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ぽかぽか春庭「日本語学校緑濃い日々」

2022-06-02 00:00:01 | エッセイ、コラム


20220602
ぽかぽか春庭にっぽにあニッポン語教師日誌>2022日本語学校梅雨間近(1)緑濃い日々

 5時半に起きて6時25分からラジオ体操をして、6時40分に家を出る通勤生活。ここ2,3日、起きてからバタバタしていたためにトマトに朝水をやるのを忘れてしまいました。
 みどりの日に自宅の鉢に植えたトマト。土曜日5月28日朝、ゆっくり起きて窓の外に置いてある鉢をみたら、1本がクテッとなって葉がしおれかけてる。あ、いけない。あわてて水をやったら、昼には少し回復していました。植物の復元力、あなどりがたし。人間もこんなふうに元気になりたいものですが、コロナ後倦怠生活になるかも。

 職場の元気、少し回復のきざし。
 留学生の来日ストップから丸一年。2022年、今年4月からようやく留学生の入国ビザがでるようになりました。4月中に来日した学生は、待機期間を経て、5月9日から授業に参加。
 そのあとも、ベトナムからふたり、また中国から、という具合にぱらぱらと入学してきます。
 4月に入学式をしていっせいに授業をはじめられるなら授業進行もまあまあうまくいきますが、能力差のある学生たちが時期をずらしての入学なので、やりずらいことおびただしい。

 初級、初中級、中級、中上級、上級と上達していくクラス運営ですが、2021年は4月10月とも来日ゼロでしたから、2022年4月には、初中級→中級という日本語能力試験3級レベルのクラスが設置できませんでした。
 4月には中上級、中級の2クラスでスタート。5月から、初級クラスを開始。初級から始める学生はよいとして、初中級能力レベルの学生の所属が問題でした。

 新入学生たちは「私たちは1年間自国で待機させられている間、オンライン授業も受け、初級は理解している」と主張するのです。初級の「わたしは〇〇です」から始める午後クラスに所属することを拒否。
 午前中の日本語能力試験2級レベルのクラスで学びたいと主張しました。そこで、プレイスメントテストの3級レベル試験を実施し、自分たちの実力が2級には届いていないことを納得させようと思ったのですが、、、。

 新入学生は「でも、2級レベル中級クラスの学生たちの中に、私たちよりできない学生もいます」と、力説。たしかにその通りで、在籍学生のなかには、昨年の12月の日本語能力試験で2級に合格した学生もいれば3級にも合格がむずかしい学生までレベルさまざまなのです。
 大規模校のように、こまかくレベル別クラスを設置できればよいのですが、なにせ昨年の「入学ゼロ」が響き、まだまだクラス数を増やせない状況です。新入学生がなんとか2級レベルについてきてくれることを願うばかり。

 校内問題いろいろ多発。学生のクラス所属の問題のほか、講師陣もうまくいきません。
 ひとり校風に合わないという非常勤講師先生がいます。
 勤務開始以来、「学生の教室掃除の仕方やごみの分別方法が悪い。給与が決められた日にふりこまれず、数日遅れで振り込まれたのは、労働法上違反である」など、いろいろ「少しでもこの学校をよくしようと思って、、、」という考えのもと、たびたび「学校向上のためのご提言」をしてくださるのです。以前に「〇〇先生がミニスカートを履くのはけしからん。教師は教師らしい服装をすべき」と主張した方。
 このときは、「生き方や価値観は人それぞれであり、服装の表現は、個人の自由を保障すべきです。教師の服装によって学生に悪影響を与えた、という実証がないかぎり、当校では、学校側が教師の服装規定まではせず、教師の考えにまかせる」という、回答になりました。この時から「学校方針が気にくわない」というお考えだったようです。

 非常勤常勤に限らず、提言するのはよいことと思います。三菱のように、だれも提言できない社風になってしまうと、問題が起きてもそれにさわらずにおく、という風土になるからです。

 たしかに、新設校ですから問題はいろいろあります。
 常勤勤務者は学校経営状態も承知しており、給与遅配にも耐えていますが、非常勤勤務者は一日でも遅れたら不満になるでしょう。学校経営者は振り込みが遅れたことを謝罪しました。以後非常勤講師に対しては「毎月月末に勤務表を確認し、10日に給与支払い」という決まりを守っていくと思います。

 この「ご提言いろいろ」講師は、学校側の採用問題にも不満。
 留学生来日が許可になると、昨年休校状態で非常勤講師の契約を中止していた日本語学校がにわかにクラス拡大をはかり、日本語教師採用が活発になります。クラスが増える10月前になって講師募集をしても、よい人材が得られないかもしれない、と4月に講師募集を行い、ひとりよい方の採用がきまりました。学校に自転車で通勤できる、というご近所にお住まいで、他校での常勤経験もある方です。ご主人の転勤などにともない、日本語学校もあちこちで仕事をしてきたけれど、今回の転勤は最後になるだろうと、この学校に応募した、ということでした。

 この「新人講師採用」にあたって、「ご提言いろいろ講師」は猛反発。「クラスが増えるのなら、前からいる非常勤講師の受け持ちコマ数を増やすべきでだ」というお考え。
 常勤のひとりが出張研修のため授業日に出講できないことがわかり、「もっと持ちコマ授業数をふやしてほしい」とメールしてきたこの講師に代講をお願いしたら「OK」と引き受けました。しかし、新人採用を知ると途端に「代講できません」という理由なしのメール連絡をしてきました。理由は「新人に代講させればいいでしょ」という考えだということを、他の講師から聞きました。
 なんともはや。社会人が一度引き受けた仕事を、「学校のやり方が気に入らない」という理由でキャンセルするとは、思いがけない行動でした。

 この講師、ずっと新しい勤務先を探しているという話は本人から聞いていました。どうやら「10月に向けてクラス増設」の日本語学校がみつかったようで、5月末に経営者に「6月末で退職します」と。連絡してきました。顔を合わせているのに、わたしには直接の連絡なしに帰宅してしまったので、私には直接は言いにくいのか、と思っていたら、翌日メールで「退職します」と。

 学校と講師の相性もそれぞれですから、自分の価値観にあった学校が見つかったなら、この講師にとっても、当校にとっても、よいと思います。

 一度しおれたトマト苗も、水を与えて回復したように、「コロナ禍のため留学生が来日できず」という未曽有の事態のあと、日本語学校も回復していけるといいのですが。がんばります。

 5月4日みどりの日から一か月半。一度しおれたけれど、復活したトマト。ゆっくり育って実をつけて!


<つづく>
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