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2日目だって見劣りするわけないじゃないか、片貝まつりだもの!!

2017-09-26 01:32:00 | 花火

▲今年は昼花火も頑張って見たよ。五部の若は万雷奉納だから、自分の花火待ちだったのね、この時

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 片貝の花火は2日連続して行われる。長岡と同じね。

 ということで、2日目も朝から列に並ぶのである。とはいえ、今日は日曜日。朝6時から夜10時まで花火を上げ続ける片貝を見てから帰るにはちと遅い。おそらく前日よりは混まんだろうという目論見で少し遅く出発。路線バスが動き出す時間に家を出た。
 ルート的に工業団地を2ヶ所通るせいか、朝は30分おきにバスが出ていることを知る(なお、片貝近くの工業団地はほぼ休みである。いや、多分全部休みかも…→調べていない)

 そうして到着した前日の場所。前日は11時開場と書いてあって9時台にオープンしたのだが、本日は早々に9時開場と手書きで訂正されていた。まぁ、二日目はお相撲もあるし昼花火もあるしね…。
 昨日と同じようなメンバーで朝からダラッと話しながら、開場を待つ。

 そして9時に開場が始まり、前日とほぼ同じ場所をゲットする。
 今日は昼花火もあるから、この後どーするかなぁ…。とりあえず、町中をうろうろしとこう。


 片貝の花火は、浅原神社の例大祭の一部であって、祭りは朝からスタートする。まだ人出の少ないうちは小若(未就学児や小学生など)が屋台や神輿などを引くことが多い。もちろん大人の付き添い付きだけど。それぞれの町内の組のミニTシャツやミニ半纏などを着ていてかわいいんだよね。乳飲み子を抱えているママさんだって、同じ柄の服着ているもんね。
 こうやって、この町は小さいうちから祭りというものを体感し、魂の芯に埋め込んでいく。

 この子たちはやがて片貝小学校に入り、片貝中学校に進学する。その先は進路が分かれるので(片貝町に高校はない)、同じ年に卒業した中学の同級生がその後70歳まで続く花火奉納の団体となる。
 二十歳の成人四尺、厄年満願(2回)スタマ、50歳スタマ、還暦花火、喜寿の昼三尺と、綿々と紡いできた片貝の伝統を織りなすことになるのだ(あ、ここ片貝木綿に掛けましたw)。


 ということで、笛やメロディや爆竹の音を頼りに町をうろうろ。町中の細い道を丁寧にジグザグジグザグと塗って祭り屋台は進むので、道1本向こうに祭り屋台を見つけたり、ここに来るぞって待ち構えていたら、ツイッと辻に入られたりとなかなかに焦らされる。

 だが、それも楽しい。

 友人に片貝タオルの売り場を案内し(お土産屋のではなく、個人商店で扱っているレアなのがあるんすよ!!)、四尺玉パンをもぐもぐし、大津屋でいつも売り切れな幻の白玉をゲットし(赤飯もうまかった)、スーパーで花火パッケージの片貝豆腐を発見し(さすがに持ち帰るの困難であきらめる)、うろうろする。昼近くなったので、土俵周りに腰掛け、お相撲が始まるのを待つ。そして1時近くになったところで桟敷に移動。
 
 昼花火の始まりである。

 桟敷は通常有料で、券を持っていないと入れないのだが、この昼花火の時は無料で出入り自由! お立ち台の真後ろに陣取り、昼花火を待つ。



▲こちらが「こころ」再放送や中越さん第一子誕生や一国さんの来町を祝する昼スターマイン。ドラマ後、約10年ほど、中越さんが奉納してくださっていた花火です(今回は片貝煙火工業〈世を忍ぶ上杉煙火〉の社長と専務が個人名義で打ち上げました)
 写っている方は、この後の花火奉納のためにお立ち台inしていますw



▲平成会奉納尺玉二段打ち


▲本田家奉納尺玉二段打ち


▲55歳記念みつわ会奉納真昼のスターマイン


▲33歳後厄御礼翠嶂会奉納7号2発


▲片貝伝統芸能保存会奉納尺玉2段打ち


▲祝古稀慰十六会奉納真昼の正三尺玉



 長い午後を境内の木陰で体力温存しながら、過ごす。何しろ、夜10時までここにいるのだから。そしてなんとなれば、翌日は出勤だったりするww



▲片貝ブルーをまとうこの花火は、今一番心騒ぐ花火


▲精緻な小割が漆黒の夜空に飛び出す、青千輪2発同時打ち


▲尺の錦に、尺の彩色千輪の二段打ちが、まるで一体化した花火みたいになった。

 新潟の花火だけを見ていたときは気付かなかったのだが、新潟の花火は、尺はきっちり尺の位置に上がる。何を当たり前のことを言っているんだと思うかもしれないが、これが競技会などで様々な業者の尺を見ていると、意外と高さがそろわないものであることに気付く。
 決して目立つことではないけれど、新潟の花火技術を測る一例である。


▲八方咲のスターマイン



▲錦ではなく、黄色のスターマイン



▲片貝ブルーづくしなスターマイン



▲今晩も行きます、大柳火



▲この色の八方は今年初お目見えだったかしら…!?



▲団体ツアー参加者一同奉納特大スターマイン。あー、この色じゃないっていう人がいそうな…。


▲団体ツアー参加者一同奉納特大スターマイン。この千輪はあまり見ないタイプだな


 昨日と同じ団体ではないので、今日今日の分を打ち上げる。
 ちゃんとわかってくださっているかな…。これはあなたたちの花火なんだよ。ちゃんと盛り上がってくれているかな…。
 添乗員さんとかも、ここは派手に盛り上げてくれちゃっていいんだよ。会場のあちこちに固まっている団体から「あっがれ!あっがれ!あっがっれ!」って声が上がってきたら、きっと一体感が出てきて、この祭りの楽しさがより一層伝わると思うんだよね…。そして、きっとこの片貝の花火がもっと好きになってくれるような、そんな気がするんだよ。



▲10日午後9時打ち上げ、祝古希、慰十六会の正三尺玉。2日間で4発上がった三尺の中で、最も美し丸い形で花開いた!!
 
 昼三尺に続いての夜の三尺!!! 70のじーちゃんばーちゃんたち、どんだけ元気なんだよ、どんだけ金出しているんだよ!! 最高だぜ!!! 
 昼、お立ち台からあふれんばかりの大ぜいの人を見ただけに、ホント、すごいとしか言えないね。

 なお、某煙火さんの社長がこの会の会長なんだよね~。昼、いないかなぁって見ていたら、一人だけヘルメット姿で現れた! それ! 上の筒場からダイレクト参加だよねww 無線とか色々つけているけれど、最高に笑ったのはヘルメットに描かれていた「社長」の文字!! 夜はお立ち台どころじゃなかったかもしれないけれど、ホント最高!!



▲油断していたら、くるりと時差玉が上がって変な声が出る。



▲大柳火でスターマインなんて素敵すぎる!!(完全に嗜好の問題)



▲そして青を基調とした八方咲の儚げで美しいスターマインは、東京の個人が上げたものだと思う。ぜひ1年でも長く生き続けて、花火を奉納してください。



▲華やかな椰子芯彩色千輪、2発同時打ち。地元だと当たり前すぎるけれど、片貝さんの代表的な玉だと思う。



▲打ち上げ担当の片貝煙火工業による従業員と、打ち上げ従事者(打上当日手伝ってくれる特別な免許を持った人)の安全と健康を祈願したスターマイン。いい玉が上がります。



▲て組の大スターマインの後に上げられる、尺尺尺が連続する大柳火!! もろおれ得!!
※ディープ魚沼エリアは女性も「おれ」言います



▲そして、大地轟かす世界一の四尺玉! 正面だから爆風も来るし、振動も来る!!
 花火の煙が取れなかったのは残念だったけれど、彩色の小割が鮮やかで美しかったよ!!


 あぁぁぁぁぁ!!!! 終わったよ、終わってしまったよ…。2日間花火を浴びまくって大満足だよ。またこの興奮を味わうには1年を待たねばならない。


 でもまた来年、また来年ね…。



狂乱の土日開催片貝まつり

2017-09-15 01:05:00 | 花火

▲9日夜10時世界一正四尺玉

 何年かぶりの週末開催となった片貝の花火。
 
 えっと片貝の花火というのは、もともと片貝にある神社・浅原(あさはら)神社の秋季例大祭に伴う奉納煙火で、毎年9月9日・10日の日付固定の花火である。平日でも全力でこの祭りを行い、町の小中学校は休みで、町の外にある高校に通う子もこの日は無断欠席でも咎められず(あー今日は片貝のまつりだから、休みだな…で済んだクラスメイトのアダチ君)、大人も何なら会社休んじゃうぞ!!って感じの祭礼である。
 だから、多くは平日に行われ、そこに集うのは花火好きのバイアスがかかった人たちが多い。それだけでも混雑するから、土日開催の今年は如何ばかりかと、昨年からずっと戦々恐々であった。

 前日、仕事を早めに終わらせて、夜の新幹線で一路小千谷へ帰省。毎日早朝出勤の弟に、片貝まで送ってもらう約束を取り付けて実家で就寝。起床時間は朝4時であった。
 弟の車で浅原神社の前に乗り付けたのは、朝焼けのころ。さすがにこの時間に当日席購入列に並ぶのはまだ一桁であった。

 それにしても、弟よ、この日に通常より30分早い出社とはすばらしい奴じゃ(なお、帰宅は15~16時とかだよ)。

 朝焼けに星が溶けていくのをぼーっと見ながら、とりあえず一息つく。
 とはいえ、6時過ぎから徐々に人が集まり始め、当日桟敷席の方はあっという間に坂を下って道を折れて列が伸びていった。神社管轄の方(私が見る予定の場所)はそこまでではなかったけれど、いつもより1時間以上早い開場となる。
 無事場所を確保したので、知人の車に乗せてもらって、いったん実家に帰宅。睡眠不足を補う。

 夕方、改めて路線バスで片貝へ。いやぁ、始発のバス停に20人も並んでいるなんて史上初だったよ。バスは会場近くのバイパスを通り、そこに臨時の停留所があるのだが、あえて町の入り口で下車して、町歩きを楽しみつつ会場へ向かう。
 午前中はまだ準備中だった屋台も盛況となり、町が人であふれていた。番付看板から先はまっすぐに歩くのが困難なほど。とりあえず、祭りの雰囲気を楽しむべく、その混雑に突入し、参道渋滞にはまりながら、場所取りしたところへ戻ってきた。
 まったりと西の空に日が暮れるのを見送り、暗くなるのを待つ。

 そして、あのおなじみの声でのアナウンスが始まった!


▲雷の後、初っ端から今年はこんな調子である。昇曲付三重芯覆輪漣(のぼりきょくつきみえしんふくりんさざなみ)。何年か前に土浦で見た玉だ。



▲片貝さんも時差式キターーー!

 これ、初見が阿部さんの時差玉と似ており、んんん?って思ったんだけど、片貝さんの玉ということでOK? 
 当日、現場で、阿部さんかもって言ってすみませんm(_ _)m



▲紫と緑の千輪

 片貝さんといえば、千輪のバリエーションの豊かさも魅力。

 千輪は、花火の中に小さな花火を仕込むから、普通の花火より手間がかかる。減らすといったうわさも聞こえたが、少しずつ色が増えていったり、段咲き変化があったりと、今もおぉぉ!!という千輪に出会えるのはとっても幸せだ。



▲小割の錦の中に入っている点滅カラーがちょっと粋な感じに映る。こういう小さな工夫は思わず、クフって含み笑いをしてしまう。




▲そして大好き!!!大柳火(だいりゅうか)!!
 昨今のまばゆい洋火に対し、昔ながらの暗い炭火色(和火)で太い火の道を描く大柳花。ゆったりと大きく夜空にしっかりと刻んでいくこの花火が私はとても大好きだ。

 ほかの花火に比べて暗いため、それまでのカメラ設定では本当に幽かにしか映らない。この花火だけは、思いっきり露出開放で撮る必要がある。ところがこの大柳火が「いつ上がるかが分からない」というのが実に苦戦する。唯一の手掛かりは昇銀竜。全昇銀竜のうち3割ぐらいが大柳火だというのが私の積年の経験値。白く太い銀竜(花火が上昇するときの白い線)が昇っていくと、あわててカメラの設定を変えてシャッターを切る。
 確立3割だから、失敗する方が多いのだけど、バッチリ来ると、そのたびに叫びたくなるんだよね。

 なお、これがあるから私はND使わないんだよね。ND付けててもちゃんと撮れる人いるの知っているけどさ~。


 なお、同じ昇銀竜で、めっちゃ明るい白菊系や、艶やかな八方も上がる。そのたびに「太陽大爆発」的な画像(真っ白~~~)が量産されるorz



▲昨年銀の明るさに負けて小割が全部ぶっ飛んでいたこの玉も、絞って絞ってようやく小割の色をとどめることができた。
 ちゃんと目視はできるんだけど、カメラって意外と不器用なのよね。それにも増して自分のカメラワークが不器用なのは重々承知の上での話だ!



▲スター芯の花火
 片貝さん、お魚🐟芯とかハート💓芯とか、なんならスマイル(⌒∇⌒)芯とかニャンコ😺芯とかの花火があるんだけど、今年はスター🌟推しです。大曲でも星形花火✪たくさん上げて、優秀賞受賞しましたしね!(←おめでとうございます)



▲この千輪、何度見てもおせんべいを思い出す。あられがたくさん「あられ千輪」でいいんじゃない?って勝手に命名。越後製菓さん、この名称で片貝まつり用のお土産あられ作ってください! 私、命名権いりませんから~。



▲八方咲の三弾打ち。片貝さんの八方はしなやかでまるで羽二重のような柔らかさを想像させる。そして紫ピンクのつやっぽさが好き。



▲三重芯変化菊。
 今年、朝ドラのBS再放送枠は2003年の「こころ」であった。浅草のほかに六日町や山古志、片貝が舞台になったドラマである。
 主人公の両親夫婦が相聞歌のように花火を奉納しあっていたのがこの片貝の花火であった。
 なお、そのドラマ主人公の父・沢朗や一国さんがお世話になった上杉煙火というのがこの片貝煙火にあたる。実際、片貝煙火の社長が花火制作指導という形でクレジットされていた。
 ドラマの中で沢朗は「八重芯」(八重ではなく二重の芯)にこだわっていたが、今や現実世界は三重芯や四重芯、挙句の果てには五重芯が登場するようになっている。
 再放送で話題になったためか、この翌日の2日目はBSフジが片貝まつりを生中継するというやたらとメディアに注目された年である。



▲「9日夜8時30分打ち上げ、日本一 正三尺玉」。
 現在は四尺玉をも上げる片貝であるが、その昔(明治24年)から正三尺玉は日本一であった。だからこの口上は不変なのである。



▲スターマインもかわいいのあるよ!

 片貝の花火は、花火に人々の思いを載せて打ち上げる、奉納花火である。かつて火薬の扱いが緩かったころは、自分で花火を作ってその花火を神社に奉納し、打ち上げていた。そのため、1発1発ずつ上げることが多いのだが、スターマイン(速射連発)も多くはないが上がる。それも錦だったり大柳火だったり、千輪だったりとこれもバリエーション豊富。八方は燃焼速度が遅いので、前の光跡が消える前に次の光跡が乗るので、まるで振袖で舞っている女性のようである。



▲大きな錦が消える前に、椰子芯の千輪が開花し、こんな華やかな感じに…。思い込みかもしれないけれど、片貝さんは花火を重ねることで生じる相乗効果の扱いが上手と思うんだよね。



▲この日2発目の三尺玉は紫の小割入



▲そしてもひとつ、大柳火。最初のはかなり明るく持ち上げたから、こちらの方がリアルな色に近いです(;^_^A



▲ハート芯!!



▲片貝さんの青は澄み切っていて、花火マニアの間では「片貝ブルー」と呼ばれていますw



▲団体ツアー参加者一同奉納 特大スターマイン
 先ほども書いたように、片貝の花火はすべて奉納の形態をとっている。現在は団体ツアーでここを訪れる人も多い(周辺に宿少ないし、交通機関充実しているとはいいがたいので、ホント初心者はツアーで来るのが一番よ)。その団体ツアーの方にも奉納花火を理解していただきたいということで、ツアー代金の一部で花火を合同で打ち上げるというもの。これ、業界最大手も、田舎のちょっとボロイ温泉旅館も同じ舞台に立っているので、いい企画だと思うの。
 もちろん、これとは別に自社だけで奉納している旅行会社もあるよ。だから某業界最大手も単独で奉納しなさいって##



▲ニャンターマイン。ネコ型花火がたくさん上がるよ。
 もう何年前になるのかな? 市内の動物病院が奉納する花火にネコ型花火が加わったんだよ。その後、ニャンコ芯花火が加わり、時にはタヌキ花火も乱入するといった経緯を経て現在にいたっている。毎年9日に上がっているから、猫好きさんはぜひ一度見に来てね🐈



▲そしてしつこく上げるよ、大柳火! だって好きだもん、大好きだもん、大大好きだもん!!!



▲そして終盤、最初の方に上がった時差変化星で八方咲が上がって、とどめを刺された。



 土曜日ということで、久々の大混雑の片貝の花火であったが、花火はいつものように趣深いものであった。
 〆の四尺を見た後、撤収作業をし、最後のスターマインを見ながら脱出。裏道を裏道裏道裏道とたったかたったかと歩き、路線バスの乗り場へ(シャトルバスと同じ場所)。臨時の路線バスはその時間1本キリなので、毎度緊張感漂う。無事に時間前について、路線バスで実家近くまで帰ったのであった。
 まぁ、万が一乗ることができなくてもイオンまでシャトルバスで行って、そこから1時間歩けば実家だから(車のない家で育ったので、1時間ぐらいの歩きは何とも思わない)、術がないわけじゃないんだけどね。


 夜遅くに寝るものの、翌日も早起きだったりする。
 もちろん二日目も参戦だからだ!!


【祝無事開催】雨のち晴れの大曲

2017-09-03 17:45:00 | 花火

▲大会提供「生命のまつり」その姿、いと美しきなり

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 8月の花火の予定は大曲が最後。7月後半から8月前半にかけての怒涛の花火観覧ピークをクリアした後、あとは大曲だけと…。そうゆったり構えていたら、なんだか前日大変なことに…。

 前日の8月25日朝、雄物川の水があふれた。場所は大曲の花火会場であった。心配しつつ出勤をしてみると、状況はもっとひどいことになっていた。
 A桟敷の上まで水が出ているじゃないか!? これはマズイ。これ以上水量が増えて桟敷が流されるような事態になると、花火開催できないぞ…。ということで、仕事をしながら時々雄物川の推移をチェックするという状況となる(後で注意された)
 幸い、水位はピークを過ぎて徐々に下がっているようだが、それでも翌日の開催が確信持てない。公式HPには、翌日(開催当日)の朝6時に判断をするとの表示。

 マジかー。

 じたばたしてもどうにもならないので、開催を信じて荷物整理。翌朝を迎える。起きたのは7時過ぎであったが、無事開催の報。

 例年6時の新幹線を予約しているのだが、今年に限ってはなぜか10時台の新幹線を予約してあった。例年通りだとヤキモキしながらの出発だったが、ちゃんと開催決定が分かってからの出発は気分がよい。
 満席につき、立ち席特急券の客も載せるといういつもの感じで、東京から出発!

 大曲に無事到着し、早めにホテルチェックインもできた。
 花火講座を行っている花火庵で知り合いに挨拶をして、会場へいざ!

 歩きつつ、人手の少なさを実感。会場までの道が歩きやすい。いつもなら自分のペースで歩くのが困難なほどに道が混んでいるのだが、今回は例年に比べてスカスカであった。
 前日の段階で断念した人とかツアーとか結構あったようだ(使えない予約駐車場も発生していたし)。

 会場に到着。
 前日まで水を被っていた風情はみじんも感じさせない完全な会場整備に涙が出そうになる。河川敷通路が泥だらけになっているかなぁって思っていたが、私の移動する辺りは普通の靴でも問題ない状態であった。
 私の席自体は、水を被っていないことはチェック済みであり、荷物もひとまず置く。その足でスイカを買いに…。

 昨年、某入り口付近で羽後のスイカがカットして売られていることを知ったので、その調達である。知人の分も含めて両手をスイカでいっぱいにしてみんなで食べる。いつもよりちょっと涼しいけれど、大曲の夏である。


 やがて時間がたち、昼花火の打ち上げ刻限となる。
 今年から昼花火も総合優勝にかかわってくるということでスタンバイ。会場の大半から、昼花火の位置が太陽と重なって見づらいという難点はあるものの、今年はきっちりサングラス持参で万全である(審査員も黒いサングラスをかけるという状況である)。

 風は対岸からこちらに向かって吹いてきており、昼花火をつるす落下傘が観覧席に向かってくるという状況。A桟敷やC桟敷に着地したのを見た。思わず拾いに行こうかと思ったよ。

▲北日本花火興業の昼花火「招福開運-空からのメッセージ-」(スマホ撮影)

 なお、落下傘の先には直前まで燃えていた煙管が付いているので、拾うときには火傷には気をつけましょうね。

 昼花火も無事に終わり、7月の水害(7月にもここは水を被った)被災者への応援花火も終えて、いよいよ夜の花火の開始となる。


 大曲の花火は競技花火である。
 以下入賞作のみのご紹介


【創造花火の部】

★優勝★「水辺に集う蛍~光を燈し・舞う~」
      長野県 伊那火工堀内煙火店

 清流の流れる音とともに川の流れを表すかのようなゆったりとした和火の柳。そこについっと1匹の蛍が横切るという… そんな世界を見事に表現してくれた。創造花火は「音楽」でなくても「音」でよいということを発見してくれたその発想が素晴らしく、そして花火にもマッチしていた。
 なお、この後、蛍はまるで群生地のように大量に発生して緑の光跡の一大乱舞となる。個人的にはこの1匹の動きの方が好みである。この辺りは、原体験の違いかと…。実際の野の蛍を見て育ったか、観光地としての蛍群生地で見ているかという…。



★準優勝★「光の鼓動~むすんでひらいて~」
      茨城県 野村花火工業

 時間差で内側~外側の輪が明滅する技で開いたり閉じたりを表現。手慣れた安定感はさすがである。現場が多く、また玉の提供も多いから仕方ないが、新玉があまり見られないのが残念なのよね、野村さん。



★優秀賞★「宇宙~星の誕生」山梨県 齊木煙火本店

 神明でこの試験版を見たわけだが、もちろん仕様が異なるからそこからの進化が見られる。相変わらず星の美しさにうっとりとなる。



★優秀賞★「煌く星に魅せられて」新潟県 片貝煙火工業

 大曲初出場で入賞ですよ!! まぁ、立場上競技会にはあまり出なかったという面もあるようで…。満星・抜き星で表現される☆の型物は、大曲では初見だろう(赤川では出していた)。今回は、持ち玉を大曲向けにうまく組み合わせた結果、バチッとはまったように思う。来年以降のさらなる期待は地元人としては当然前のめりであるw


★入賞★「光の雫」山梨県 マルゴー


★入賞★「夜桜フェスタ」長野県 篠原煙火店


★入賞★「色褪せぬ花」群馬県 菊屋小幡花火店


【10号玉 芯入割物の部】

★優勝★「昇曲付五重芯変化菊」
      茨城県 野村花火工業

 強すぎる!!



★準優勝★「昇銀竜五重芯変化菊」秋田県 小松煙火工業

 野村さんの連覇を早く止めてください!!



★優秀賞★「昇り分砲付四重芯菊先緑紅銀乱」
       長野県 伊那火工堀内煙火店

 このまっすぐ上がらない感じは、私的にはアレなんですけど…。



★優秀賞★「昇り曲導付四重芯変化菊」
       東京都 丸玉屋小勝煙火店

 今回の「丸さは正義」賞。でもその基本の〇が崩れるところも少なくないからね



★入賞★「昇曲導付五重芯変化菊」群馬県 菊屋小幡花火店

 初の五重芯チャレンジ! ちゃんと出ていたと思う。「四重芯の」看板を掛け変える日は近い。あと、配色が好きです!



★入賞★「昇曲導付四重芯菊花の誉」長野県 篠原煙火店

 私の席からはこんな感じでした(審査員席近いよ)。


★入賞★「昇曲付三重変芯変化菊」愛知県 磯谷煙火店

 磯谷さんの三重芯は、いつ見ても端正ですな。きれいに見えるのは三重芯までだという考えは重々承知のうえで、もう一段階上を見てみたいわがまま。


【10号玉 自由玉の部】

★優勝★「キラキラ万華鏡」茨城県 野村花火工業

 これも、見たことある花火なんですよね~。もちろんブラッシュアップしてきているんでしょうけれど。野村さんにとって、大曲ってフィギュアにおけるフランプリファイナルみたいなもんなんでしょうなぁ。



★準優勝★「輪廻の讃花」群馬県 菊屋小幡花火店

 小幡さんのこの盆の大きな和火シリーズ好きです。和火の先にとっておきの色を履かせるのはもうオシャレで、和火のモダン化を感じますね。このカラリングもいいんだと思う。



★優秀賞★「虹色のグラデーション」山梨県 齊木煙火本店

 形が…って言わなくても分かっていますよね。だから何故という…。



★優秀賞★「昇分砲付八重芯朧柳」長野県 伊那火工堀内煙火店

 これが大曲の好みであることは重々承知している。確かに金砂は美しい。あえてこれを出してくるポシリーもいい。完全玄人受けがあってもいい。



★入賞★「昇り曲付八重咲螺旋花」山梨県 マルゴー

 向きがぁ!!! 審査員席からもあまりい角度ではなかったはずなのに、ちゃんと入賞しているのは信頼感か…。ってか、これ平面型物的割物で、向き制御ができなければ、ここに出してくるとは思えないので、きっと何か勝算があったはずと勘繰るw



★入賞★「天空のユートピア」秋田県 北日本花火興業

 通称プリンス玉(個人的に)。あと、この配色片貝っぽい(わかる人だけわかる話)



★入賞★「ラピスラズリ」愛知県 磯谷煙火店

 思ったよりラピスラズリ色ではないと思ったけれど、結構色にばらつきがあるんだよね。形は好きなので、これブラッシュアップして定番化してほしい。ちなみにラピスラズリは日本語では瑠璃。正倉院にも瑠璃杯というのがある。某ひたちのネモフィラも瑠璃唐草という




【昼花火の部】※文字情報のみ
★優 勝★「直線と螺旋」秋田県 小松煙火工業
★準優勝★「昇曲導五色煙竜に群蜂の戯れ」
        新潟県 阿部煙火工業
        ↑初出場での入賞おめでとうございます!! 新潟ではこ
        のタイプの昼花火をあまり見ないので正直その完成度
        に驚いた。客席から自然と湧き上がっていた拍手と
        歓声届いていたでしょうか…。

★優秀賞★「空とマジワル墨アート」静岡県 三遠煙火
★優秀賞★「昇曲付煙竜の舞」群馬県 菊屋小幡花火店
★入 賞★「雷鳴に煙竜の舞」新潟県 新潟煙火工業
       「昇煙竜遊飛煙蜂」長野県 信州煙火工業
       「夕暮れに彩煙連竜」長野県 太陽堂田村煙火店





 ということで、本年の総合優勝は以下の通り
★内閣総理大臣賞★
 茨城県 野村花火工業


その他特別賞は
★観光庁長官賞★
 山梨県 齊木煙火本店
★日本煙火協会会長賞★
 新潟県 片貝煙火工業
★佐藤勲賞★←今年新設
 長野県 伊那火工堀内煙火店




 各社、素晴らしい花火をありがとうございました\(^o^)/