2013/01/01
ぽかぽか春庭ことばのYa!ちまた>謹賀新年2014十四事(1)騎
みなさま、新年おめでとうございます。
ぽかぽか春庭、今年も無事新しい年を迎えることができました。昨2013年は、2003年にブログをはじめて、10年目。今年はまたあらたな1ページから始めたいと願っています。
みなさま、どうぞよろしくお引き立て賜りますよう。
相変わらずの誤字誤変換が続きますが、ご指摘いただければ幸いです。
今年の日記は「十四事日記」と題します。
「十四事」とは、江戸時代武士の武芸心得のうちの代表14を並べたものです。14種類の武芸とは、流派によって異なるものがあるかもしれませんが、おおむね、射(弓道)・騎(馬術)・棒(棒術)・刀(剣道)・抜刀(いあい)・撃剣(刀剣、槍などで相手を切るのではなく、打って倒す)・薙刀(なぎなた)・鎌・槍・鉄砲・石火箭(いしびや)・火箭(ひや)・捕縛(とりで)・拳(やわら)。
武芸十八般となると、これらに加えて、水術(泳法)、手裏剣などを加えるようですが、いずれにせよ、春庭の十四事となると、武芸は単なる比喩であります。十四事の第2番「騎」となれば、話題は競馬へ移るか馬術の法華津寛選手の話題か、まあ、私自身には武芸の心得はこれっぽっちもありませぬ。
いささかでも関わりのある「言語文化」の世界で、「騎」をいくつか。短歌俳句の馬を並べてみましょう。
・来る道は岩踏む山はなくもがも我が待つ君が馬つまづくに 万葉集巻11 2425 柿本人麻呂歌集
・たまきはる宇智の大野(おほぬ)に馬並(な)めて朝踏ますらむその草深野(くさふかぬ) 中皇命(万葉集巻1)
・鈴が音の早馬(はゆま)駅家(うまや)の堤井(つつみゐ)の水をたまへな妹が直手(ただて)よ 万葉集巻14、3439 東歌
・さざれ石に駒を馳させ心痛み吾が思ふ妹が家のあたりかも 万葉集巻14 3542
・駒とめて袖うち払うかげもなし佐野のわたりの雪の夕ぐれ 藤原定家 新古今 巻6
・ぬばたまの黒毛の駒の太腹に雪どけの波さかまき来たる 正岡子規
・夏の風山より来たり三百の牧の若馬耳ふかれけり 与謝野晶子
・馬!馬!馬に乗りたし種吉とむかしかけくらをせし 石川啄木
・我と共に栗毛の仔馬を走らせし母の亡き子の盗みぐせかな 石川啄木
・ひつそりと馬は老いつつ佇ちてゐきからだ大きければいよいよ悲し 齋藤史
・馬を洗はば馬のたましひ冱ゆるまで人戀はば人あやむるこころ 塚本邦雄
・<馬>といふ漢字を習ひみづからの馬に与ふるよんほんの脚 大口玲子
・馬をさえながむるゆきの朝(あした)哉 松尾芭蕉
・春駒のうたでとかすや門の雪 小林一茶
・馬に乗って元朝の人勲二等( 夏目漱石1998(7明治30)
・駆くる野馬夏野の青にかくれなし 橋本多佳子
・夏の雲に胸たくましき野馬駆くる 橋本多佳子
・蜜柑むく初荷の馬の鼻がしら 中村汀女
・仔馬駆けみちのく低き牧の柵 中村汀女
・綱垂れて馬あそび居り馬子昼寝 星野立子
・親馬のあしあとの辺を仔馬ゆく 星野立子
・緑陰に馬は草食み人は臥し 星野立子
・泉飲む仔馬に風の茨垂れ 飯田龍太
・野菊咲き少女が馬を野へ駆らす 寺山修司
・冬暁の馬の尻さわやか戸の間より 寺山修二

2014年9月にこの切手の値段と同じになります。
<つづく>
ぽかぽか春庭ことばのYa!ちまた>謹賀新年2014十四事(1)騎
みなさま、新年おめでとうございます。
ぽかぽか春庭、今年も無事新しい年を迎えることができました。昨2013年は、2003年にブログをはじめて、10年目。今年はまたあらたな1ページから始めたいと願っています。
みなさま、どうぞよろしくお引き立て賜りますよう。
相変わらずの誤字誤変換が続きますが、ご指摘いただければ幸いです。
今年の日記は「十四事日記」と題します。
「十四事」とは、江戸時代武士の武芸心得のうちの代表14を並べたものです。14種類の武芸とは、流派によって異なるものがあるかもしれませんが、おおむね、射(弓道)・騎(馬術)・棒(棒術)・刀(剣道)・抜刀(いあい)・撃剣(刀剣、槍などで相手を切るのではなく、打って倒す)・薙刀(なぎなた)・鎌・槍・鉄砲・石火箭(いしびや)・火箭(ひや)・捕縛(とりで)・拳(やわら)。
武芸十八般となると、これらに加えて、水術(泳法)、手裏剣などを加えるようですが、いずれにせよ、春庭の十四事となると、武芸は単なる比喩であります。十四事の第2番「騎」となれば、話題は競馬へ移るか馬術の法華津寛選手の話題か、まあ、私自身には武芸の心得はこれっぽっちもありませぬ。
いささかでも関わりのある「言語文化」の世界で、「騎」をいくつか。短歌俳句の馬を並べてみましょう。
・来る道は岩踏む山はなくもがも我が待つ君が馬つまづくに 万葉集巻11 2425 柿本人麻呂歌集
・たまきはる宇智の大野(おほぬ)に馬並(な)めて朝踏ますらむその草深野(くさふかぬ) 中皇命(万葉集巻1)
・鈴が音の早馬(はゆま)駅家(うまや)の堤井(つつみゐ)の水をたまへな妹が直手(ただて)よ 万葉集巻14、3439 東歌
・さざれ石に駒を馳させ心痛み吾が思ふ妹が家のあたりかも 万葉集巻14 3542
・駒とめて袖うち払うかげもなし佐野のわたりの雪の夕ぐれ 藤原定家 新古今 巻6
・ぬばたまの黒毛の駒の太腹に雪どけの波さかまき来たる 正岡子規
・夏の風山より来たり三百の牧の若馬耳ふかれけり 与謝野晶子
・馬!馬!馬に乗りたし種吉とむかしかけくらをせし 石川啄木
・我と共に栗毛の仔馬を走らせし母の亡き子の盗みぐせかな 石川啄木
・ひつそりと馬は老いつつ佇ちてゐきからだ大きければいよいよ悲し 齋藤史
・馬を洗はば馬のたましひ冱ゆるまで人戀はば人あやむるこころ 塚本邦雄
・<馬>といふ漢字を習ひみづからの馬に与ふるよんほんの脚 大口玲子
・馬をさえながむるゆきの朝(あした)哉 松尾芭蕉
・春駒のうたでとかすや門の雪 小林一茶
・馬に乗って元朝の人勲二等( 夏目漱石1998(7明治30)
・駆くる野馬夏野の青にかくれなし 橋本多佳子
・夏の雲に胸たくましき野馬駆くる 橋本多佳子
・蜜柑むく初荷の馬の鼻がしら 中村汀女
・仔馬駆けみちのく低き牧の柵 中村汀女
・綱垂れて馬あそび居り馬子昼寝 星野立子
・親馬のあしあとの辺を仔馬ゆく 星野立子
・緑陰に馬は草食み人は臥し 星野立子
・泉飲む仔馬に風の茨垂れ 飯田龍太
・野菊咲き少女が馬を野へ駆らす 寺山修司
・冬暁の馬の尻さわやか戸の間より 寺山修二

2014年9月にこの切手の値段と同じになります。
<つづく>