
常設展企画展「幕末の大奥」展では、13代将軍家定御台所の天璋院と14代家茂御台所和宮の持ち物や打掛などの展示がありました。「篤姫縁組につき内意書写」などの徳川財団所蔵の幕末文書などが展示されており、興味深い内容でした。
今までとは印象を改めたのは、14代生母の本寿院について。HNK大河の『篤姫』では、天璋院宮崎あおいちゃんの姑である本寿院(演:高畑淳子)は、酒かっくらっちゃあ嫁になんくせつけたりしていましたが、実像は、謡や和歌をよくする教養人であったという「本寿院自筆和歌短冊」展示などがありました。
ドラマでは悪役がいたほうが盛り上がりますから、姑の本寿院が嫌みな姑であるほうがドラマチックになったのだと思います。けなげに大奥を支える宮崎あおいちゃん、和宮と対立してばかりいたら、天璋院主役のドラマにはなりませんから、姑の本寿院とも対立していじめられなければなりません。
天璋院が使用した座布団「茵(しとね)」、鮮やかな刺繍のものが展示されていました。これも「天璋院は、和宮との初対面のおり、自分が上座に座ってしとねを用い、和宮の座所にはしとねを使わせなかった」ことなどが、京から従ってきた官女の記録に残っていて、姑の嫁いびりとして喧伝されていましたが、やはり、実像は異なるところがありました。「天璋院は初対面の折は大奥の姑と嫁の初対面のしきたり通りに嫁の座所にはしとねを置かなかったが、その後は、自分のしとねを和宮にすすめるなど、嫁を尊重した」などの記録も残されていたようです。
歴史とドラマは異なる部分があってよいとは思いますが、このようなしとね一枚にもさまざまな歴史秘話があるのだろうなあと思いながら、展示を見てまわりました。
<つづく>
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>十三里半日記11月(2)幕末の大奥展
11月1日の博物館見学。
江戸東京博物館常設展企画室で「幕末の大奥展」をやっていました。たぶん、この企画のメインキュレーターであろう畑尚子さん、NHK大河が『篤姫』を2008年1月に放映される直前、2007年12月に『幕末の大奥―天璋院と薩摩藩』(岩波新書) を出しています。
今回は、徳川記念財団との共催の企画なのだそう。
畑尚子さんの「大奥本」の何冊かは読んできて、テレビドラマで『大奥』や『篤姫』をやったときは、娘息子に受け売り解説をしてやったりして、だいぶ大奥には詳しくなったのです。東御苑散歩のときも「このあたりが大奥だった所か」と思ってながめます。
常設展企画展「幕末の大奥」展では、13代将軍家定御台所の天璋院と14代家茂御台所和宮の持ち物や打掛などの展示がありました。「篤姫縁組につき内意書写」などの徳川財団所蔵の幕末文書などが展示されており、興味深い内容でした。
今までとは印象を改めたのは、14代生母の本寿院について。HNK大河の『篤姫』では、天璋院宮崎あおいちゃんの姑である本寿院(演:高畑淳子)は、酒かっくらっちゃあ嫁になんくせつけたりしていましたが、実像は、謡や和歌をよくする教養人であったという「本寿院自筆和歌短冊」展示などがありました。
ドラマでは悪役がいたほうが盛り上がりますから、姑の本寿院が嫌みな姑であるほうがドラマチックになったのだと思います。けなげに大奥を支える宮崎あおいちゃん、和宮と対立してばかりいたら、天璋院主役のドラマにはなりませんから、姑の本寿院とも対立していじめられなければなりません。
天璋院が使用した座布団「茵(しとね)」、鮮やかな刺繍のものが展示されていました。これも「天璋院は、和宮との初対面のおり、自分が上座に座ってしとねを用い、和宮の座所にはしとねを使わせなかった」ことなどが、京から従ってきた官女の記録に残っていて、姑の嫁いびりとして喧伝されていましたが、やはり、実像は異なるところがありました。「天璋院は初対面の折は大奥の姑と嫁の初対面のしきたり通りに嫁の座所にはしとねを置かなかったが、その後は、自分のしとねを和宮にすすめるなど、嫁を尊重した」などの記録も残されていたようです。
歴史とドラマは異なる部分があってよいとは思いますが、このようなしとね一枚にもさまざまな歴史秘話があるのだろうなあと思いながら、展示を見てまわりました。
<つづく>