20190609
ぽかぽか春庭アート散歩>東京建物めぐり拾遺(2)東京科学博物館建物内部デザイン
上野の科学博物館、いつも駆け足見学で展示を巡るので、じっくりと内部のデザインなどを鑑賞している時間がなくなってしまいます。
科博の本館(日本館)は、1931(昭和6)年に建てられた近代建築のひとつ。文部大臣官房建築課の設計によるルネサンス様式です。ステンドグラスなど、それだけをじっくり見に来てもいい。
設計は文部省のチーム。文部省大臣官房建築課の技師、糟谷謙三が設計、施工する際の実施設計は、同じく文部省の小倉強(1893-1980)をはじめとする若手技師が担当しました。施工は大林組が担当。2008(平成20)年に国の重要文化財に指定されました。
上空から見ると、当時の科学最先端であった飛行機のかたちをしているのだそうです。でも、周辺に高いビルがないから上空から見たことない。だれが見ることを想定して飛行機の形にしたのでしょうか。
借り物画像(文化遺産オンライン)。ドローン撮影かな。ほんと、複葉機のような形。

正面入り口のドア上

ドーム天井の玄関ロビー

2月に科博で弦楽四重奏を聞いたとき

5月25日にビーズ展を見たおり、階段を上下しながら、ステンドグラスの美しさを味わいました。


中央ホール上部ステンドグラスは、建築家・伊東忠太の図案をもとに小川三知の主催する小川スタジオで制作されたということです。
空想の動物鳳凰と、空想の植物宝相華(ほうそうげ)をデザインしています。
宝相華は、蓮華、ザクロ、牡丹を組み合わせて作られたパルメット模様。パルメットとは、花びらや葉が扇状に広がった模様をさします。ギリシアではこの形をアンテミオンといい、原形は古代メソポタミアから伝わり、古代ギリシアでパルメットの形になりました。スイカズラ(忍冬)のアンテミオンと古代エジプトのロータス(蓮)のふたつは代表的な模様です。
科博日本館ドーム天井のステンドグラスは、伊藤忠太のデザイン(画像借り物)

私が科博ファミリー会員になって子供と通うようになったころ、このステンドグラスの美しさに気づかないでいたなあと思ったら、それもそのはず、2004-2007年の改修でドームをおおっていたものをとりはずし、埃や油膜を取り除く作業をしてようやくステンドグラスの存在があきらかになったのだそうです。
長い間知る人もいなくなっていたため、だれの作品であるかもわからなくなっていましたが、小川三知研究者の田辺千代によって、あきらかになりました。小川三知の死後、弟子たちとステンドグラス工房をまもってきた小川三知夫人の手紙を、田辺が発掘したことによります。
三知が亡くなってしばらくした後に、三知夫人が「図案は(中略)伊東忠太先生にお願ひしました」と書き記しており、伊東の図案によるものと、三知の図案によるものの2種類が残されたことがわかったのです。
館内には、100枚近くのガラス窓があり、まだ修復されていないものがほとんどだということですが、修復には莫大なお金がかかるため、手がつかず、埃や汚れにまみれたままになっているのですって。もったいない。科博の人にとっては、ステンドグラスよりも中の展示を充実させることが大事なのでしょうが、小川三知ファンがクラウドファンディングでもはじめないかしら。
この鳳凰は、小川三知の図案のようです。

階段


階段内側通路

壁のデザイン

窓内側

科博、建物をじっくり見る機会が少なかったですが、建物の探索ツアーなどがあれば参加して説明を聞きたいです。展示物の解説会などはあるのですが、東博のように、建物巡りもあったらいいな。
<つづく>
ぽかぽか春庭アート散歩>東京建物めぐり拾遺(2)東京科学博物館建物内部デザイン
上野の科学博物館、いつも駆け足見学で展示を巡るので、じっくりと内部のデザインなどを鑑賞している時間がなくなってしまいます。
科博の本館(日本館)は、1931(昭和6)年に建てられた近代建築のひとつ。文部大臣官房建築課の設計によるルネサンス様式です。ステンドグラスなど、それだけをじっくり見に来てもいい。
設計は文部省のチーム。文部省大臣官房建築課の技師、糟谷謙三が設計、施工する際の実施設計は、同じく文部省の小倉強(1893-1980)をはじめとする若手技師が担当しました。施工は大林組が担当。2008(平成20)年に国の重要文化財に指定されました。
上空から見ると、当時の科学最先端であった飛行機のかたちをしているのだそうです。でも、周辺に高いビルがないから上空から見たことない。だれが見ることを想定して飛行機の形にしたのでしょうか。
借り物画像(文化遺産オンライン)。ドローン撮影かな。ほんと、複葉機のような形。

正面入り口のドア上

ドーム天井の玄関ロビー

2月に科博で弦楽四重奏を聞いたとき

5月25日にビーズ展を見たおり、階段を上下しながら、ステンドグラスの美しさを味わいました。


中央ホール上部ステンドグラスは、建築家・伊東忠太の図案をもとに小川三知の主催する小川スタジオで制作されたということです。
空想の動物鳳凰と、空想の植物宝相華(ほうそうげ)をデザインしています。
宝相華は、蓮華、ザクロ、牡丹を組み合わせて作られたパルメット模様。パルメットとは、花びらや葉が扇状に広がった模様をさします。ギリシアではこの形をアンテミオンといい、原形は古代メソポタミアから伝わり、古代ギリシアでパルメットの形になりました。スイカズラ(忍冬)のアンテミオンと古代エジプトのロータス(蓮)のふたつは代表的な模様です。
科博日本館ドーム天井のステンドグラスは、伊藤忠太のデザイン(画像借り物)

私が科博ファミリー会員になって子供と通うようになったころ、このステンドグラスの美しさに気づかないでいたなあと思ったら、それもそのはず、2004-2007年の改修でドームをおおっていたものをとりはずし、埃や油膜を取り除く作業をしてようやくステンドグラスの存在があきらかになったのだそうです。
長い間知る人もいなくなっていたため、だれの作品であるかもわからなくなっていましたが、小川三知研究者の田辺千代によって、あきらかになりました。小川三知の死後、弟子たちとステンドグラス工房をまもってきた小川三知夫人の手紙を、田辺が発掘したことによります。
三知が亡くなってしばらくした後に、三知夫人が「図案は(中略)伊東忠太先生にお願ひしました」と書き記しており、伊東の図案によるものと、三知の図案によるものの2種類が残されたことがわかったのです。
館内には、100枚近くのガラス窓があり、まだ修復されていないものがほとんどだということですが、修復には莫大なお金がかかるため、手がつかず、埃や汚れにまみれたままになっているのですって。もったいない。科博の人にとっては、ステンドグラスよりも中の展示を充実させることが大事なのでしょうが、小川三知ファンがクラウドファンディングでもはじめないかしら。
この鳳凰は、小川三知の図案のようです。

階段


階段内側通路

壁のデザイン

窓内側

科博、建物をじっくり見る機会が少なかったですが、建物の探索ツアーなどがあれば参加して説明を聞きたいです。展示物の解説会などはあるのですが、東博のように、建物巡りもあったらいいな。
<つづく>