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ぽかぽか春庭「2003年の納骨」

2015-03-29 00:00:01 | エッセイ、コラム
201503269
ぽかぽか春庭知恵の輪日記>2003三色七味日記3月(7)2003年の納骨

 2003年の三色七味日記再録を続けています。
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2003/03/29 土 晴れ
日常茶飯事典>納骨

 1時から寺で納骨。墓石の文字を「眞」の一字にして、実家の墓は、両親と三人姉妹、四つの名字の家族共同墓となった。
 「○○家代々の墓」というこれまでの墓石では、他家に嫁に出た名字の異なる娘が墓に入ることができない、という寺からのお達しにより、墓石を新しくしたのだ。墓石代負担分三分の一で15万、本日分のお布施1万。でも、これで私がこの墓に入る権利確保。

 死んだ後などどうでもいいとはいえ、本人はよくても、遺族にとっては迷惑になる。骨を勝手に捨てることできないのだから、「散骨葬にせよ」とか、自分の意志をはっきり示しておかないと。

 自分はいつまでも死なない気でいた舅も、150歳まで生きるといっていたよりずっと早く82歳で逝くことになり、残された姑は墓をどうするか難儀した。
 舅の一族は「田舎の本家の墓に入れるのが筋」というし、姑は、遠い本家の墓より、近くに自分たち夫婦だけの墓が欲しい。遺族が悩まなくてもすむように、自分の一生と死後あと始末は決めて置くがよかろう。
 夫は「のたれ死にするけど、遺体を探さなくてもよい」→「散骨する」→「親のために墓を用意したんだから、自分の死後は、同じ墓に入る」と三遷した。

 死んだ後、納骨するところがあるという安心。こんな安心はものすごくくだらない、と夫は軽蔑するだろう。今を生きていればいいのだからと。
 夫のように、「自分の人生は自分だけのもの」で、自分ひとりの力で生きている気になれる人はそれでいいかもしれない。
 
 私の生命観。「私は、遺伝子リレーのバトンのひとつを持っている命のリレーランナー。私は、長い人類のつながりの中で生かされていて、、過去現在未来のたくさんの力を借りて生きている」と思うから、過去とのつながりの確認場所、未来へつながる命の確信が欲しいのだ。

 子供のときは、「お坊さんの読経なんて退屈で、法事とはいっても故人をしのぶより、親戚一同の近況報告が話題の中心で、法事なんてくだらない」と思っていた。
 しかし、親と姉を亡くし、自分の年齢が母や姉の享年に近づいてきて、死はより身近になった。法事の席に親戚一同が集まって近況報告を交わし合うことも、今を生きる人の命のために必要なのだと分かってきた。

本日のつらみ:散骨するにも30万円かかると聞いて、夫、宗旨替え


2003/03/30 日 晴れ 
日常茶飯事典>姉の1周忌

 12時半から、で柿実さん一周忌。墓の開眼供養と、一周忌法要。松伯母ほか、親戚一同。
 
 親戚近況。露子の次男、麻布から東大現役合格。これであと4年間は、駅叔父さんから「外孫、東大合格自慢」を聞かされる。
 駅叔父さんのたった一人の内孫、真帆が、まもなく結婚。叔父は「内孫はひとりなのだから、入り婿をとるのでなければ結婚を許さない」と言っていたが、ついに折れたらしい。今時、入り婿だなんて。婿取りをして継がなければならないような、ご大層な家柄でもなし。
 駅叔父さんとしては、駅長だった自分のあとをついで、息子も駅長になったことが誇り。3代目の駅長になれるような婿がほしかったのだろう。

 法事の会席に、ひつじの婚約者ササニシキさんも加わった。ひつじは先週、大学卒業式を無事終えた。夏までアルバイトをして、夏頃入籍し、ササニシキさんのアパートへ。秋以降、小さな披露宴をするという。自分たち二人だけで、親の援助なしに披露宴も新居準備もするから、派手なことは何もしない、という。

 娘と息子は先に東京へ帰った。

本日のうらみ:1年たっても、54歳の柿実を死へ向かわせた、医者へのうらみは消えない


2003/03/31 月 晴れ 
日常茶飯事典>児童遊園地

 姉の娘蜜柑は、シングルママで、4人の子持ち。でも、まだ20代、遊び好き。お出かけ好きは、他の20代と変わらない。
 独身気分でお出かけしたとき、子守をしてもらっていたバーバ、柿実さんはもういない。しかし、バーバいなくても、遊び好きは変わらない。スモモ叔母、いとこのひつじ、えりえりに子守をたのんで、せっせと遊びに行く。

 この1年の蜜柑の課題であった1周忌法要を無事におえて、蜜柑は自分にごほうび。京都に遊びにいく、と言って出かける。私、スモモ、ひつじで蜜柑の子どもたち四人を子守り。じゅじゅ、あんず、ミューズ、龍頭。
 姉にとって、蜜柑が20代のシングルマザーで4人の子育てをやっていけるのか、ということが一番の心残りだったのだから、子守をするのも供養のうち。

 児童遊園地へ連れて行く。小さい子供向けの遊具しかないが、のりもの一回50円の安さ。4人とも十分に楽しんでいた。
 豊島園とか後楽園では身長制限があって乗れないものがあるし、身長が1メートルを超えているリュウズでも、こわがりで絶叫系などには乗れないので、東京なら荒川遊園地、田舎では、ここ児童遊園地がちょうどいい。
 リューズとミューズの年上組と、あんずジュジュ年下組に分かれると思いきや、こわがりのリューズとジュジュが組んで、安全な汽車ぽっぽなどに乗り、あんずとミューズが組んで、ミニコースターなどちょっと、スリルがある乗り物に挑戦。

 夕方、温泉へ行き、駅まで送ってもらって帰った。

本日のつらみ:チビどものエネルギーにふりまわされた1日、温泉に入っても子どもを追いかけ回すのに疲れた

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20150326
 2002年に姉が54歳で亡くなり、その一周忌を2003年に行いました。姉の孫達、一番上のミューズは看護師に、長男リューズは母親の蜜柑と同じ職場で介護施設職員となりました。孫達の成長を、姉が見守っているかと思います。

<おわり> 
コメント (4)
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