2015038
ぽかぽか春庭知恵の輪日記>2003三色七味日記3月(6)2003年の変身と再生プログラム研究
2003年の三色七味日記再録をつづけています。
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2003/03/26 水 晴れ
ジャパニーズアンドロメダシアター>「変身と再生プログラム研究」
「変身と再生プログラム研究」
メルシィ人生、マドモワゼル、年下の男、グッドラックを続けて見て、この四つのドラマに共通するキーワードは「死と再生」であると看破いたしました。イニシエーションプログラムはふたつ「愚者の祭典」と「擬死」である。以下、分析。
「マドモワゼル」ピエール・カッシーニ(ジャック・ガンブラン)
ドラマ吸引力の核=「偶然、出あった男と女の愛はどう推移するのか」
イニシエーション前=「売れない俳優として、イベントや結婚式の余興で即興劇を演じるくたびれきった中年役者」
愚者の祭典=「結婚式の余興前、ウェイターなどの雇われ人たちと、せまい物置の隅のようなところでまかない飯を食べる。自分が結婚式をやる側の人間でなく、ごちゃごちゃと折り重なるようにして、まかない飯を急いで食べる側であることを、クレアの前で確認する」
擬死=「結婚式のスピーチでクレアが自分の作品を話したことによる自信の回復。バイクでの疾走、ポンコツ中古車の中での情事&眠りと目覚め」
イニシエーション後=「戯曲アルメン灯台を完成させた芸術家」
「メルシィ人生」ピニョン(ダニエル・オートィユ)
ドラマ吸引力の核=「ピニョンの解雇撤回が成功するかどうか、家族との関係回復ができるかどうか」
イニシエーション前=「妻に離婚され、会社は解雇されかかった、とりえのないさえない経理課員」
愚者の祭典1=「ゲイパレードで頭にピンクのコンドームをかぶり、群衆に手をふる。被差別の側に身を置き、大衆の視線を受ける」
擬死=「駐車場で襲撃され怪我をする」
愚者の祭典2=「コンドーム工場内での製品検査実施、実演!」
イニシエーション後=「未練を残していた妻と決別し、経理課の上司の愛を獲得した自信に満ちた男」
「年下の男」山口千華子(稲森いづみ)
ドラマ吸引力の核=「千華子と母親、年下の男との恋愛がどう進展するのか、家族の再生はどうなるか」
イニシエーション前=「寿退職したいのに、恋人もいないお茶くみOL」
愚者の祭典1=「年下男のなわばりであるディスコに入ったものの、若者に同化して踊ることもできないし、男は年上の恋人を仲間に紹介できずに従姉妹だという。疎外感」
擬死=「バイクにひっかけられ、倒れた拍子に手を切り失血」
愚者の祭典2=「社内の能なしOLを寄せ集めた意味無しプロジェクトへの配属。能なしOLとして扱われる屈辱に耐えられない梓をよそに、千華子はこの中で自分の責務を果たし仕事をいっしょうけんめいやろうと言う」
イニシエーション後=「年下の男からの求婚を受けずに、仕事もジムトレーニングも自分なりにやって、家族それぞれが自分の道を歩んでいこうとするのを認めてやれる大人の女」
「グッドラック」新海元(木村拓哉)
ドラマ吸引力の核=「キムタク」柴崎こうとの恋愛がどうなるか、ってのはうまくいくに決まっているし、黒木瞳と堤真一もモトサヤになるにきまっているから、核ではない。このドラマの「視聴者を引きつけておく核」とは、キムタク&こうの組み合わせキャスティングだけ。
イニシエーション前=「飛ぶのが大好きだけど、まだ未熟な副操縦士、恋人無し」
愚者の祭典=「アパートの隣の部屋の韓国娘からしんちゃんと間違われる」
擬死=「避難訓練で落下事故にあい、歩行不能になるかもしれない危機」
イニシエーション後=「操縦士として復活し、恋人も獲得」
こうみると、やはりグッドラックの「愚者の祭典」の内容がとぼしく、イニシエーション後の変化が少ないことがわかる。つまり、私は愚者の祭典は徹底的にさわぎたて、イニシエーション前と後が、ものすごく変化するようなのが好きなんです。木村拓哉みたいに、最初も最後もずっとカッコいいのは、ドラマとしてはイミナシ。
二児の父になっても「こぼんのうなパパ」を売り物にしない売り方は正しいぞ、ジャニーズ事務所。でも、「キムタク見たい」で視聴者を引きつけておけるのは、いつまでだろう。
キムタクファンも、相手が工藤静香なら「何時離婚してもOK」で、ファンを続けていられる。ゆかりんだったかかおりんとか、そういう素人と結婚したのだったら、「二児のパパ」が10歳若い柴崎こう相手に恋愛ドラマやるキャラは保てず、離婚した場合のイメージダウンは免れない。結婚のメリットはなかった。
スマップの一員兼都立代々木高校生だったころからの、十年来の恋人を捨て、工藤静香を選んだのは、そこまで読んだからだと思うが。
結婚によるキャラ替えをしなくてもすむ結婚を選んだキムタクの頭の良さ、タレントイメージコーディネート能力の高さを私は評価し、結婚前は香取や中居キャラの作り方の方が好みだのに、結婚後はスマップナンバーワンはキムタクに替えた。でも、ファンがいつまで「結婚しているのに、結婚していない雰囲気のキムタク」を支えるかの見極めは、どこでだれが決定するのだろうか。
本日のねたみ:私も変身したい
2003/03/27 木 曇り
日常茶飯事典>江戸開府四百年展
午後、娘息子と江戸東京博物館へ。「江戸開府四百年展」を見る。前回見たのは、「太平洋戦争展」をやっていたときで、息子はほとんど覚えていない。江戸開府といっても、開府期の展示はあまりなくて、東京の歴史のほうが多かったが、ゆっくり丁寧にみた。 ホールでのクイズもやって、甘味処であんみつ食べて、私と息子は帰る。
娘は仲良しの四人組で集まり、池袋の焼き肉食べ放題でパーティ。ゆりちゃん早稲田合格祝い兼、あいちゃん不合格残念会。去年慶応合格のひかりちゃんが春休み語学留学に行っていたので、帰国を待っての四人組パーティ。ゆりちゃんは、念願のスポーツ管理学を学ぶのだという。
娘が不登校の間も、いっしょにコンサートへ行ったり、遊園地へ行ったり、本当によく支えてもらった。子どもは、親一人の力だけでは育てられない。小学校1年生から続く友情に支えてもらったこと、ほんとうに感謝している。
本日のつらみ:合格不合格、明暗は分かれたが、友情にかわりなし、でも、全員合格になってほしかった
2003/03/28 金 晴れ
アンドロメダM31接続詞>赤いくれよんしんちゃんと薬袋黎璽
高校文芸部員ネット名「薬袋黎璽(みないれいじ)」のサイトを読む。面白い。
みないBBSには、2Cプロレタリア亡命政権赤いクレヨンしんちゃんが、まじめに進出している。みない君、もてあましながらもちゃんと相手をしてやっている。さすが先輩エライね。
みない君は「國家社會主義者」だそうだ。文章や考え方は、そりゃフツーの中学生高校生のレベルを超えた文章力だが、でも、こういう子もあと十年したら、JRかどこかに就職して、優秀な幹部候補生になるのかな。別段JRに就職しなくてもいいけれど、おじいさんが満鉄アジア号の専務車掌だったことを誇りに思っている、という記述が印象に残ったから、JRと言ってみただけ。
2Cプロレタリア亡命政権は、あちこちの掲示板に進出していて、どこでもたたかれている。もう、私はこの「赤いクレヨンしんちゃん」から目が離せません。
今のところ突っ張っていてもいいけれど、「ジョンイル王子はバカだが、いるそん皇帝は偉大だ」と信じている、その「幼いゆえに純粋な=年端もいかぬがゆえの無知」による確信が潰えたときの、クレヨンのカラーが何色になるのか。少年ビルドゥングスウォッチャーの私は、500色いろ鉛筆を用意して待っています。がんばれ、赤いクレヨンしんちゃん。
しんちゃん、小学生のときに「金日成の革命闘争」というような本(彼はちゃんとタイトルを書いていたと思うが忘れた)を読んで、主体思想にめざめたのだ。(掲示板への本人の書き込みによる)。正しい人民共和国の歴史を読んで感動したのだと。
もし、しんちゃんの親が、ダイサク学会熱烈会員とか新潟長岡出身で角栄真喜子コアファンとかで、しんちゃんが自主的にこれらの本を読んで感動したのなら、それは人生における出会いというもので、別に私がどう思うもない。が、もし、しんちゃんの親がヤーレンソーレン関係者で、親の関係で読んだのだったら、なんだかしんちゃんの主体思想も痛ましい気がする。
鸚鵡(改名前)の子供たちが児童施設に引き取られる際に、「ソンシをそんけーしています」と答えていたのをみたときのような。法の華の子供が「最高で~す」と叫んでいるのをみたような。
しんちゃんは「ネット内掲示板作法もわきまえずに、あちこちのボードに書きなぐっている、要注意厨房」とされているが、私には彼が「誰か、僕を理解してくれ、だれか僕の存在を認めてくれ」と叫んでいるような気がしてしまう。これは、同じ世代の子供を持つ親の目でみる、感傷的な見方なのかもしれない。
彼の実像が「吉祥寺から井の頭線にひとりでぽつんと電車に乗り、ひとり孤独にパソコン雑誌に読みふけっている厨房」という観察批評を、2Cプロレタリア亡命政権掲示板に書き込みされていた。無論、速攻削除されていた。彼の論理ではこういう書き込みは「個人への誹謗中傷」にあたるというのだ。彼の掲示板は以後、彼の気に入った書き込みだけが掲示され、ほかは削除という言論統制が行われて、読む楽しみがなくなった。
「まゆげ、まゆげ」という「完全無欠の誹謗中傷」を、莞爾呵々大笑くらいに受け入れる度量がなくては、政権維持もかなうまい。
この1年、彼をクラス代表に選んだことを39名はとことん後悔しただろう。脳内にいかなる思想を持つことも自由、ということくらい、頭のいい彼のクラスメートは全員理解している。しかし、それが自分たちの生活を不快にする範囲に進出してきたら、容赦ない。しんちゃんを救え!
彼の写真をみたこともないけれど、文化祭で見たりしたらすぐわかるだろう「まゆげ!」そしたらファンとして一声かけるんだ。「あんた、おもしろいよ」
今時、どんな純粋培養のソーレン幹部の子供たちでも、日本で客観的に報道を検証する限り、このように純に主体思想を標榜して育つことはないだろう、と思いこんでいた私の思いこみを、うち砕いてくれただけでもおもしろい。
本日の負け惜しみ:わたしのくれよん五百色
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20150324
よそんちの14歳厨房の心の叫びを理解しようとしていたけれど、我が息子が、偏差値75の天才クンと秀才クンのそろうクラスの中で「僕は天才ではないっ!」と心の叫びをあげていたことには気づかなかった愚かな母親でした。
スーパーサイエンス校トップの学校で、毎年高校数学オリンピックだの化学オリンピックだののメダリストを輩出する学校。休み時間には、量子物理学だの線形数学だのの話が飛び交う中学校の教室で、息子はどんな思いを抱えていたのだろうか。
<つづく>
ぽかぽか春庭知恵の輪日記>2003三色七味日記3月(6)2003年の変身と再生プログラム研究
2003年の三色七味日記再録をつづけています。
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2003/03/26 水 晴れ
ジャパニーズアンドロメダシアター>「変身と再生プログラム研究」
「変身と再生プログラム研究」
メルシィ人生、マドモワゼル、年下の男、グッドラックを続けて見て、この四つのドラマに共通するキーワードは「死と再生」であると看破いたしました。イニシエーションプログラムはふたつ「愚者の祭典」と「擬死」である。以下、分析。
「マドモワゼル」ピエール・カッシーニ(ジャック・ガンブラン)
ドラマ吸引力の核=「偶然、出あった男と女の愛はどう推移するのか」
イニシエーション前=「売れない俳優として、イベントや結婚式の余興で即興劇を演じるくたびれきった中年役者」
愚者の祭典=「結婚式の余興前、ウェイターなどの雇われ人たちと、せまい物置の隅のようなところでまかない飯を食べる。自分が結婚式をやる側の人間でなく、ごちゃごちゃと折り重なるようにして、まかない飯を急いで食べる側であることを、クレアの前で確認する」
擬死=「結婚式のスピーチでクレアが自分の作品を話したことによる自信の回復。バイクでの疾走、ポンコツ中古車の中での情事&眠りと目覚め」
イニシエーション後=「戯曲アルメン灯台を完成させた芸術家」
「メルシィ人生」ピニョン(ダニエル・オートィユ)
ドラマ吸引力の核=「ピニョンの解雇撤回が成功するかどうか、家族との関係回復ができるかどうか」
イニシエーション前=「妻に離婚され、会社は解雇されかかった、とりえのないさえない経理課員」
愚者の祭典1=「ゲイパレードで頭にピンクのコンドームをかぶり、群衆に手をふる。被差別の側に身を置き、大衆の視線を受ける」
擬死=「駐車場で襲撃され怪我をする」
愚者の祭典2=「コンドーム工場内での製品検査実施、実演!」
イニシエーション後=「未練を残していた妻と決別し、経理課の上司の愛を獲得した自信に満ちた男」
「年下の男」山口千華子(稲森いづみ)
ドラマ吸引力の核=「千華子と母親、年下の男との恋愛がどう進展するのか、家族の再生はどうなるか」
イニシエーション前=「寿退職したいのに、恋人もいないお茶くみOL」
愚者の祭典1=「年下男のなわばりであるディスコに入ったものの、若者に同化して踊ることもできないし、男は年上の恋人を仲間に紹介できずに従姉妹だという。疎外感」
擬死=「バイクにひっかけられ、倒れた拍子に手を切り失血」
愚者の祭典2=「社内の能なしOLを寄せ集めた意味無しプロジェクトへの配属。能なしOLとして扱われる屈辱に耐えられない梓をよそに、千華子はこの中で自分の責務を果たし仕事をいっしょうけんめいやろうと言う」
イニシエーション後=「年下の男からの求婚を受けずに、仕事もジムトレーニングも自分なりにやって、家族それぞれが自分の道を歩んでいこうとするのを認めてやれる大人の女」
「グッドラック」新海元(木村拓哉)
ドラマ吸引力の核=「キムタク」柴崎こうとの恋愛がどうなるか、ってのはうまくいくに決まっているし、黒木瞳と堤真一もモトサヤになるにきまっているから、核ではない。このドラマの「視聴者を引きつけておく核」とは、キムタク&こうの組み合わせキャスティングだけ。
イニシエーション前=「飛ぶのが大好きだけど、まだ未熟な副操縦士、恋人無し」
愚者の祭典=「アパートの隣の部屋の韓国娘からしんちゃんと間違われる」
擬死=「避難訓練で落下事故にあい、歩行不能になるかもしれない危機」
イニシエーション後=「操縦士として復活し、恋人も獲得」
こうみると、やはりグッドラックの「愚者の祭典」の内容がとぼしく、イニシエーション後の変化が少ないことがわかる。つまり、私は愚者の祭典は徹底的にさわぎたて、イニシエーション前と後が、ものすごく変化するようなのが好きなんです。木村拓哉みたいに、最初も最後もずっとカッコいいのは、ドラマとしてはイミナシ。
二児の父になっても「こぼんのうなパパ」を売り物にしない売り方は正しいぞ、ジャニーズ事務所。でも、「キムタク見たい」で視聴者を引きつけておけるのは、いつまでだろう。
キムタクファンも、相手が工藤静香なら「何時離婚してもOK」で、ファンを続けていられる。ゆかりんだったかかおりんとか、そういう素人と結婚したのだったら、「二児のパパ」が10歳若い柴崎こう相手に恋愛ドラマやるキャラは保てず、離婚した場合のイメージダウンは免れない。結婚のメリットはなかった。
スマップの一員兼都立代々木高校生だったころからの、十年来の恋人を捨て、工藤静香を選んだのは、そこまで読んだからだと思うが。
結婚によるキャラ替えをしなくてもすむ結婚を選んだキムタクの頭の良さ、タレントイメージコーディネート能力の高さを私は評価し、結婚前は香取や中居キャラの作り方の方が好みだのに、結婚後はスマップナンバーワンはキムタクに替えた。でも、ファンがいつまで「結婚しているのに、結婚していない雰囲気のキムタク」を支えるかの見極めは、どこでだれが決定するのだろうか。
本日のねたみ:私も変身したい
2003/03/27 木 曇り
日常茶飯事典>江戸開府四百年展
午後、娘息子と江戸東京博物館へ。「江戸開府四百年展」を見る。前回見たのは、「太平洋戦争展」をやっていたときで、息子はほとんど覚えていない。江戸開府といっても、開府期の展示はあまりなくて、東京の歴史のほうが多かったが、ゆっくり丁寧にみた。 ホールでのクイズもやって、甘味処であんみつ食べて、私と息子は帰る。
娘は仲良しの四人組で集まり、池袋の焼き肉食べ放題でパーティ。ゆりちゃん早稲田合格祝い兼、あいちゃん不合格残念会。去年慶応合格のひかりちゃんが春休み語学留学に行っていたので、帰国を待っての四人組パーティ。ゆりちゃんは、念願のスポーツ管理学を学ぶのだという。
娘が不登校の間も、いっしょにコンサートへ行ったり、遊園地へ行ったり、本当によく支えてもらった。子どもは、親一人の力だけでは育てられない。小学校1年生から続く友情に支えてもらったこと、ほんとうに感謝している。
本日のつらみ:合格不合格、明暗は分かれたが、友情にかわりなし、でも、全員合格になってほしかった
2003/03/28 金 晴れ
アンドロメダM31接続詞>赤いくれよんしんちゃんと薬袋黎璽
高校文芸部員ネット名「薬袋黎璽(みないれいじ)」のサイトを読む。面白い。
みないBBSには、2Cプロレタリア亡命政権赤いクレヨンしんちゃんが、まじめに進出している。みない君、もてあましながらもちゃんと相手をしてやっている。さすが先輩エライね。
みない君は「國家社會主義者」だそうだ。文章や考え方は、そりゃフツーの中学生高校生のレベルを超えた文章力だが、でも、こういう子もあと十年したら、JRかどこかに就職して、優秀な幹部候補生になるのかな。別段JRに就職しなくてもいいけれど、おじいさんが満鉄アジア号の専務車掌だったことを誇りに思っている、という記述が印象に残ったから、JRと言ってみただけ。
2Cプロレタリア亡命政権は、あちこちの掲示板に進出していて、どこでもたたかれている。もう、私はこの「赤いクレヨンしんちゃん」から目が離せません。
今のところ突っ張っていてもいいけれど、「ジョンイル王子はバカだが、いるそん皇帝は偉大だ」と信じている、その「幼いゆえに純粋な=年端もいかぬがゆえの無知」による確信が潰えたときの、クレヨンのカラーが何色になるのか。少年ビルドゥングスウォッチャーの私は、500色いろ鉛筆を用意して待っています。がんばれ、赤いクレヨンしんちゃん。
しんちゃん、小学生のときに「金日成の革命闘争」というような本(彼はちゃんとタイトルを書いていたと思うが忘れた)を読んで、主体思想にめざめたのだ。(掲示板への本人の書き込みによる)。正しい人民共和国の歴史を読んで感動したのだと。
もし、しんちゃんの親が、ダイサク学会熱烈会員とか新潟長岡出身で角栄真喜子コアファンとかで、しんちゃんが自主的にこれらの本を読んで感動したのなら、それは人生における出会いというもので、別に私がどう思うもない。が、もし、しんちゃんの親がヤーレンソーレン関係者で、親の関係で読んだのだったら、なんだかしんちゃんの主体思想も痛ましい気がする。
鸚鵡(改名前)の子供たちが児童施設に引き取られる際に、「ソンシをそんけーしています」と答えていたのをみたときのような。法の華の子供が「最高で~す」と叫んでいるのをみたような。
しんちゃんは「ネット内掲示板作法もわきまえずに、あちこちのボードに書きなぐっている、要注意厨房」とされているが、私には彼が「誰か、僕を理解してくれ、だれか僕の存在を認めてくれ」と叫んでいるような気がしてしまう。これは、同じ世代の子供を持つ親の目でみる、感傷的な見方なのかもしれない。
彼の実像が「吉祥寺から井の頭線にひとりでぽつんと電車に乗り、ひとり孤独にパソコン雑誌に読みふけっている厨房」という観察批評を、2Cプロレタリア亡命政権掲示板に書き込みされていた。無論、速攻削除されていた。彼の論理ではこういう書き込みは「個人への誹謗中傷」にあたるというのだ。彼の掲示板は以後、彼の気に入った書き込みだけが掲示され、ほかは削除という言論統制が行われて、読む楽しみがなくなった。
「まゆげ、まゆげ」という「完全無欠の誹謗中傷」を、莞爾呵々大笑くらいに受け入れる度量がなくては、政権維持もかなうまい。
この1年、彼をクラス代表に選んだことを39名はとことん後悔しただろう。脳内にいかなる思想を持つことも自由、ということくらい、頭のいい彼のクラスメートは全員理解している。しかし、それが自分たちの生活を不快にする範囲に進出してきたら、容赦ない。しんちゃんを救え!
彼の写真をみたこともないけれど、文化祭で見たりしたらすぐわかるだろう「まゆげ!」そしたらファンとして一声かけるんだ。「あんた、おもしろいよ」
今時、どんな純粋培養のソーレン幹部の子供たちでも、日本で客観的に報道を検証する限り、このように純に主体思想を標榜して育つことはないだろう、と思いこんでいた私の思いこみを、うち砕いてくれただけでもおもしろい。
本日の負け惜しみ:わたしのくれよん五百色
~~~~~~~~~~
20150324
よそんちの14歳厨房の心の叫びを理解しようとしていたけれど、我が息子が、偏差値75の天才クンと秀才クンのそろうクラスの中で「僕は天才ではないっ!」と心の叫びをあげていたことには気づかなかった愚かな母親でした。
スーパーサイエンス校トップの学校で、毎年高校数学オリンピックだの化学オリンピックだののメダリストを輩出する学校。休み時間には、量子物理学だの線形数学だのの話が飛び交う中学校の教室で、息子はどんな思いを抱えていたのだろうか。
<つづく>