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ぽかぽか春庭「峠・舞台挨拶付き映画試写会」

2022-06-09 00:00:01 | エッセイ、コラム


20220602
ぽかぽか春庭シネマパラダイス>2022シネマ風薫る(1)峠・舞台挨拶付き映画試写会

 司馬遼太郎の原作で長岡藩家老河井継之助のことは知っていましたし、「峠」が映画化された後、公開がのびのびになっていたことも知っていましたが、のびのびになっている間にすっかり忘れていました。当初は2020年9月公開→2021年7月公開→2022年6月17日一般公開。やっと。

 『峠・最後のサムライ』が公開となり、その試写会が5月2日に丸の内ピカデリーで行われました。娘が抽選に当たったので、いっしょに見てきました。

 5時半開場。娘は後ろのほうの通路側、私は右側前から3列目に席を確保。(映画を見る角度の好みの違いがあり、いっしょに見に行っても、いつも席はバラバラです)
 真ん中の見やすい席は、10列目ぐらいまでプレスがカメラを構えて陣取り、写真撮影タイムが終わったらみな帰りました。その席は遅れてきてよい席が取れなかった人に開放すればいいのにと、思いましたがこういうものなんでしょうか。舞台挨拶付き試写会なんてものに初めて参加した素人ですから、役所広司や松たか子の顔をできるだけ前方で見たいと、前から3列目を確保したので、スターを間近で見られたのは大満足でしたが、映画を見るためには前すぎて少々見づらかった


 主演河井継之助役の役所広司とその妻すが松たか子、監督脚本の小泉堯史 が登壇し、舞台挨拶。インタビュアーの質問に丁寧に答えていました。たぶん、テレビの映画紹介番組やyoutubeでインタビューのようすは見られるでしょうし、DVD販売のおりは、特典映像としてもおまけとしてつけるとのこと。

河井継之助(役所広司)
・河井すが(松たか子)
・河井代右衛門 :継之助の父。 ( 田中泯)
・河井貞:継之助の母(香川京子)
・むつ(芳根京子)
 山本帯刀(AKIRA) 徳川慶喜(東出昌大) 小山良運(佐々木蔵之介) 松蔵(永山 絢斗) 小山正太郎(坂東 龍汰) 川島億次郎(榎木 孝明) 花輪求馬(渡辺大) 松平定敬(矢島健一) 月泉和尚(井川 比佐志) 百姓(山本 學) 岩村精一郎(吉岡 秀隆) 牧野忠恭(仲代 達矢)

 司馬遼太郎は『峠』のあと書きに『幕末期に完成した武士という人間像は、その結晶のみごとさにおいて人間の芸術品とまでいえるように思う』と書いています。
  史実の河井継之助を司馬が「峠」の中で史実をもとにした小説として描きました。史実の河井は、司馬の中で理想のサムライ像として定着します。
 それをさらに小泉が脚本にして映画化。
 役者役所広司が見事にひとりの人間を体現しました。

 あらすじ。
 慶応3年(1867年)、大政奉還。260年余りに及んだ徳川幕府は終焉を迎え、諸藩は東軍と西軍に二分していく。慶応4年、鳥羽・伏見の戦いを皮切りに戊辰戦争が勃発した。越後の小藩、長岡藩の家老・河井継之助は、東軍・西軍いずれにも属さない、武装中立を目指す。戦うことが当たり前となっていた武士の時代、民の暮らしを守るために、戦争を避けようとしたのだ。だが、和平を願って臨んだ談判は決裂。継之助は徳川譜代の大名として義を貫き、西軍と砲火を交えるという決断を下す。妻を愛し、国を想い、戦の無い世を願った継之助の、最後の戦いが始まった……。

  600人ほどにすぎない長岡藩士が、5万の大軍に立ち向かった、という史実は、いかにも司馬が好みそうな出来事です。この最初から負けが確実な戦を全身全霊で指揮した河井継之助を、司馬は「人間の芸術品」と見て、鮮やかな人間像に結びました。
 小説ですからむろん、史実から離れたエピソードも含まれています。さらに脚本では監督によるエピソードも付け加えられます。
 が、河井の人間像はくっきりと画面に表れていました。
 
 コロナのために2度も公開延期となりましたが、ウクライナが大国ロシアに一方的に侵攻されるという今年の世界情勢が、官軍5万の兵に一方的に攻められる長岡藩という構図にぴったり合っていて、戦争から遠い今の若い人にもわかりやすく身近に感じられたのではないかと思います。
 いじわるな見方をすると、映画宣伝担当者は、6月17日の公開前に戦争終結しないよう願っているのかも。(この意地悪な見方は、不謹慎です。反省すべし)。

 2023年の日本アカデミー賞には、作品賞監督脚本賞主演男優女優賞助演男優女優賞撮影賞音楽賞など軒並みノミネートされると思います。松竹配給だから。独立系だと外国で大きな賞をとらないと、ノミネートされないこともあるけど。衣裳は黒澤和子に受賞決定。

 せっかく役所広司と松たか子の舞台挨拶見たのですから、ヒット願っています。

<つづく>
コメント (2)
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