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ぽかぽか春庭「2003年の歴史リテラシー」

2015-09-13 00:00:01 | エッセイ、コラム
20150913
ぽかぽか春庭知恵の輪日記>2003三色七味日記9月(2)2003年の歴史リテラシー

 2003年9月の日記を再録しています。

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2003/09/04 木 曇りのち晴れ 
日常茶飯事典>歴史リテラシー

 娘の帰宅時間。5時に集中講義が終われば、昨日と同じ6時すぎには帰宅すると思ったのに、7時をすぎても帰ってこない。女子中学生行方不明のニュースがあり、ちょっとでも帰宅が遅れると、心配してしまう。娘にしてみれば、1時間や2時間、大学生なんだから遅くなることはあるって、言うのだけれど。

 今日遅くなった理由は、明日行われるプレゼンテーションの準備をしていたから。「自分はこんな授業をやってみたい」という発表を、資料を提示しながら行うので、友だちと図書館で資料探しをやっていた。4人ひと組になって班を作ったので、まったく違う学部の人と知り合いになり、いっしょに資料探しをした、という。4人でグループを作り、発表などをさせるのも、私と同じ。

 自分が専攻する科目でなくていいというので娘は地理じゃなく、歴史の授業について発表することにした。中学校での授業を想定して、タイトルは「事実は事実じゃない」
 教科書に事実として記載されていることがらも、実は歴史教育の思想のもとにコントロールされていること、自分たちが教科書で習って、常識だと思っていることでも、違うこともある、などをわからせるという「歴史リテラシー教育」を、するつもりだという。


 娘の授業案。
 1,前ふりその1。シュリーマンの話。多くの人が「ただの伝説。物語」と考えていたトロイア。シュリーマンは常識にとらわれることなく、自分の信念でトロイアの実在を照明した。常識をうたがうこと。
2 中学生にとって、実在していると思えるコトガラをあげてもらう。UHO,ネッシーなど。それが本当にいるのかどうか、資料を集めさせる。これがメインの活動。漠然と「いるかもしれない、あるかもしれない」ではなく、具体的な資料を探索する。ネッシーなどは、目撃情報のほとんどが、誤認か、作為情報であることを確認させる。
3 「四大文明が文明の最初」と教科書では教わるが、それ以前の文明が各地で明らかにされてきたことなどを紹介。書かれていることをそのまま信じ込むのではなく、他の資料を探索したり、自分なりに情報を集めて、自分の頭で確認することの必要性を教える。


 この計画を息子に語って、「あんたがこういう授業を受けたらどう思うか、感想を言って」と聞く。
 息子は「ぼくたち、中1の最初の歴史授業が、こういう歴史リテラシー教育だったんだ。古事記日本書紀読んで、天皇の和名から、歴史事実と伝説をわけるという作業をやった。ハツクニシラススメラミコトとか、オオハツセワカタケルとか。」
 娘、「あ、それいいね。まえふりに使おう」   


 前ふりその2。戦前の歴史教育では、神武などは実在した人物として教えられてきたが、天皇の和名を検討することにより、津田左右吉は崇神以前の天皇の名が、実は奈良以降につけられた天皇名と発想がいっしょであることを明らかにした。伝説と史実は同じではないことを知らせる。

 「この集中講義、とても準備がたいへんで、調べることも多くて、3日間じゃ足りない。もっと先生の講義をききたい。でもゼミはすごい倍率で、たぶん抽選にはずれる」という。準備が大変で疲れるけれど、取り組むことは楽しいし、いやじゃない。つまらない講義は90分聞いてくると飽きるけど、この授業は3時間くらいあっと言う間にすぎる、という。

 午後、電子レンジが届いた。

本日のそねみ:もっと長い時間授業を受けたいと、学生に思ってもらえる講義


2003/09/05 金 晴れ 980
日常茶飯事典>集中講義に集中

 娘の集中講義、最後は泣き出す子もいたという。たった3日ではあっても、大学に入ってから一番充実して勉強したという気持ちになり、感激のあまり泣き出したのだと。
 娘の最終プレゼンテーションは好評で、「この人に教師になってほしいと思う」という学生同士の評価で、高得点を獲得したという。

 最後の質問タイムでは、娘が教育実習をしたいと願っている夜間中学についてたずねた。先生が定時制高校のことを質問された、と誤解したようなので、山田洋次の『学校』を例に挙げて、公立中学校の夜間クラスのことを紹介したら「君はコメント力がすぐれているね。相手がわからなかったことを、そうやって具体的な例をあげて理解を助けることができるのは、とてもいい」と褒められたそう。「わーい、先生に褒められた」と、自信がついた。

 「夜間中学については、私は詳しくないので、高野先生に質問するように」という回答だった。高野先生は去年「教師論」という科目を教わった先生。

本日のひがみ:私の授業を受けて笑いころげる学生は多いが、授業最終日に泣いた人いない


2003/09/06 土 晴れ 
日常茶飯事典>ジュラシックパーク

 午後、渋谷から原宿まで歩き、代々木体育館で開催されているジェラシックパーク展を見た。映画に出てくるジェラシックパークの安全版を楽しめるというふれこみ。
 恐竜の動くフィギュアを見て回る。娘と息子は大いに楽しんでいた。そしてグッズをいろいろ買い込んでいた。

 入場券は娘のおごり。娘は「入場料ひとり2800円は高いと思ったけど、でも、十分値段分は楽しめた」と高評価。去年、幕張メッセで見た恐竜博は、セイモスサウルスの巨大な骨格標本がウリで、学術的な展示としても、価値の高いものだった。今回のは、映画のなかで使われた動く模型がメインだから、たいしたことはないと思っていたが、恐竜大好きの娘と息子にとっては、学術も大切だけど、こういうエンターテインメントも楽しい、というところ。
 お寿司を買って帰る。

本日のつらみ:ちょっとチャチな気がしたが、娘息子は喜んでいたからよしとする


2003/09/07 日 晴れ 
日常茶飯事典>フリーリレー1位

 息子は中学校夏期水泳、区大会でみごとリレーが一位になった。フリーリレーが1位、メドレーリレーが3位。個人種目でも、平泳ぎ100メートルで息子は7位。
 やめたいやめたいと言っている水泳部だが、私は続けて欲しい。息子は14日の都大会が終わったら、退部すると言っている。本人の決めることではあろうが、どう考えてもスポーツ向きの性格ではない。

本日の負け惜しみ:チームプレイ苦手でもできる陸上、水泳。でもリレーはひとりでできない

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20150913
 台風による大雨で、道路が川になった、という日本国内ニュースをみました。ニュースになるのは、めったにないことだから。
 ヤンゴンの雨期、毎日集中豪雨のような雨が降ります。大雨が10分で小ぶりになったときはたいしたことないですが、1時間も集中豪雨のような雨が続あとは道路が川になります。よくあることだから、ニュースにはならない。川になった道路、膝まで水につかって歩く人もいるし、水でエンジンがやられて、4人がかりの人に押されて水から脱出する車もある。
 ヤ ンゴンは、エーヤディ川(イラワジ川)のデルタ三角州に成立した町ですから、低い土地が多い、という理由があります。
 東京は、台地と低地が組み合わさっているところなので、土地が低いところだったりするとたいへんですね。東京の住まいのある地下鉄の駅は標高3m。渋谷駅の地下鉄入口には標高20mと出ていたのを見て、同じ東京でもずいぶん高さが違うのだなあと思ったことがありました。

 ミャンマーでも北西部の山側地帯では、大きな洪水被害があったので、今も洪水被害者救済の募金活動が続いています。日頃寺院や托鉢のお坊さんに寄進をすることが日常生活になっているミャンマーなので、募金活動にも熱が入っていました。(募金活動に行くので、日本語の授業に出られない、という学生もいました。)
 一日の稼ぎが10000チャット1000円にしかならない人が、進んで100円を寄付しようとします。寄進をすれば来世が良くなるという信仰のためもありますが、人を助けたいという気持ちがとても強い国民です。

<つづく>
コメント (4)
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