▲八津鎌足のかたくり群生地。あまりの素晴らしさに感動して泣きました。
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GW前半の国際花火シンポジウムの花火は3日参加したわけだが、2、3日目の日中をどう過ごすかが課題であった。だが、今年は簡単だ。花がある。
例年、GWごろは東北の桜の時期である。北上しかり、角館しかり、弘前しかり…。これらを結ぶツアーは山のようにある。
だが、桜の命は短くて…。実は昨年も同時期にプレイベント花火が行われており、角館の桜を見たいなぁと思いつつ大曲に行ったんだけど、前日までに散ってしまっていたorz
今年はそのリベンジだ!! って思っていたのだが、前日、すでに角館が散り始めの報が…。いやぁぁぁ!! 2年連続でフラれるのはいやぁぁぁ!!!
ということで、4月28日は田沢湖線の始発に乗車。平日だから、地元の高校生が次々と乗り込んでくるローカル線に揺られて角館(仙北市)に降り立つ。そこから10分ちょっと歩いて、武家屋敷街の枝垂れ桜に到着した。
▲角館武家屋敷街の枝垂れ桜
うっ!明らかに緑の葉っぱが目立ち始めている…。ま、まだ花は残っているけれど、もうこれは…orz それに曇り空だし、時折雨落ちてくるし…。
▲あ、青空に見せているのは、雲ですww 補正していたら青くなったw
▲角館樺桜伝承館前はまだ花が多めに残っていた
▲青柳家方向の通りは補正したら絵になったという感じで、もうこの方向にはほとんどレンズを向ける人がいなかった
▲紅枝垂桜があると画になる伝承館
▲なんか、エンジン音が聞こえるから、ドローンか!?って身構えたら大型のラジコン飛行機だった。なんでも桧木内川の河川敷でいつも飛ばしているグループがいるらしい。
▲トイレのある広場(身もフタもない言い方)はソメイヨシノがきれい
なお、ここで早朝からコスプレ撮影が行われていた
▲裏通りは生活空間なので、電柱&電線があるけれど、ズームで寄せるとなかなかいい風情
▲桧木内川のソメイヨシノ並木に出る
▲定番アングルを下流側に見る
▲今度は上流側に…w
天候が回復しないかと結構粘ったものの、雲厚く、これ以上は断念。予定していた次の電車があるからね(いなか旅は電車時刻をなめてはいけないことを、田舎者は知っている)。
ソメイヨシノはまだつぼみが残っており、もう少し楽しめそうだったけれど、枝垂れ桜は本当の本当のピークに見てみたいものである。
▲駅に向かう途中で、まだしつこく枝垂れを撮るw
▲裏通りを通って、コンビニに向かう
当月の給与がこの日に入る予定だったので、近くのコンビニで降ろしてほかの銀行に移してなんて作業をしてから駅に向かう。コンビニあれば、どこでも仕事できるな…。
なお、角館では複数の知り合いと会う。みな、考えること一緒なのねぇw
ということで、角館始発の秋田内陸縦貫鉄道へ。
ここの切符、手売りだし、挟み入れるし…。惜しむらくは硬券でないことだなw
2両編成で出発!
何度も秋田へは来ているし、角館も何度か訪れているけれど、この電車に乗るのは初めて。電車そのものは、珍しいものではないだろうが、車窓が新鮮。
田園地帯はまだ田おこし前で、殺風景ではあるが、そこに家があり、庭があり、桜が咲き、コブシが咲く。ほんのわずかな彩りが、春の風景を形作る。東北の厳しい冬が明けた喜びに満ちているように見えるのは、雪国出身者のひいき目かも知れない。
そして八津駅(仙北市)到着。
ここで乗客の99%が下車する(それでも平日だから10人未満ね)。みんな目的は同じである。
八津鎌足のカタクリ群生地が目当てだ。
近くにある、かたくり館で管理費を払って地図をもらっていざって時に雨がパラパラ。その時気付いた。自分、折り畳み傘どこかに落とした…orz 軽装過ぎてレインウエアもポンチョもリュックに入れそこねている。
えっとー、某氏と角館の駅前で話していた時は確実に持っていたから、可能性は縦貫線かな…(結局、ロストしたまま)。
とりあえず、これ以上天気が悪くならないことを祈りながらカタクリ群生地に向かう。
入り口からひと坂上ったら、バーンとカタクリの群生地が山肌の形に広がる。圧倒である。圧巻である。感動である。
ここはもともと栗畑で(栗はこの辺りの名物らしい)、その林床にカタクリが一面に咲いているのだ。
カタクリは春の花で、雪解け直後に他の植物に先駆けて生えてきて、まだ葉を付けない雑木林でお日様を浴び、花を咲かせ、受粉し、種を作り、そして最後には溶けるように消えていく(地下茎で夏秋冬を過ごす)。大きな葉っぱも何もかも、初夏にはほとんどの生を終え、夏には地上からすっかり消えているのだ。春の妖精(スプリング・エフェメラルの)代表格である。ほかの植物がまだ寝ている春先に特化してすみ分けることで、生きながらえることを選んだ品種である。
すなわち、栗の花が咲くころにはもう活動停止状態なのよね…。だからこその共生だし、春の観光風景となったのだ。
このカタクリ、もともと自生していたらしい。
新潟もカタクリ大量自生地だけど、ここほどの密集度はないし、ここほど整備されていない。自生のカタクリを生かすように、余計な枯葉やゴミや雑草などなどをどけ、日当たりがいいように、管理されているんだろうなぁって思うと、涙が自然と溢れてくる絶景なのであった。
ただ惜しむらくは、この日は曇天。しかも時折雨が落ちてくる。さらに激しい通り雨や、おまけに霰まで降ってきたんだよ(T T)杉林の下で雨宿りもしたよ。
なおカタクリは好日性のため、朝は咲いてないし、昼も曇っていると控えめにしか花を開かない。雨だと咲かないこともある…。
さらに、2、3日前の雨で、結構色が抜けたカタクリがあるようで…。あぁ、ここも来るのが2,3日遅かったのかぁ…。
今回は、質より量だな!
ここの群生地は、1番~30番ぐらいまでの群生地があり、どうやら整備順なのかな? 山の中に結構ランダムに点在している。
▲9番13番辺りは、まだ控えめなカタクリだらけで…。花びらが反り返っていない…。
▲22番の辺りは、斜面の角度の問題なのか、奥に行くほど密度が濃くなって、ハイジとか、ハウルのように花畑を掛けていきたくなる(もちろん立ち入り禁止です)
▲22番の一番奥には白いキクザキイチゲが咲いていた。カタクリとキクザキイチゲはともにスプリング・エフェメラルで、山の中でもよく一緒に咲いている
22番から先は、アスファルトの道をしばらく歩かねばならぬので、本当にこの先にまだカタクリの群生地があるのか初見は迷うが、迷わず行けよ! 道は拓ける!! なお、このアスファルト道は車でのルートでもある。ここ、車でさーっと回ることも可能なのよね。知らなくてびっくりしたよ!(ところどころに小さな駐車場があるので、そこに突っ込んで少し歩くのも可)
▲キクザキイチゲ。雨上がりなので、水玉が乗っている
▲エンレイソウ。秋田は新潟と同じ感じだね
▲フキノトウは大きくなると花を咲かせる。
▲歩いていないと見つけられない、自生のリュウキンカ
花言葉は「必ず来る幸福」なので、そろそろ私のもとに訪れてほしい
▲そして到着した15番。この日はここが一番見ごろだったと思う。ここが一番の遅咲きらしい。間に合って何より。が、ここで霰に降られる。幸福はどこに行った!?
▲濃い赤紫色の帯が、あちこちに見える
▲あー、近寄りたい!駆け寄りたい!!(200㎜ズーム持ってきて正解や)
▲どうしてこんなにかわいいのだろう。食べたいほどだ
(秋田も新潟もカタクリは食用でもありますw なお、食べ過ぎると下痢ります)
▲この山にはないのかなぁって思ったら、青紫のキクザキイチゲ、ありました!!
キクザキイチゲは、ど紫、青紫、赤紫、裏ピンク、白と、花の多様性が見られます※新潟観察歴(なお、花びらに見えるのはガクというキンポウゲ科によくあるパターン)。白が一般的なのかな
▲高低差を生かして、人入りを撮ってみるw
▲林間コースを下る。20・27・21・7番もみんな見ごろだったぁ♡
▲ミチノクエンゴサク。よくエゾリスと一緒に写るエゾエンゴサクの半分ぐらいのサイズの花。これも花色の個体差が大きく、これは同一個体から水色と紫色バージョンが出ているもの
▲ミチノクエンゴサク。こちらは紫色主体。なお、小千谷でもミチノクエンゴサクは咲き、川東は白色系(わずかに青みを帯びる)で、川西は紫系だ
▲ナガハシスミレ。極端に距が長いすみれで、雪国に多いと言われる。小千谷の辺りにもそこかしこに咲いているすみれであり、テングスミレと呼ぶ。秋田~山形~新潟~長野(北信)の豪雪地帯は、植生が似ている
▲さよなら、バイバイ、またね…。
▲カタクリの2年生、4年生、6年生かな!? カタクリは、小さな種から発芽し、1年生は、糸のような葉を出し、2年生は少し大きく…そうして年月を重ねて少しずつ葉を大きくし、光合成の精度を上げ、地下茎を肥えさせていく。そして、8年目に両葉を出して、ようやく花を咲かせるという成長過程を経る。もう、これだけで涙物の成長記録。 なので、カタクリは大事にしてくださいね…。
さて、ここで問題。徒歩者には食事処がほとんどないのが難点。
先のかたくり館では、昼食時限定で、広間が食堂となり、そば(500円)などが提供される。席に余裕があれば、ぜひこちらのご利用を…。
あと、かたくり館の前にある出店の蒸しパンはすぐ無くなるので即買いを推奨(山から下りてきたら売り切れていた~)。フキノトウの苦みが苦手でない人は、ばっきゃコロッケもおすすめだよ。