春庭Annex カフェらパンセソバージュ~~~~~~~~~春庭の日常茶飯事典

今日のいろいろ
ことばのYa!ちまた
ことばの知恵の輪
春庭ブックスタンド
春庭@アート散歩

ぽかぽか春庭「白金散歩 with 日曜地学ハイキング」

2023-10-05 00:00:01 | エッセイ、コラム
20231005
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2023文日記秋(3)白金散歩with 日曜地学ハイキング

 息子が小学生娘が中学生のころ、恐竜大好きの娘の希望で化石掘りに初参加。むろん恐竜の化石は出ませんでしたが、貝の化石を手に入れました。それ以来、定期的に実施される「日用地学ハイキング」参加し、地質のこと化石のことを学びつつ楽しんできました。
 山梨の水晶掘り、秩父の化石掘り、多摩川河口での蟹の穴見学など、さまざまなイベントに参加しました。
 子供が大きくなってから、私ひとりで参加するようになり、参加はごくまれになりましたが、久しぶりに9月24日日曜日、ハイキングに参加。

 「白金歴史散歩地学散歩」一日のコースは。
 10時目黒駅前集合ー行人坂ー大円寺―目黒雅叙園お七の井戸ー太鼓橋ー池田山公園ー白金植物園(昼食)ー聖心女子学院正門ー港区立郷土歴史館(集合写真撮影後解散、各自で自由参観)
という行程です。都内の散策に60名が参加。私は当日申し込み組でした。

 目黒駅から目黒区立美術館へは年に2,3回は利用する道ですが、いつもは権之介坂を下りて目黒新橋を渡っていきます。今回の歴史地形散策で、はじめて行人坂を下りました。


 行人坂は、目黒駅(海抜30m)から目黒川(海抜4m)まで25mの高低差を一気に下ります。江戸時代は目黒不動尊にお参りするには通るしかない急坂でした。今はずっとゆるやかな権之介坂を通れるので、私は一度も行人坂を下ったことがありませんでした。江戸時代、行人坂の上には目黒不動尊参りの人を相手の冨士見茶屋があり、ハイキング一行が通ったとき、坂上から富士山が雲にまぎれがちながら、ぼんやり見えました。まさしく冨士見茶屋。

 行人坂の途中の大円寺で、五百羅漢参拝。

 行人坂を下り切ると目黒川に太鼓橋がかかっています。今は太鼓は名前だけですが、江戸時代はほんとに太鼓の形の丸い橋でした。



 行人坂を下り切りと、目黒川沿いの目黒雅叙園に出ました。百段階段見物に何度か訪れたことのあるホテルですが、ここに「お七の井戸」があること、まったく知りませんでした。


 池田山公園、目黒駅からそう遠くない場所にあるのに、初めて中に入りました。江戸時代幕末は 岡山藩池田家松平茂正の下屋敷。ちなみに茂正は徳川斉昭の九男九郎麿。九郎麿の兄七郎麿慶喜は最後の徳川将軍。
 この公園で「東京の地質、湧水と地下水」というレクチャーがありました。この池田山にもかっては湧水があり池を満たしていましたが、現在は地下水くみ上げて池に注いでいるそうです。



 稲城市から参加したご夫婦と少しお話できました。我が家と同じく、子供が小さいころは家族で参加していたけれど、子供たちがハイキングを卒業してしまい、久しぶりにご夫婦で参加なさったとのこと。ご主人が植物園の塀の外に落ちているマテバシイの実を拾い、どんぐりの中で実をそのまま食べられるのはマテバシイだけだ、と教えてくれました。私も拾って食べてみました。私は田舎にいたときは萱の実を拾いにいって、薪のお風呂から取った灰汁につけてあく抜きをし、ほうろくで炒って食べるのが好きでした。今もナッツ好きですが、子供のころは面倒くさいと思わずに一人で萱の実を食べていました。マテバシイがそのまま食べられるとは、知りませんでした。

 国立科学博物館付属自然教育園。私が庭園美術館に来たついでに立ち寄る白金植物園です。ここは自由散策と昼食。私は池のほとりで持参のサンドイッチを食べました。


 13時半に再集合して、聖心女子大学の見学。ヤン・レツル設計の門を見学し、ふつうは中に入れないところを、1957年竣工の校舎見学もできました。日曜地学ハイキングの先生のひとりは学習院教師時代の教え子が上皇様で、聖心女子学院でも教鞭をとったということで、校舎見学もできました。ただし、かってレーモンドが設計した校舎はすでに存在しません。1957年設計の建物も、ドームを有するなかなか立派な建物です。

ヤン・レツル設計の門(ヤン・レツルは、今は原爆ドームとなっている建物の設計者です)


 港区立郷土歴史館前で全員の記念撮影を行い、解散。中は自由参観でした。私は何度か来ているのですが、建物や特別展のみ見てきたので、今回はじめて常設展を観覧。港区発展の歴史などが展示されていました。
 地下の食堂でソフトクリームなどを食べて休憩し、たぶん、ほかの人が全員いなくなってから退館しました。


 目黒駅に戻り、てんやの天丼を娘の晩御飯用に買って帰りました。

<つづく> 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ぽかぽか春庭「スタイリスト・リュージのゲイシャ」

2023-10-03 00:00:01 | エッセイ、コラム
20231003
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2023文日記秋(2)スタイリスト・リュージのゲイシャ

 私はお出かけしたとき、途中で足を休める休憩所は、たいていマック。だいたいの駅前にはマックがあるし、なんと言っても安い。マックのコーヒー(S 120円)とソフトツイスト(ソフトクリーム150円)、計270円で1時間休憩します。これより安い店は今まではなかった。マックが見当たらない場所では、ドトール、ヴェローチェなど。たまにスタバ。適当な椅子があるところで、持参のペットボトルを飲みながら、足を休めることも多い。

 帰宅する前に、ほっと息抜きをする場所があると疲れがとれ、家に疲れを持ち込まず帰れます。
 しかし、これまでもよりの駅前は、カフェもマックもスタバもない、チョーさびれた駅でした。パン屋と蕎麦屋、焼き鳥屋がありますが、お出かけして、家に帰る前に一息つくお店がほしかった。

 駅前にあるカフェ「イヨクコーヒー」が6月に開店したと思ったら、すぐに休業。8月に再開店したのでうれしく思いました。しかし、店主さんは、本職のスタイリストの仕事もあり、私が駅前から帰るとシャッターが下ろされていることが多く、なかなか3杯目のコーヒーを飲めずにいました。

 ようやく飲めたのは、9月23日、コンサートの帰りでした。
 マスターおすすめのコーヒー、パナマのドン・ペペ農園で生産されたトレジャーマウンテン(最初の収穫は1898)。生産者はホセ・ハンベルト・バスケス。

 豆の種類名だけじゃなく、生産者の名前まで表示するって、生産者へのリスペクトが現れていて、私にはよりいっそうこの豆がおいしく感じられる。とは言っても、味覚音痴の私。コーヒーの「きき豆」をして「うん、この甘みと酸味のバランス、まろやかな味わいはブルーマウンテン」とか言うことができないのはもちろん、味を表現する語彙も持たない。

 ていねいに淹れてくれるマスター。


 カウンターに座っていた女性が「〇〇は今日焙煎したの?」とマスターに聞いている。豆の名前〇〇は、私には聞き取れなかった。マスターは「今日焙煎したから、おいしくなるのは明日かあさって」と言う。焙煎したあとに少し時間をおいたほうがおいしくなるってことも、私は知らなかった。理由をたずねると、素人にやさしく教えてくれる。「焙煎するとコーヒー豆から炭酸ガスがでます。その炭酸ガスが減っていき、豆が落ち着くのが2,3日したころ。

 「焙煎すると豆から炭酸ガスが出るなんてこと、はじめて知りました」と、正直に言うと、女性は「ふつうは知らないです」と。「明日も来て、明日と味比べをするから、今日は今日で飲んでみる」と、味比べを希望しました。



 マスターは、いつものように丁寧にお湯を注ぎ、わたしにまで味見をさせてくれました。並べて交互に飲んでみれば、味音痴にも味の違いがわかります。たしかに、味見に淹れてもらったほうは、まだ若い味がしました。さわやかな風味でしたが、今日の段階では初めに注文した「トレジャーマウンテン」のほうがよい味の気がしました。

 それにしても、この女の人はちゃんと豆のこともわかるんだなと思って、「明日もくるって、お近くにお住まいですか」と尋ねました。マスターは苦笑いして、「妻です」と。うわぁ、失敗。最初に来た時、コーヒーをサーブしていたので、会っていたはずなのに。なんでも忘れてしまい、特に顔を覚えられないのが私の若いころからの弱点。教室で学生の顔を覚えるためには、席の上に名前カードを置かせていました。さすがに学期が終わるまでには覚えられましたが。
 6月の開店時に会っていたのに、まったく覚えていなかったのは、恥ずかしい限り。

 奥さんと話して、私が田舎育ちであることを話し、田舎が群馬であることを話すと、「私も群馬です。群馬のどこですか」とのお尋ね。生まれた町の名を言う。奥さんは「私、S女出身です」と言う。「え~、私もS女です」
 私の卒業年度の30年あとの卒業の同窓生でした。1970年に東京に出て53年たつけれど、1968年卒業のクラスメート以外で、S女出身者に出会ったのは初めてです。
 ご縁があったことがわかったので、私の名を告げ、奥さんのお名前も聞きました。それが、私の姑の名前と同じ。つくづくご縁がある方でした。

 今までドリップするフィルターをのぞいたことなかったのですが、「見て」と促されて覗くと、ハンバーグのように丸く膨らんでいるのがわかりました。豆に残った炭酸ガスによりこのように膨らむのだけれど、焙煎仕立てだと炭酸ガスが多すぎ、日にちがたつにつれて炭酸ガスはぬけていく。2,3日後が一番いいらしい。この炭酸ガスについて調べてみると。

 炭酸ガスは、コーヒー生豆を焙煎してコーヒーの炒り豆にする時の過程で発生します。コーヒー生豆にあったクロロゲン酸、それからクエン酸、あるいは酢酸、などなどが分解されて発生するようです。発生した炭酸ガスは焙煎中にその半分を放出し、残りの炭酸ガスの一部がコーヒー豆に残る、ということになる。この炭酸ガスは、ずっとコーヒー豆の中に入っているわけではなく、日にちの経過とともに、炭酸ガスはゆっくりと空気中に放出されていきます。
 
 9月28日中秋満月の夜も、イヨクカフェへコーヒーを飲みに。
 「スペシャルコーヒーですが、特別にサービスします」と淹れてくれたのは、「ゲイシャ」という入荷がごく少ない希少な豆。
 めったに市場に出回らない豆ですが、お台場のビッグサイトであったコーヒー豆のフェアで特別に手に入ったのだそうです。入荷がコンスタントにはできないので、カフェのメニューには載せられないという、そんな希少な豆を、味音痴の客に提供してもらうのは申し訳ないと思ったのですが、好奇心が勝ち味わうことに。いつものようにマスターが丁寧に淹れてくれます。

 味の語彙が少ないHALなので、「おいしい」しか言えないのが情けないところですが、とにかくおいしい。豆は、100gで5000円くらい、ホテルなどではカップ一杯7500円とか、1万円で提供するという値段を先にきいていたので、そりゃ、いくら味覚音痴でも「まずい」と思うわけがない。ゲイシャは、イヨクカフェのメニューには上げられないというので、ほんとはオフレコなんですが、自分のメモのために、豆の産地を秘密にかいておきます。白地反転文字です。
 ・パナマ レリダ農園。ナチュラル
 豆の名がなぜ、ゲイシャというのかというのかも調べました。エチオピアのゲシャ村に自生していたアラビカ種突然変異の豆だったものが、なまってゲイシャになったのだとか。エチオピアでは栽培されていなかった豆を、パナマのエスメラルダ農園が栽培に成功し、21世紀になってから奇跡の豆として高値がつきました。今ではエスメラルダ以外にも栽培している農園が出てきましたが、栽培の難しい豆なので、大量には栽培されていない。

 9月29日は、私より30年若い同窓生の奥様は自分自身のお仕事。マスターの来し方を問わず語りにうかがいました。
 マスターは、車が大好きだったので、自動車の専門学校に入校し、整備士をめざしました。しかし、集まった精鋭たちは、レベルがちがう車オタクたち。(いまどきの若者用語ではレべチ)自分はかなわないと思ったけれど、親に学費をだしてもらったので、卒業後2年半は自動車関連の企業で働いた。のち、自分の進む道を考えて退職。英国で修業し、スタイリストとして仕事を始めました。ryuji Mimakiさんのサイトには、すてきなスタイリング作品が出ていました。

 店内に控え目に流れる曲は、知らない曲。舌も弱いが耳も弱い。マスターにお聞きすると、トム・ウェイツ(Tom Waits )。有名な歌手だそうですが、初めて聞きました。私と年が同じです。youtube でパソコンしながらヘッドホンで聞くのはクラシックが多い私ですが、さっそくTom Waitsも聞いてみました。

 音楽の幅も狭く、コーヒーについての知識も味覚もまだまだ不十分なHALですが、はじめてできた駅前のお気に入りのカフェに通ううちに少しは味もわかってくるかも。では、次のコーヒータイムを楽しみに。

 ゲイシャを飲んだ9月29日は、中秋の満月でした。


<つづく>
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ぽかぽか春庭「中秋満月&敬老週間」

2023-10-01 00:00:01 | エッセイ、コラム
2023年9月29日午後10時10分の満月

20231001
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2023文日記秋(6)中秋の満月&敬老週間

 9月29日は中秋の日。旧暦8月15日に当たる。旧暦7月8月9月の三つきが秋。そのちょうど真ん中が中秋です。この日に見る月は格別に美しい、と、古人は感じていました。2021年、2022年、2023年と3年連続で満月 になったので、毎年中秋の名月が満月とみたいに思いますが、毎年と言うわけじゃありません。太陽暦の一か月は30日か31日ですが、陰暦では月のめぐりは29日。ずれていきます。次回、中秋の夜に満月になるのは、7年後だそう。7年後も見る気満々ですが、まあ、今年は今年で見ておきましょう。

 雲の切れ間から顔を出した満月、8時20分。


 雲の切れ間 10時10分


 9月後半は、敬老週間。無料のお楽しみが盛りだくさんでした。
 17日日曜日写真美術館で「アラヤシキの住人たち」鑑賞。無料。18日現代美術館「横尾忠則ほか所蔵品展」鑑賞。無料。19日「伝統工芸展」鑑賞。無料。20日写真美術館第3水曜日。無料。22日、代々木体育館で女子バレーボール対ベルギー戦観戦。これは有料1階席8000円。23日楽友会定期公演。無料。24日東京地学ハイキングに参加。保険代200円。港区立郷土歴史館入館料240円。バレーボール以外はほぼ無料でよい時間がすごせました。

 これまで5月母の日と9月誕生日に娘はかかさずプレゼントを送ってくれたのですが、敬老の日は、誕生日と同じ9月なので敬老プレゼントはありませんでした。今年はじめて、敬老プレゼントをもらいました。来年高貴幸齢者になるので、そのプレ高貴幸齢者祝いかもしれません。

 おいしい梨とおかしのプレゼント

 
<つづく>
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする