20150905
ミンガラ春庭ミャンマーだより>ヤンゴン9月(4)祝!禄寿
え~、2015年9月5日は、お日柄もよく、大安吉日であります。
ミャンマーでは、役所の公的なカレンダー以外、実生活では旧暦で日常が動いていきます。日本の大安やら仏滅やらは、日本独自のカレンダーであって、日本以外の国では大安吉日も友引もまったくカンケーありません。
ご本家の中国ではすたれてしまった暦ですし、日本でも庶民の間でこの六曜の暦が広まったのは、江戸時代後期であり、実際に盛んにつかわれたのは、幕末以後です。せいぜい100年ちょっとの六曜使用なのですね。百年たっても、結婚式には大安が喜ばれ、友引の日に葬式は避けられる。
てなことは、まったく関係なく、大安吉日。私はヨワイを重ね、めでたく66歳になるのであります。99歳白寿、88歳米寿、77歳喜寿。
66歳は「ロクロク」を当てはめて、「禄寿」とよぶことにしよう、と、商魂たくましいデパート業界から提唱されたことがあるとか。
デパートさんは「緑寿」がいいだろうと考えたようです。還暦で赤いグッズをプレゼントした次は、緑色のグッズを売り込もうという魂胆。でも、字面は、福禄寿の禄寿のほうが、おめでたい気がします。
禄寿おめでとう to me.
いい年をして、アツすぎる国で単身赴任。負けるなワタシ。
日本語の日付を言う練習のとき、ついたち、ふつか、みっか、という日付が言えるようになると、「わたしの誕生日は、○月○日です」というのを発表させて仕上げとします。
最初、「わたしのたんじょうびは、9月5日です」を例としてあげていたのですが、途中でミャンマー文化のちがいを知らされて、誕生日を言うのをやめてしまいました。
ミャンマーでは、誕生日になると、誕生日を迎える人が、周囲の人にプレゼントを贈らなければならないのです。生んで育ててくださった両親はむろんのこと、日頃お世話になっている親戚一同、知り合い一同に、これまで生きてこられたのは皆様のおかげです、という心をこめて、贈り物をします。
知り合いの日本語の先生は、日本の実家から「日本製の傘」を50本送ってもらい、周囲の一同に「誕生日のプレゼント」をした、ということでした。
日本語の授受表現「やりもらい」の練習として、たいていの日本語教科書には「この時計は、誕生日に友達にもらいました」「これは、弟からもらったシャツです。誕生日のプレゼントです」などの例文が出ています。教科書執筆者は、当然「私の誕生日」というつもりで例文を出しています。でも、ミャンマー人なら、「友達が、友達の誕生日に、私にくれた」「弟の誕生日に、弟がプレゼントを買ってきて、私にくれた」と、受け取るでしょう。
おやおや、こりゃ、ミャンマーで誕生日などを人様に知られた日にゃ、物入りでかなわぬ。
やっぱり、誕生日は日本式で祝いたい。
贈り物受付中。
<つづく>
ミンガラ春庭ミャンマーだより>ヤンゴン9月(4)祝!禄寿
え~、2015年9月5日は、お日柄もよく、大安吉日であります。
ミャンマーでは、役所の公的なカレンダー以外、実生活では旧暦で日常が動いていきます。日本の大安やら仏滅やらは、日本独自のカレンダーであって、日本以外の国では大安吉日も友引もまったくカンケーありません。
ご本家の中国ではすたれてしまった暦ですし、日本でも庶民の間でこの六曜の暦が広まったのは、江戸時代後期であり、実際に盛んにつかわれたのは、幕末以後です。せいぜい100年ちょっとの六曜使用なのですね。百年たっても、結婚式には大安が喜ばれ、友引の日に葬式は避けられる。
てなことは、まったく関係なく、大安吉日。私はヨワイを重ね、めでたく66歳になるのであります。99歳白寿、88歳米寿、77歳喜寿。
66歳は「ロクロク」を当てはめて、「禄寿」とよぶことにしよう、と、商魂たくましいデパート業界から提唱されたことがあるとか。
デパートさんは「緑寿」がいいだろうと考えたようです。還暦で赤いグッズをプレゼントした次は、緑色のグッズを売り込もうという魂胆。でも、字面は、福禄寿の禄寿のほうが、おめでたい気がします。
禄寿おめでとう to me.
いい年をして、アツすぎる国で単身赴任。負けるなワタシ。
日本語の日付を言う練習のとき、ついたち、ふつか、みっか、という日付が言えるようになると、「わたしの誕生日は、○月○日です」というのを発表させて仕上げとします。
最初、「わたしのたんじょうびは、9月5日です」を例としてあげていたのですが、途中でミャンマー文化のちがいを知らされて、誕生日を言うのをやめてしまいました。
ミャンマーでは、誕生日になると、誕生日を迎える人が、周囲の人にプレゼントを贈らなければならないのです。生んで育ててくださった両親はむろんのこと、日頃お世話になっている親戚一同、知り合い一同に、これまで生きてこられたのは皆様のおかげです、という心をこめて、贈り物をします。
知り合いの日本語の先生は、日本の実家から「日本製の傘」を50本送ってもらい、周囲の一同に「誕生日のプレゼント」をした、ということでした。
日本語の授受表現「やりもらい」の練習として、たいていの日本語教科書には「この時計は、誕生日に友達にもらいました」「これは、弟からもらったシャツです。誕生日のプレゼントです」などの例文が出ています。教科書執筆者は、当然「私の誕生日」というつもりで例文を出しています。でも、ミャンマー人なら、「友達が、友達の誕生日に、私にくれた」「弟の誕生日に、弟がプレゼントを買ってきて、私にくれた」と、受け取るでしょう。
おやおや、こりゃ、ミャンマーで誕生日などを人様に知られた日にゃ、物入りでかなわぬ。
やっぱり、誕生日は日本式で祝いたい。
贈り物受付中。
<つづく>