
2014/02/18
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>十四事日記2月光の春(3)東京の大雪
2月毎週毎週、雪が降り14日15日は記録的な大雪。被害も相次ぎました。
まだ2月8日土曜日の大雪では、久しぶりの大雪に、足元を心配しつつもみなが雪に浮かれている気分もありました。

私も、10日朝、キャンパスの中の芝生の上、まだ足跡のついていないあたりを踏みしめて足跡をつけながら歩いてみました。凍った道だと危なくて歩くにも慎重にしんちょうにとなりますが、芝生の上の雪なら転んでも骨折にまで至らないだろうと思っての浮かれ歩き、長靴ではなくいつものウォーキング用スニーカーだったので、足が濡れました。でも、楽しかったです。雪合戦に興じた子供時代も、息子娘に小さな雪うさぎを作ってあげた子育て時代も遠くになりましたが、雪がうれしい気持ちがはまだまだ残っています。
8日の雪には、まだ「大はしゃぎ」の気分だったのですが、14日金曜日から15日の朝にかけての大雪には、もはや「降り振りすぎだよ」という気分。
線路も雪におおわれて

雪国の人は「この程度で首都機能がマヒするなんて、弱っちい」とおもうでしょうが、ほんとうに雪が降るとすぐに高速は渋滞、新幹線は止まる。
雪でブレーキがきかず、東急線で電車追突事故。湿った雪の重みで体育館の屋根が崩落するという事故も起きました。
15日、町内ひとめぐり。町内の雪かき状況はというと。お店や一戸建て住宅の前は、みなが雪かきに励んでいました。「あの家の前の雪かきがしてなかったから、ころんで大怪我をした」なんてご近所のうわさになるといやだから、みなせっせと雪をどけていました。しかし、マンション裏とか、だれがこの雪の責任を負うのかというのがはっきりしていない道では、だれも雪かきなどしていない。都会というのはそんなもんだろうと思います。
都会の雪をみながら、中原中也の詩を一篇。「汚れっちまった悲しみに」
汚れっちまった悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れっちまった悲しみに
今日も風さえ吹きすぎる
汚れっちまった悲しみは
たとえば狐の皮裘(かわごろも)
汚れっちまった悲しみは
小雪のかかってちぢこまる
汚れっちまった悲しみは
なにのぞむなくねがうなく
汚れっちまった悲しみは
倦怠(けだい)のうちに死を夢む
汚れっちまった悲しみに
いたいたしくも怖気づき
汚れっちまった悲しみに
なすところもなく日は暮れる
東京都下のキャンパスに残った雪

<つづく>