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ぽかぽか春庭「伊万里鍋島の凸凹文様 in 戸栗美術館」

2023-10-26 00:00:01 | エッセイ、コラム


202310
ぽかぽか春庭アート散歩>2023アート散歩秋(1)伊万里鍋島の凸凹文様 in 戸栗美術館

 戸栗美術館は、陶磁器を展示しています。10月14日は、創設者戸栗亨(1926(大正15)年-2007 (享年81)のメモリアルデー(命日)のため無料開館。私は気づかないでいたのですが、娘が「母は無料が好きだから教えます」と知らせてくれました。

会期:2023年10月6日(金)~12月21日(木)  

 エレベーターがないので、階段をゆるゆると昇っていくと展示室前のロビーに飾られている大壺


 戸栗美術館の口上
 今展では、やきものの表面に施された凹凸(おうとつ)の文様に注目します。取り上げるやきものは、江戸時代初頭に佐賀・有田(ありた)で日本初の国産磁器として誕生した伊万里焼(いまりやき)と、その技術を応用して徳川将軍家への献上品として創出された鍋島焼(なべしまやき)。これらのやきものの施文方法は筆による絵付けが主流ではありますが、中には表面を盛り上げたり、貼り付けたり、反対に削ったり、くりぬいたりという表現も見られます。
 こうした凹凸文様は、画像はもちろん肉眼であっても絵付けによる表現に比べると視認しにくいもの。しかしながら、凹凸文様をあらわすための技法は、型の準備や、ヘラや鉋(かんな)などの工具の使用など、伊万里焼や鍋島焼の基本成形技法である轆轤(ろくろ)挽きだけでは完成しない、ひと手間もふた手間も掛けられ、高い技術力も要するものです。
 伊万里焼・鍋島焼あわせて約80点。
 伊万里焼や鍋島焼では、凹凸文様を作るのに幾つかの主要な技法があります。「線彫り」や「透かし彫り」といった陰刻(いんこく)技法と、「貼付け」や「轆轤型打ち(ろくろかたうち)成形」「型押し成形」などの陽刻(ようこく)技法の手順を解説。


 
2階ロビー展示の大皿は、鍋島焼の制作過程の全工程を示す図柄


 色絵 七宝菊文 稜花皿 鍋島 江戸時代(17世紀後半) 口径21.3cm 




 何度見る機会があっても、陶磁器の見方はさっぱりわからず、ただ単に色がきれい、形がおもしろい、という感想しか出てこない。 
 
 染付 竹虎文 捻花皿 伊万里 江戸時代(17 世紀中期)口径 19.6 ㎝
 美術館創設者戸栗亨は、虎の図柄が好きで、美術館のシンボルマークも、この虎の形を図案化したもの。

 「命日により無料」が土曜日と重なったので、館内はいつもより混んでいたとは思いますが、それでも、こみこみの絵画美術館から見れば、ゆったり観覧できる環境。1階ロビーからの庭の景色も、幕末期の鍋島藩に由来する大砲とか田の神石像が飾られていて、よいながめでした。



 松濤散歩。たしか前に戸栗美術館から松濤美術館に向かったとき、古い洋館のレストランがあったような記憶がありました。土曜日のひるどき、歩いている散歩者はいません。住宅街の住民は運転手付きの車で移動しますから、とほ者は、各家の門前の防犯カメラに録画されていることでしょう。ここらでは、一戸建ての住宅は10億~100憶という価格帯ですが、その中にあるレストラン。シェ松尾は、大正時代に英国人建築家が建てた建物だそう。どんな客がくるのやらと思いましたが、門の外にはボーイさんが立ってランチ客をお出迎えしていました。客の予約時間の30分前には門前に出てお出迎えしているそうです。「宝くじ当たったら食べにくるよ」という婆の声掛けに、笑ってくれました。許可をもらったので、玄関の写真をとってから松濤美術館へ。

<つづく>
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