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ぽかぽか春庭「呉音漢音唐宋音」

2021-03-27 00:00:01 | エッセイ、コラム

20210327

ぽかぽか春庭ニッポニアにっぽん語教師日誌(14)呉音漢音唐宋音

 

・ワークショップ 漢字の読み方確認 続き

 漢字は、4~8世紀に中国から日本に伝わりました。

 古代中国の読み方を音読みといいます。古代の呉のあたり(中国南方)から伝わった呉音と、古代中国中原から西北の地域から伝わった漢音があります。日本の鎌倉時代から室町時代に伝わった唐宋音も、少数ですがあります。音読みだけで3種類あるのです。

 「意味」と「発音」の両方を表わす表意文字である漢字に、日本語の意味をあてはめた読み方が、訓読みです。 

クイズ3-2 次の漢字を読んでください。A:呉音 B :漢音 C:唐宋音 D:訓読み E:熟字訓

例)A:都 きょうと B:阪神 けいはんしん C:南 なんきん

 

1. A:行事 修行 B:旅行 行動 C:行脚 行燈  D:行く 

2. A:明礬(ばん) 明年 B:明白 明治 C:明朝体 D:明るい 明かり E:明日 

3. A:西方浄土(じょうど)  B:西洋 北西 C:西瓜  D:西側 西向き E:西風(にしかぜ・  )  

 日本は常用漢字(新聞雑誌などで日常使われる漢字)を定めています。2136字です。字数は、一般的に使われる中国語の普通漢字数3805字より少ないように思えます。しかし、2136の漢字に音読み(古代中国語の発音)が2352音、訓読み(日本語和語の発音)が2036訓あり、文脈によって読み方を判断しなければなりません。

 「春日」は、音読みでは「シュンジツ」訓読みでは「はるひ」、さらに熟字訓という特別な読み方では「かすが」3種類の読み方を文脈によって読み替えます。

 文脈とともにひとつひとつの漢字、熟語の読み方を覚えていかなければなりません。

<補足>1994年出版の「中華字海」(出版:中華書局、中国友誼出版公司)で8万5568字が収録されています。

1988年に「現代漢語常用字表」では中国簡体字2500字、準常用漢字1000字、合計3500字 (国家語源文字工作委員会・国家教育委員会による)

 

クイズ3-3 解答 A:呉音 B :漢音 C:唐宋音 D:訓読み E:熟字訓

1. A:行事ぎょうじ 修行しゅぎょう B:旅行りょこう 行動こうどう C:行脚あんぎゃ 行燈あんどん  D:行く い-く 

2. A:明礬(ばん)みょうばん 明年みょうねん B:明白めいはく 明治めいじ C:明朝体みんちょうたい D: 明るい あか-るい 明かり あ-かり E:明日 あした

3. A:西方浄土(じょうど)さいほうじょうど  B:西洋せいよう 北西ほくせい C:西瓜すいか  D:西側にしがわ 西向きにしむき E: 西風ならい(地域熟字訓)

 熟字訓(慣用読み)もたくさんあります。

<つづく>

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