2013/01/04
ぽかぽか春庭ことばのYa!ちまた>謹賀新年2014十四事(4)石火箭
十四事のうち石火箭(いしびや)とは、鉄の武器。江戸時代の武芸指南では、とくに大砲、砲術をさしました。現代、日本の社会で大砲が武器として使用されるところなど目にすることはなく、日常生活からはかけ離れているように、思います。
しかし、現実の問題として、日本でごく普通に働きごく当然として所得税やら消費税やらを収めてきた善良な市民全員が、昨年、戦争に手を染めたのです。税金によって購入された武器が輸出されたからです。私が働いて収めた税金が、南スーダンで武器として使われることになったのです。
政府は「国連軍要請に従って、緊急事態の例外として」南スーダン駐留の韓国軍に弾薬を供給しました。しかし、韓国側の説明では緊急でもなんでもなく、武器は「予備」として要請したものだといいます。これらの両国の談話の食い違いについての説明もなされていません。
PKO法案が議会を通過したときも、その後も、政府は「PKO法に従って提供される物資は、平和構築のための物資に限り、戦闘のための物資は供給しない」という説明を繰り返しました。1998年、国会で「『武器弾薬の物資協力は、あり得ない』と、条文に書かなくても大丈夫か」という質問が提出されたのに対して、与党政府側は「万が一つにもない」と答弁。武器供給がないことを確約しました。しかるに、たった15年でこの約束はホゴにされました。
特定秘密保護法、政府は「一般市民の生活に不自由が生じることはまったくない」と答弁していますが、これは「10年後15年後には、どうなるかわからない」と同義だと言わなければなりません。
ドイツナチスは、選挙で政権を獲得し、「ドイツ国民のために」を標榜しながら、ついには罪なきユダヤ人数百万人を虐殺するにいたりました。麻生太郎は、「ナチのやり方がいい」と発言しました。すなわち、「国民のために」と言いながら国民を飼い慣らしていくのがよいという与党側の考えがようくわかりました。2013年07月29日、東京都内で行われたシンポジウムに出席した麻生太郎副総理兼財務相が憲法改正問題に関連し、「憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね」と述べたと報道され、批判の多さにあわてて撤回しましたが、本音を吐いた事実は残ります。
今回、「緊急、例外的」として武器輸出したことに関して、国民からの反対の声は大音声でもなかったことを錦の御旗にして、これからはPKO法案の拡大解釈、ひいては憲法九条拡大解釈に進むのではないかと懸念されます。
特定秘密法案が通過し、戦争に向かう政策が足元にひたひたと浸し始めたけれど、人々は溺れるまでは溺死の危険はないと信じています。
今、石火箭は直接目に見えないけれど、すでに眼前を飛び交っているのです。
<つづく>
ぽかぽか春庭ことばのYa!ちまた>謹賀新年2014十四事(4)石火箭
十四事のうち石火箭(いしびや)とは、鉄の武器。江戸時代の武芸指南では、とくに大砲、砲術をさしました。現代、日本の社会で大砲が武器として使用されるところなど目にすることはなく、日常生活からはかけ離れているように、思います。
しかし、現実の問題として、日本でごく普通に働きごく当然として所得税やら消費税やらを収めてきた善良な市民全員が、昨年、戦争に手を染めたのです。税金によって購入された武器が輸出されたからです。私が働いて収めた税金が、南スーダンで武器として使われることになったのです。
政府は「国連軍要請に従って、緊急事態の例外として」南スーダン駐留の韓国軍に弾薬を供給しました。しかし、韓国側の説明では緊急でもなんでもなく、武器は「予備」として要請したものだといいます。これらの両国の談話の食い違いについての説明もなされていません。
PKO法案が議会を通過したときも、その後も、政府は「PKO法に従って提供される物資は、平和構築のための物資に限り、戦闘のための物資は供給しない」という説明を繰り返しました。1998年、国会で「『武器弾薬の物資協力は、あり得ない』と、条文に書かなくても大丈夫か」という質問が提出されたのに対して、与党政府側は「万が一つにもない」と答弁。武器供給がないことを確約しました。しかるに、たった15年でこの約束はホゴにされました。
特定秘密保護法、政府は「一般市民の生活に不自由が生じることはまったくない」と答弁していますが、これは「10年後15年後には、どうなるかわからない」と同義だと言わなければなりません。
ドイツナチスは、選挙で政権を獲得し、「ドイツ国民のために」を標榜しながら、ついには罪なきユダヤ人数百万人を虐殺するにいたりました。麻生太郎は、「ナチのやり方がいい」と発言しました。すなわち、「国民のために」と言いながら国民を飼い慣らしていくのがよいという与党側の考えがようくわかりました。2013年07月29日、東京都内で行われたシンポジウムに出席した麻生太郎副総理兼財務相が憲法改正問題に関連し、「憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね」と述べたと報道され、批判の多さにあわてて撤回しましたが、本音を吐いた事実は残ります。
今回、「緊急、例外的」として武器輸出したことに関して、国民からの反対の声は大音声でもなかったことを錦の御旗にして、これからはPKO法案の拡大解釈、ひいては憲法九条拡大解釈に進むのではないかと懸念されます。
特定秘密法案が通過し、戦争に向かう政策が足元にひたひたと浸し始めたけれど、人々は溺れるまでは溺死の危険はないと信じています。
今、石火箭は直接目に見えないけれど、すでに眼前を飛び交っているのです。
<つづく>