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ぽかぽか春庭「「かしく」を教わる」

2022-03-01 00:00:01 | エッセイ、コラム
20220301
ぽかぽか春庭ことばの知恵の輪>2022ことば集め(1)「かしく」を教わる

 知らないことばをおしえてもらうとうれしくて、教えてくれた人に感謝。
 最近教えてもらったのは「かしく」という人名。yokoちゃんが読んだ本の中にあったと教えてくれました。

 「かしく」は江戸上方の遊女の源氏名。本名は八重だったそうです。江戸文学の中でも現代も上演が続く芝居のことは知っているつもりなのに、あまり上演されたことのない「かしく」をまったく知りませんでした。

 yokoちゃんに教わったのを機会にしらべてみれば。
 「かしく」は大阪の遊女。武士に見受けされたのちも大酒飲みの酒乱癖がなおらず、酒を戒めようとした実の兄を酒乱の果てに殺してしまいました。市中引き回しの上、処刑。1749(寛延2)年のこの事件は、打ち首の2か月後には、芝居に仕立てられて上演されました。(当時の浄瑠璃や歌舞伎は、心中事件などをすぐに芝居にすることで客を集めた)
 
 歌川豊国の浮世絵「(岩井半四郎が演じる)芸者かしく」


 おそらく、この芝居の中のセリフだったのだろうと思います。かしくは打ち首になる前に「死してのちは、悪酒を戒める霊とならん」と誓いを立てたのだと。
 
 そのため「かしくの墓石を削って飲めば酒乱の人をいましめる効果がある」と。いう言い伝えができました。
 「かしくの墓」が建てられた法清寺は一躍「かしく寺」として参拝者を集めることに。
 現代でも命日の3月18日には「かしく祭り」が行われ、芸能奉納などが実施されるのだとか。知りませんでした。知らなかったこと、まだまだ、世の中にいっぱいあると思うと、老い先短い身にも、楽しみがいっぱい。

<つづく>
コメント (2)
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