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ミンガラ春庭「ライン市場」

2015-09-04 09:05:33 | エッセイ、コラム

ライン市場入り口近くの店

20150903
ミンガラ春庭ミャンマーだより>2015ヤンゴン日記9月(3)ライン市場

 中国の長春に赴任していたときにもスーパーマーケットと地元の市場の両方のうち、地元でとれる野菜などは市場で、日用品などはスーパーで買っていました。大学の近くにあるレーダンセンターショッピングビルの地下にオープンしたシティマートスーパーは、品ぞろえはそこそこのものを置いてあるという評判ですが、地元の店に比べれば、2割程度割高です。キッコーマン醤油とかキューピーマヨネーズはシティマートで買いましたが、野菜などは市場で買ってみようかと、10時からの雨が11時にやんだ後でかけてみました。

 8月30日、日曜日も、買い物散歩。ほかに歩いて行ける場所がないのでに。
 地図に「ラインバザール」というのが出ていたので、歩いても行けそうなので、ぶらぶらと出かけることにしました。
 MICTパークという、IT企業集合地を通り抜けます。ミャンマー・インフォメーション・コミュニケーション・テクノロジー、さまざまなビルが並んでいますが、宿舎と反対側出口にフードコート建設中、YKKOというミャンマー料理のちょい高級店が「Open soon」の看板を出しています。もっとも、大学近くに8月末オープンしたレーダンセンターというショッピングビルは、2年前から「Open soon」だったとのこと。

 ここの、カンティーン(食堂)に、King Cafe from Tokyouという店がある、というのを日本人向け情報誌に出ていたので、土曜日にタクシーで通り抜けて探したのですが、わかりませんでした。歩いてきたおかげで、見つけました。ただし、日曜日は休店。フードコートが完成したら、吹きさらしのカンティーンではなく、冷房付き室内に移転するそうです。東京のサブウェイ式のサンドイッチが3000チャット300円。そんな高い食べ物、MICT企業の、高給駐在員以外食べないでしょう。
 私も、話のタネに一度は食べて見ようと思いますが、普段の私は、カンティーンで地元の人が食べている、肉と野菜のおかず一品ずつに山盛りのご飯のセット1300チャット130円でいいです。Kingcafeに寄ってみたいのは、オーナーの皆川さんと話してみたいから。ミャンマー人の奥さんとふたりで店を新規開店するまでの話が聞けたらおもしろいかと。日曜日休店だとすると、寄れるのは土曜日だけ。

 ライン市場に行く途中「Planets zone」というビアホールがありました。ミャンマーでは基本的に、「上層の女性」は飲酒しません。たまにハメをはずしてビールなんぞ飲もうとする女子学生がいたら、先生は「父上に言うぞ」と、一言いえば、シュンとなる。
 で、私も学科長のいる席などではしおらしくジュースを飲んでおります。むろん、大のビール好き。ミャンマーの生ビール、瓶ビールや缶よりも安いのです。小ジョッキ一杯700チャット、70円だというので、プラネットゾーンで一杯飲んでみることに。広い店内、昼間から飲んでいるのは、おっさんが一人だけ。客が集まるのは夜からみたい。

 店の奥にショウスペースがあり、夜7時から歌やダンスのショウがあるという。スペース脇のディスクジョッキー位置の真上には、ちゃんと仏様が鎮座していて、光背はネオンサインのちかちかが輝いている。歌や踊り担当の仏様なんだろう。

ビアホールのショウスペース
20150903

ディスクジョッキーブースの上には光背ピカピカの仏様


 ウェイターのにいちゃんが豚肉とジャガイモの煮物を食べていたので、指さして「これをくれ」と注文しました。にいちゃんが英語で「ポテト?」というので、「ポテト&ポーク」と答えたのですが、後半は無視されたのか、出てきたのはフレンチフライポテトでした。ま、いいか。塩も振っていなくて、チリソース添え。全部食べましたとも。

 ラインバザールへ向かう準備として、店のトイレに入っておく。
 こちらのトイレ、バケツに汲みおきの水が置いてあります。半欠けプラスチックの入れ物で汲み、汚れを水で洗い流すのがトイレ作法。
 洋式トイレの場合は、ホースの先のノズルから水が出るウォシュレットが備わっています。宿舎のトイレでは、私もウォシュレット式に慣れましたが、よそでは、バケツの水から汲んで洗うのにまだ抵抗があり、ティシュペーパーが必要なのです。

 宿舎から15分ほど歩いたところにあるラインバザール。想像した通りというか、長春の市場をさらに戦後闇市的に時間を戻した感じの市場でした。足元は土なので、雨が降れば泥んこになる。屋根はビニールシートかトタン。電気はない店が多い。日が沈んだら閉店。

 肉屋の多くは午前中で店じまいのようで、肉切り台は、水で流されている。肉切台のうえで、堂々犬がつがっている。地面の上より台の上のほうが、人にけっとばされる確率が低いと犬も承知の上なのでしょう。オマイラ、朝鮮近くの延辺の市場だったら、肉にされているところだよ。私、長春の市場でも、皮を剥がれて肉切台の上に横たわっている犬を見たんだよ。と、肉にはならず、人生を(犬生?)謳歌している幸運な2匹を眺めました。ネイチャーライフです。

肉屋スペースはお昼には終了していました。


 八百屋は営業中。カリフラワーや菜っ葉を買いました。ほかにもいろいろな野菜があるのですが、当地の野菜は油炒めが基本。私は茹でてマヨネーズかけて食べたいので、一番無難なものを買う。

 果物は、バナナ3つで300チャット30円と、マンゴ―1つ。小さいドリアンひとつを買いました。ドリアンは、スーパーに並べられているまるごとのは大きすぎるし、パック詰めのは、いまひとつ安心できないしで、今まで買わずにいました。家に帰って割ってみると、種の周りについている実、ごく少量でした。小さいドリアンは可食部も小さいのだと、あたりまえのことがわかる。ミャンマーでの初ドリアンでしたが、あっという間に食べ終わった。


 ぐるりと市場をめぐる。そう広くもない構内に、縦横5本ほどの路地が入り組み、間口1間ほどの店がごちゃごちゃと並んでいます。地元では効き目あらたかの薬であろう、漢方薬っぽい薬屋。こども服屋、雑貨屋など。雑貨屋で、バケツ用のひしゃくを買いました。1000チャット100円。工業製品は、野菜より果物より高い。

日用品プラスチック製品の店でひしゃくを買う。


こども服売り場


ちょい怪しげな伝統薬の売り場


 八百屋の婆さんも、2014年に賞味期限となっていた味の素を売っていた味の素の店のおねえさんも、お金払ったあとにカメラを向けてとっていいかきくと、にこにこと笑顔を向けてOK.してくれます。




 帰り道、また、MICTの中を通り抜けました。カンティーンの中の一軒は、日曜日でも営業している。宿舎にひきこもりの日曜日でも、ここにくれば、ミャンマー料理が食べられるとわかりました。パーセー(テイクアウト)を頼みました。魚のトマト煮と、野菜炒めとご飯で1300チャット130円。大学のカンティーンより安い。露店の料理はもっと安いことがわかっていますが、汚れ水の入ったバケツで、チャチャッと食器を洗うのを見ているので、食欲はわきません。カンティーンの店には一応水の設備はあると思うのですが、さて、どのように食器を洗っているのかは、見ていない。

 長春で、私が安食堂でも食べていることを知った学生たちからは、「安い店では、悪い油をつかっているから、食べてはいけない」と、くぎをさされました。食品の安全が日本ほど保障されている国はないと思うので、それなりに注意はしますが、それほど神経質にはなりたくない。そうでないと、企業の駐在員が日本と同じような暮らしをするために、日本と同じほどの支出をする、という生活になるからです。

 事務室と宿舎ではエアコンが使えるというだけでも、ヤンゴンでは贅沢なことだと思っているし、できるだけ地元の人の生活レベルに合わせて暮らしたいと思っています。地元の教師は、公務員給与だけの生活ではなく、商社などから頼まれる翻訳やらガイドやらで、案外優雅な生活ぶりなのだ、と聞かされていますが。みな、けっこう立派な自家用車で通勤しています。私はタクシー通勤ですが、これだって、自分では贅沢と思って引け目に感じているのです。でも、荷物を持ってのバス乗車は、ハードルが高すぎる。少し潰されて空気を抜いたらもちっと細くなるのに、、、、って、空気じゃなくて、脂肪が詰まっているんだってば。

 MICTカンティーンから宿舎まで歩いて戻る途中で雨が降り出し、あっという間に集中豪雨に。宿舎の入り口まであとちょっと。20mほど降られて、たっぷり濡れました。傘さして両手に荷物もっての雨中移動、まだ雨期の修行が足りません。

ライン市場で買ったもの。帰り道重かった。


 ヤンゴン勤務最初の2か月。あと1か月で一時帰国となる、折り返し点。あと半分のヤンゴン、楽しく暮らしたいです。

<つづく>
コメント (6)
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