
20180421
ぽかぽか春庭アート散歩>展覧会拾遺(3)アラビアの道-サウジアラビア王国の至宝展
日本最初の美術館として設立された表慶館の現在の展示は「アラビアの道-サウジアラビア王国の至宝展」です。2月21日と3月28日の2度観覧。(特別展ではないので、通常展観覧券で見ることができました。たぶん、サウジアラビア王国の宝を貸し出すにあたって、貸し出しの保険料とか運搬料とか王国が負担したからだと思うけれど。さすが石油大国太っ腹です)
東京国立博物館の東洋館には、アジア一帯の美術品が地下1階から4階まで並んでいます。でも、どちらかといえば、西アジアよりも東アジア東南アジアのほうが展示品が充実しているように感じます。
今回表慶館で展示されている「サウジアラビア王国の至宝」、これほどまとまっている展示で、長い歴史を振り返ることができる展覧会、私ははじめて見ました。
現在、金沢大学の発掘隊がサウジアラビア国内の遺跡調査に入り、成果をあげているとのことで、先史時代の展示品もみどころ多かったです。
アジア最古級の石器を含む旧石器群は、アフリカで進化してきた人類が、ユーラシア大陸へと広がっていく道を示しています。また、その後のメソポタミア文化、エジプト文化などと行き来する「アラビアの道」が、サウジアラビア沿岸地域につながり、さまざまな文化交流がわかります。
先史時代の発掘品

ローマヘレニズム時代になると、アラビア半島は、オアシス都市を中心に香料貿易などで栄えました。
イスラム時代の展示で私に興味深かったのは、アラビア文字です。昔、アラビア文字のカリグラフィを体験したこともあり、文字の形成は、漢字もひらがなもアラビア文字もとても面白く感じました。
ダーダーン文字

アルアラーの息子アブドゥールジャッパールの娘アルガーリヤの墓碑(9世紀)

装飾された文字がとても美しいので、どんな人生を送った女性だったのだろうなあと想像しながら、読めもしない文字に見入りました。
春庭の墓、立派な墓碑などたちそうもない女の一生ですが、今のところ一人歩きも楽しめるから、ま、いいんじゃないでしょうか。

<つづく>