▲オープニング特大スターマイン@長野えびす講煙火大会
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長野えびす講煙火大会の花火を見るのはまだ3回目である。
前日の夜行バスに乗り、北斗七星やオリオン座輝く犀川のほとりに立つ。今年は前日までの場所取りが禁止されたと聞き、実際にあらかじめ敷かれていたシート類は撤去されたらしいが、そこはいたちごっこ。剥がされたシートはいつの間にか再度敷き直されていたらしい。だから、場所取りはいつもと同じ状況だった。
それでも昨年とほぼ同じ場所にはまだ空きがあり、霜降りる中場所を確保した。
しかし長野の町が動き始めるにはまだ早い。
駅までゆっくり歩いて、駅の待合室で開店直後の駅そばを食べてからスタバでまったりと時間をつぶす。なにせ花火は夜である。
そして長野に来たからには善光寺にご挨拶せねば…。毎時に上がる号砲に心ざわつかせながら参道を歩く。
善光寺は昨年と同様美しい紅葉が残っており、境内にはちょっと遅めの七五三親子が朝早くから参拝していた。
▲7号10発一斉打ち@長野えびす講煙火大会
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ようやく町が動き始めたところで、温泉へ。
昨年も訪れた温泉であるが、市中にあるにもかかわらず非常に泉質が良い。
長野は温泉に恵まれた地であるが、市の中心部は気軽に入れる温泉がないのだけが残念。長野をベースに車や電車で移動すればいい温泉がわんさかあるのだが…。
ということで、今年もこの温泉にお世話になる。
2つの源泉を有し、茶褐色の湯の方は「熱の湯」と称され、非常に温まる。夜行バスで寝不足気味の身には一気に血が回ってあっという間にのぼせそうになる。慌てて水をバシャバシャかぶってクールダウン。
しかし、いい温泉だよな。帰り道に改めて腕を触るとツルツルしていた。
その後は休憩室でゴロゴロする。同じ休憩室でゴロゴロしている人も、どうやら花火までのつなぎのようだった。
▲全国十号玉新作花火コンテスト優勝「日本の花」(山梨県・山内煙火店)@長野えびす講煙火大会
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3時前に温泉を後にする。
駅前で「おやき」と花火のプログラムを購入し、防寒対策を施して、シャトルバスで花火会場へ向かう。朝とは大違いで、河原にはもうすでに相当数の観客が来ていた。
なぜか4時~6時までに出ていたピンポイントの雨傘予報も、予想通りの杞憂となっていた。
朝、ここはないだろう…って思っていた場所も、三脚がそれなりに並んでいる。まぁ、前だけを見ればありなのかもしれないが、そこの後ろって超々大混雑だから落ち着かないのよね。私が取った席の後方も、花火中盤からズラーッと立ち見の人々が十重二十重のようにできていて、ちょっと驚いたよ。
この日ほかには大きな花火大会はない。
だから全国から花火愛好家が集まる。右を見ても左を見てもどこかで見たお顔ばかり。人と顔と名前を一致させるのが大の苦手の私でも少しは知っている方がいる。さらに、今年の「花火鑑賞士検定」のテキストと思われる物を持っている人にお声をかけたりしながら、あいさつを交わす。
▲大スターマイン@長野えびす講煙火大会
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秋の夕暮はつるべ落としである。
あわててカメラをセットしてみるが、そこで小さな事件が。
「おやき」がカラスにさらわれた!?
いや、レジャーシートと銀マットの間に入り込んでいたけれどね。私のお尻の下でなくてよかった~。暗くて気付かなかったんだよね。
暗くなると、目の前の屋台の明かりが煌々と灯り、そして肉類を焼くにおいがプンプンと。においはいいんだけれど(いや、これが2時間続くのかと思うとちょっとな…)、油分を含んだ煙が飛んできているわけだよな…。
日が暮れると、気温も急降下。
例年、それなりの防寒対策をして臨むわけだが、開始直前までは「カイロは要らないかな」って思う。だけど、始まってしばらくすると「カ、カイロ出そうかな…」って弱気になる。
雪国生まれ育ちということで、長野の寒さを例年なめてかかり、例年屈服させられる。この件にかけては学習効果はほとんどないらしい(笑)。
▲ミュージックスターマイン(信州煙火)@長野えびす講煙火大会
…小型煙火多すぎ
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さて、花火打ち上げ開始である。
オープニング前に被災地復興祈願ということで、尺玉2発が2つの煙火店(紅屋青木煙火店&信州煙火工業)からそれぞれ打ち上げられた。
あのー、もうちょっと2社でお話合いした方がいいんじゃね?ってラインナップ(苦笑)
で、やけにテンションの高い商工会会頭のあいさつの後、オープニングの特大スターマインが始まる。
もう、最初から全力投球である。
うっかりするとすぐオーバーしてしまうので、あんまりぼんやりもしていられない。
まぁ、打ち上げ場所さえ特定できれば、あとはカメラのファインダーなんてのぞかないでじかに見ているから、ぼんやりする暇もないんだけれど。
右からは青木さんが、左からは信州さんがそれぞれの自慢の玉を惜しみなく打ち上げる。
時折はるか遠くでスターマインが上がるのだが、あれは「えびすシート」対策だろう。
ワイド展開の花火大会にありがちな、右に左にカメラを振りながら、必死に追いかけるだけである。
▲大スターマイン@長野えびす講煙火大会
雪千輪がきれい。
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この日の風向きは右斜め前から左後方へのやや向い風。
打ち上げられた花火は、徐々に観覧席に覆いかぶさるようになってくる。やがて、観客席にも花火の燃えカスが落ちてくるようになった。
新作花火コンテストの最中、私と友達に間にも「がさっ!」という音ともに、何かが落ちてきた。長さ10センチ程度の弧を描く紙の塊。玉皮である。打上順番から言えば、おそらく野村花火の玉皮だろう。
燃えカスとかいろいろ降ってくるのは、片貝やらほかの花火でも慣れっこであるが(某会場では「霰か雹か」って音を立てながらザンザカ降ってくる)、うまく二人の間に落ちたものである。
この事態多発に「花火の燃えカスが落ちてきたらうまく避けてくださいね」ってアナウンスされる始末。いや、火がついていれば目視で避けられますが、鎮火済みの玉皮は真っ暗な空か降ってきても何も見えませんがな…。
▲ミュージックスターマイン(紅屋青木)@長野えびす講煙火大会
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そして、目玉ともいえるミュージックスターマイン。
今年も堪能させてもらいましたわ~。
小型煙火の多さにはちょっとあれなんですが、相変わらずお見事なことで…。
なんだか年々、細工が細かくなっている気がするのだが、ここはひとつ思いっきり豪快な展開も見たいような気もしてきたりする。
普通の段打ちモノや、スターマインも油断するとワイド打ちになったりするだから、本当に見る側も何度も心を抜かれそうになる。
相変わらず降ってくる燃えカスには「青木さんの愛があふれて降ってくる~」って、訳のわからん感嘆符を入れてみたり(場所的に青木打上の燃えカスしか降ってこないので)、2時間終始楽しんだ。
気になった点は、信州煙火さんの打ち上げがやけに低かったこと。
何度も親星が地面に突き刺さるのを見た。
あれが燃えカスがあまり散らからないような配慮であるのならすごいが、当日の風向きを予想してそこまで対応できるのかといわれれば、単なる偶然だったのかな。
▲大スターマイン@長野えびす講煙火大会
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そんなこんなで花火終了。
さて、今度は新幹線目指して会場脱出である。
この会場の弱点って、入退場の動線に逃げ道がないことだと思う。そして、警備員の対応もイマイチのような気がする。
屋台前にあんなに人が詰まっているのは初めて見たかっも。そして、背後にいた何重もの人垣は、あれは例年並みだったのか。
まぁ、あまりのグダグダ具合に土手を斜めに下りて脱出した。駅到着は発車20分前。十分にお土産を買う余裕もあった。
新幹線はそれほど混んでいなかった。
やはり関東圏から日帰りでここまで見に来る人って少数なんだろうなぁって、改めて実感した次第である(人はこういう輩を物好きというもんね)。
▲8号玉100連発超ワイドスターマイン@長野えびす講煙火大会