20180414
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2018十八番日記春爛漫(8)草津温泉さいの河原
草津温泉に一泊。
檜風呂。ひとりで朝風呂につかる。
草津節などひとふし。「♪お医者様でもくさづの湯でも、あァドッコイショ惚れた病はァなおりゃせぬわちょいなちょいな」
草津の湯でも治らぬようなアツアツの恋とは無縁の人生やったなあ。しみじみと湯につかる。ってゆーか、ケニア赤道上での出会いは、温帯で暮らしているうちにさめてぬる湯に。草津の湯だと90度なんですけれど。
檜風呂につかり、すっかり美人になって草津温泉の宿をチェックアウト。
今回もまた、宿の人に「よく似てらっしゃる。双子ですか、姉妹ですか」と聞かれて、毎度のことですが、モモは「私のほうが5歳下ですっ」と答える。
私は「そりゃ子供時代、5歳と10歳のころには5歳の差は大きかったけれど、68歳と63歳じゃ、もういっしょ」と言うのですが、モモは「5歳も若いのに双子なんて」と、不満そうです。
湯畑の姉妹

モモは「私は足が痛いから、車で待っているので、お昼ご飯までそこらを観光してきて」と言う。私も時々股関節が痛くなることがあるのだけれど、モモもちょっと歩きすぎると足が痛いという。年のせいか体重のせいかわかりませんが。私より5歳若いのだけれど。
モモは自分で「噴火の影響でお客が減ってしまったような、はやっていなさそうな宿」を選んだくせに、「一晩中となりの子供が騒いでいた、2階の子供は階段をドタドタ上がったり下りたりしていて、うるさくて寝られなかった。車の中で寝て待っている」ですと。
「赤ちゃんと子供連れが安心して利用できる宿」というのがウリなんだから、子供がうるさいのはお互い様。と言っても、自分の孫が走り回るのはうるさくないのだから、孫持ちの心理はわからん。私には孫いないから。
モモ長女とモモ孫ハルキ2歳と湯畑へ。まずは、湯畑にある「熱乃湯」での湯もみショー入場券はひとり600円。スキーしないのなら、草津の観光名所って、ここしかないんじゃないかしら。
開始から20分はビデオ見せるらしく、私とモモ長女が遅れて入ったときにはビデオの草津温泉紹介が終わったところ。
おばはんが出てきて、ゆる~く踊る。まあ、民謡踊りがキメキメのりのりでも困るが、私としては、自分が踊るなら大阪府立登美丘高校ダンス部のバブリーダンス踊りたい。踊れないけど。
源泉90度の湯温を下げるために歌いながら各温泉で湯を揉んでさましていたのを、今では湯もみショーとしてやっています。今は湯温調節は水混ぜて終わりですけれど。

板で湯を揉んで温度を下げた

湯もみ体験というのがあって、客のほぼ全員がやってみていました。モモ長女とハルキも体験。

湯畑から10分くらい歩いて、さいの河原を散歩しました。
仏教用語では「賽の河原」ですが、草津温泉では「西の河原」と表記しています。温泉街の西にあるから、と説明はありましたが、昔は「賽の河原」と書いてあったみたい。
父母より先に死んでしまった子供は、親を嘆かせた罪により地獄に落とされてしまう。賽の河原で泣きながら「ひとつ積んでは母のため、ふたつ積んでは父のため」と歌い、石を積み上げる。積み上げが完成すると救われて極楽往生ができるのです。一日中がんばって積み上げても、地獄の鬼が来て、せっかく積み上げた石を崩してしまうので、また最初から「ひとつ積んでは、、、」と永劫に続けます。しかしあるとき地蔵菩薩がやってきて、この子らを救ってくださる。それが賽の河原です。
しかし、それじゃあまりに暗いイメージだ、と思った人々がいました。あるとき、草津温泉のどこからか「西の河原」に改めようじゃないか、という話が出て、よくわからぬうちに「西の河原」と書いてさいのかわらと読ませることになりました。ぅ~ん、ようわからんが、「地獄で子供が泣くんじゃイメージが悪い」ってなことでイージーに表記を変えたのだとすると、これはとんでもなく罰当たり。
むしろ「幼い子供も地蔵に救われるパワースポット」として売り出したほうがよほどワケーモンにはうけるだろうに。
西の河原にあるビジターセンターへ寄りました。西の河原の川の中に「真緑」になっているところがあって、それは何なのか知りたかったからです。
センターの受付おじさんが「それはイデユコゴメという植物です」と、教えてくれました。電子辞書をひいて「出湯粉米」という漢字も教えてくれる。「それ以上のことは電子辞書では出てこないので」というので、「名前がわかれば、自分でネット検索するから大丈夫」と、お礼を言って出てきました。

出湯小米は、温泉藻の一種。高温にも強酸性にも耐える頑丈な細胞膜を持った微生物です。湯中にも、温泉の蒸気がかかる岩盤でも生息できる。
みんな、こんな緑色のものを見ても、特に不思議には思わないらしいけれど、私は出湯小米についてよ~く知れて、草津温泉に来た甲斐がありました。
「温泉藻が温泉環境で生育する為に保持している耐熱性や耐重金属性といった特徴を利用して、その遺伝子を高等植物に組み込むなどの応用的研究も行われている」というのを見ると、そのうち超高温にも放射能にも耐える遺伝子を組み込んだ人間なんか作り出すマッドサイエンティストが出るだろうなあとSF的感想。
昼ご飯は、モモさんの知り合いから紹介された「そばきち湯畑店」でマイタケ天ぷらそばを食べました。店主とおしゃべりしていたモモがレジで会計したら、消費税分をおまけしてもらったんだって。
下界にもどり、道の駅で買い物をして駅へ。
駅にSLがやってきました。お客が見えないので、すいているなら乗りたいと思ったら、試運転中でした。

SLがホームから去ったら、特急草津が入線。
「特急草津」で東京に戻る。鈍行乗り継ぎで帰京するより1時間早く赤羽駅に着きました。ほう、お金持ちは1時間を特急券1500円で買うのね、と久しぶりに特急に乗った「いつもは鈍行派」は思いました。私は1時間を1500円で買わねばならぬほど忙しくはないけれど、三泊四日、温泉でのんびりした分、明日からはまたせっせと働きます。
<おわり>
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2018十八番日記春爛漫(8)草津温泉さいの河原
草津温泉に一泊。
檜風呂。ひとりで朝風呂につかる。
草津節などひとふし。「♪お医者様でもくさづの湯でも、あァドッコイショ惚れた病はァなおりゃせぬわちょいなちょいな」
草津の湯でも治らぬようなアツアツの恋とは無縁の人生やったなあ。しみじみと湯につかる。ってゆーか、ケニア赤道上での出会いは、温帯で暮らしているうちにさめてぬる湯に。草津の湯だと90度なんですけれど。
檜風呂につかり、すっかり美人になって草津温泉の宿をチェックアウト。
今回もまた、宿の人に「よく似てらっしゃる。双子ですか、姉妹ですか」と聞かれて、毎度のことですが、モモは「私のほうが5歳下ですっ」と答える。
私は「そりゃ子供時代、5歳と10歳のころには5歳の差は大きかったけれど、68歳と63歳じゃ、もういっしょ」と言うのですが、モモは「5歳も若いのに双子なんて」と、不満そうです。
湯畑の姉妹

モモは「私は足が痛いから、車で待っているので、お昼ご飯までそこらを観光してきて」と言う。私も時々股関節が痛くなることがあるのだけれど、モモもちょっと歩きすぎると足が痛いという。年のせいか体重のせいかわかりませんが。私より5歳若いのだけれど。
モモは自分で「噴火の影響でお客が減ってしまったような、はやっていなさそうな宿」を選んだくせに、「一晩中となりの子供が騒いでいた、2階の子供は階段をドタドタ上がったり下りたりしていて、うるさくて寝られなかった。車の中で寝て待っている」ですと。
「赤ちゃんと子供連れが安心して利用できる宿」というのがウリなんだから、子供がうるさいのはお互い様。と言っても、自分の孫が走り回るのはうるさくないのだから、孫持ちの心理はわからん。私には孫いないから。
モモ長女とモモ孫ハルキ2歳と湯畑へ。まずは、湯畑にある「熱乃湯」での湯もみショー入場券はひとり600円。スキーしないのなら、草津の観光名所って、ここしかないんじゃないかしら。
開始から20分はビデオ見せるらしく、私とモモ長女が遅れて入ったときにはビデオの草津温泉紹介が終わったところ。
おばはんが出てきて、ゆる~く踊る。まあ、民謡踊りがキメキメのりのりでも困るが、私としては、自分が踊るなら大阪府立登美丘高校ダンス部のバブリーダンス踊りたい。踊れないけど。
源泉90度の湯温を下げるために歌いながら各温泉で湯を揉んでさましていたのを、今では湯もみショーとしてやっています。今は湯温調節は水混ぜて終わりですけれど。

板で湯を揉んで温度を下げた

湯もみ体験というのがあって、客のほぼ全員がやってみていました。モモ長女とハルキも体験。

湯畑から10分くらい歩いて、さいの河原を散歩しました。
仏教用語では「賽の河原」ですが、草津温泉では「西の河原」と表記しています。温泉街の西にあるから、と説明はありましたが、昔は「賽の河原」と書いてあったみたい。
父母より先に死んでしまった子供は、親を嘆かせた罪により地獄に落とされてしまう。賽の河原で泣きながら「ひとつ積んでは母のため、ふたつ積んでは父のため」と歌い、石を積み上げる。積み上げが完成すると救われて極楽往生ができるのです。一日中がんばって積み上げても、地獄の鬼が来て、せっかく積み上げた石を崩してしまうので、また最初から「ひとつ積んでは、、、」と永劫に続けます。しかしあるとき地蔵菩薩がやってきて、この子らを救ってくださる。それが賽の河原です。
しかし、それじゃあまりに暗いイメージだ、と思った人々がいました。あるとき、草津温泉のどこからか「西の河原」に改めようじゃないか、という話が出て、よくわからぬうちに「西の河原」と書いてさいのかわらと読ませることになりました。ぅ~ん、ようわからんが、「地獄で子供が泣くんじゃイメージが悪い」ってなことでイージーに表記を変えたのだとすると、これはとんでもなく罰当たり。
むしろ「幼い子供も地蔵に救われるパワースポット」として売り出したほうがよほどワケーモンにはうけるだろうに。
西の河原にあるビジターセンターへ寄りました。西の河原の川の中に「真緑」になっているところがあって、それは何なのか知りたかったからです。
センターの受付おじさんが「それはイデユコゴメという植物です」と、教えてくれました。電子辞書をひいて「出湯粉米」という漢字も教えてくれる。「それ以上のことは電子辞書では出てこないので」というので、「名前がわかれば、自分でネット検索するから大丈夫」と、お礼を言って出てきました。

出湯小米は、温泉藻の一種。高温にも強酸性にも耐える頑丈な細胞膜を持った微生物です。湯中にも、温泉の蒸気がかかる岩盤でも生息できる。
みんな、こんな緑色のものを見ても、特に不思議には思わないらしいけれど、私は出湯小米についてよ~く知れて、草津温泉に来た甲斐がありました。
「温泉藻が温泉環境で生育する為に保持している耐熱性や耐重金属性といった特徴を利用して、その遺伝子を高等植物に組み込むなどの応用的研究も行われている」というのを見ると、そのうち超高温にも放射能にも耐える遺伝子を組み込んだ人間なんか作り出すマッドサイエンティストが出るだろうなあとSF的感想。
昼ご飯は、モモさんの知り合いから紹介された「そばきち湯畑店」でマイタケ天ぷらそばを食べました。店主とおしゃべりしていたモモがレジで会計したら、消費税分をおまけしてもらったんだって。
下界にもどり、道の駅で買い物をして駅へ。
駅にSLがやってきました。お客が見えないので、すいているなら乗りたいと思ったら、試運転中でした。

SLがホームから去ったら、特急草津が入線。

「特急草津」で東京に戻る。鈍行乗り継ぎで帰京するより1時間早く赤羽駅に着きました。ほう、お金持ちは1時間を特急券1500円で買うのね、と久しぶりに特急に乗った「いつもは鈍行派」は思いました。私は1時間を1500円で買わねばならぬほど忙しくはないけれど、三泊四日、温泉でのんびりした分、明日からはまたせっせと働きます。
<おわり>